「夢は今なくてもいい、チャレンジを忘れずに!」陸上800m元日本記録保持者 徳田由美子さんからの熱血授業!
長崎県立五島高校の3年5組、2年5組、1年5組の計18名に迎えられた徳田さん。高校生らしく落ち着いた授業となり、実際の成長が見受けられたあっという間の2時間となりました。
目次
訪問アスリートご紹介
徳田由美子さん。埼玉県出身。
1992年の日本陸上競技選手権大会800mを優勝し当時の日本記録を樹立。
現在では世界陸上連盟公認コーチ資格を持ち、キッズからシニア世代まで教室や個人レッスンを開き普及活動を行っている。
学校や地域のご紹介
長崎県五島列島にある県立五島高校。
令和2年度に創立120年を迎えた長崎県有数の伝統校です。
「普通科普通コース」は難関大を含め、数多くの大学進学実績を誇る進学校でもあります。“離島留学制度”実施校で、全国から「普通科スポーツコース」への生徒を募っています。また、公立校では数少ない准看護資格試験の受験資格を3年で得られる「衛生看護科」が設置されております。
五島高校は福江城(石田城)の城跡にあり、校門は福江城の門を使用しています。
実技と講話の授業
暖かい拍手に迎えられ、元気よく走って登場された徳田さん。
まずは講話からスタートします。
徳田さんが陸上を始めた経緯や、学生時代の歩みを話していただきました。大学時代、夢であった日本記録を更新することができましたが、目標を見失いどん底を経験したそうです。このような経験を詳細に話していただいた講話では、メモをとりながら話を聞く生徒や、熱心に見入る生徒など、生徒たちはそれぞれ真剣な眼差しを向けていました。また、陸上競技にはどのような種目があるか、各種目の記録がどれくらいなのか陸上競技についての詳しいお話もありました。
その後は、アクティブウォーミングアップを行い、実技に入っていきます。
実技では実際に走りの練習を行なっていきます。まずは走る時の「姿勢」の練習へ。
陸上競技の、「走る」時に特に大切な「前傾姿勢」とはどういうものか、また良い前傾姿勢と悪い前傾姿勢の違いについてデモンストレーションを交えながらの細い指導で、徳田さんもどんどん熱が入ります。
この「姿勢」は、陸上競技だけではなく、普段の生活や他の競技にも活かすことができるし、なんと言っても健康にも大事!と聞き、生徒のみなさんは熱心に取り組んでいました。
その後も様々なトレーニングが続いていきます。
足の動きのトレーニングでは、早く走るためにはどういうふうに足を動かせばいいのか具体的に説明を受け実践します。人数が18名という数のため、徳田さん一人一人丁寧に声をかけていきます。
その他に、足の歩幅を広げるスキップ。できるだけ遠くにスキップを行い、その後走ります。一歩の距離をできるだけ長くするトレーニングで、走っている最中の歩幅を意識することができます。
これまで練習したことを意識して、いよいよ実際に走っていきます。
「姿勢」を意識し、実際の走りの中で身体に染み込ませていきます。
最初は難しい様子でしたが、生徒たちは練習したことをしっかりと表現します。
徳田さんは失敗してもいいから「まずはやってみること」、「できなくても前向きに」と生徒に伝えながら実技の授業を進めており、生徒たちはどんどんチャレンジすることができました。
実技の最後には質問タイムが設けられ、生徒たちは自分の感じた疑問を、徳田さんにぶつけており、素朴な疑問が次々に解決されていき、納得の表情を浮かべていました。生徒たちも嬉しそう!
アスリートから児童生徒へメッセージ
陸上競技を始め、夢に向かって一生懸命チャレンジを続け日本記録樹立を達成できた理由やどん底を経験しながらもそこから這がってきた徳田さんのストーリーが詳細に語られました。
伝えたこと①
実技の途中で生徒に伝えていた、失敗してもいいからまずは「やってみること」が大切です。また失敗しても「なんとかなること」「前向きにポジティブでいること」の重要性を伝えていただきました。
陸上競技のみならず、人生を生きていく上で、なんでもチャレンジすることが自分を成長させてくれると信じて、「前向きに」取り組んでいくことが人生を充実させるコツです。
伝えたこと②
夢は持たなきゃいけないものではない、様々な物事に対し失敗を恐れず前向きにチャレンジしていくことで夢となるものに出会うことができます。ありのままの自分でいることが大切で、人と比較しても嫉妬や劣等感しか生まない、「自分は自分」だからと強い気持ちを持つことが大切です。とお話をされました。
授業のまとめ
早く走るために必要なことや、陸上のみならず日常生活において大切な「姿勢」についての指導を受けることができました。また最後に、「夢は今なくてもいいんだよ、いつか出会うから!」と徳田さんなりの優しさに溢れたメッセージを添えて授業の幕を閉じました。トップアスリートからの生の声を離島であっても直接聞くことができた、貴重な授業となりました。