「正しい姿勢が速さにつながる」 陸上800m元日本記録保持者 徳田由美子さんの熱血指導
城山小学校5年生1・2組70名に大きな拍手で迎えられた徳田さん。ハキハキと元気に授業を行い、笑顔が沢山のあっという間の2時間となりました。
目次
訪問アスリートご紹介
徳田由美子さん。埼玉県出身。
1992年の日本陸上競技選手権大会800mを優勝し当時の日本記録を樹立。
現在では世界陸上連盟公認コーチ資格を持ち、キッズからシニア世代まで教室や個人レッスンを開き普及活動を行っている。
学校や地域のご紹介
長崎市にある城山小学校。
原子爆弾の爆心地から西にわずか約500mの丘の上にあった城山国民学校(現城山小学校)。最も爆心地に近い学校で一瞬にして、無惨に1400名の尊い命が失われました。城山小学校には、1999年に開館した「城山小学校平和祈念館(長崎原爆遺跡の一つ)」や「少年平和像」などいくつかのモニュメントがあり、学校として絶対に風化させてはいけない歴史であるとし、「平和学習」にしっかりと取り組んでおられます。
被爆したカラスザンショウの木のモニュメント
そしてグランドにはこんな垂れ幕も。
サッカー日本代表の毎熊晟矢選手の母校ということで、子どもたちも自慢げでした♪
実技と講話の授業
まずは、講話からスタート。
陸上競技について、どのような種目があるかや、各種目の記録がどれくらいなのか、をメジャーで測って実際に距離をみてもらったり、100m世界記録保持者のウサインボルト選手の話などで大盛り上がり。
「ウサインボルト選手は一歩が2.75mなんだよ!」「時速は約45キロで、車とあんまり変わらないね!」というと、子どもたちは驚きます!ナイスリアクション!
そして、アクティブウォーミングアップに移ります。実技に向けての準備ということで、まずは身体全体を使って、全力じゃんけんを行いました。
全身を大きく使って、グー・チョキ・パー!
その後は、徳田さんの声かけで、言われた数字でグループをできるだけ早く作る競争です。滑り込んだり、抱き合ったりと、大盛り上がり!
実技では陸上競技だけではなく、普段の生活や他の競技にも活かすことができる、そして、健康にも良いとされる姿勢や走り方の実技へ。
陸上競技では大切な、前傾姿勢の違いについてデモンストレーションを交えながらの細い指導で、徳田さんもどんどん熱が入ります。
その後も様々なトレーニングが続いていきます。
地面を蹴って早く戻す「反発」の練習、姿勢をまっすぐなまま膝が曲がらないようにジャンプする「姿勢」の練習、目を瞑って「はい」と言ったらジャンプする「反応」の練習、後ろに大きく早く手を振る練習など、児童たちは様々なトレーニングメニューを元気いっぱい体験していきます。
その後はいよいよ走りの実践トレーニングへ。
これまで行ったトレーニングや意識、姿勢を振り返り、実際の走りの中で身体に、頭にと、落とし込んでいきます。
実際に早くなったと実感している生徒が続出!
「やってよかった、先生ありがと〜」の声が印象的でした。
どんどん身体も動くようになり、生徒たちも徳田さんにも笑顔がどんどん増えました。
実技の最後には質問タイムが設けられました。
Q. 「走る時に拳はグーの方がいいですか?」
A. 「グッと握りすぎると身体全体に力が入りすぎるので軽く握るイメー ジでO K。振る時はしっかり後ろにも大きく手を振りましょう!」
子どもたちも頷きながら興味津々です。
素朴な疑問が次々に解決されていき、謎が解けたというような表情で、リアクションは◎です!
アスリートから児童生徒へメッセージ
全く陸上に興味がなかった小学生の頃から、なぜ陸上競技を始め、夢に向かって一生懸命チャレンジを続け、日本記録樹立までを達成できたのか、徳田さんのこれまでの経験に基づいたストーリーが詳細に語られました。
伝えたこと①
「夢は出会う、今なくてもいい。」
夢は持たなきゃいけない、目標設定が大事、だとよ言われるけど、なかなかみつけることは簡単ではありません。その中で徳田さんは、「今はなくてもいいんだよ、いつか出会うから!」と優しさに溢れたメッセージと共に、「見つけたら、勇気を出して一歩踏み出してみること、少しでもいいからチャレンジすることが大切。」という力強いアドバイス。勇気を持って飛び込んでみる、チャレンジ精神が大切。
失敗を恐れず、その世界に飛び込んでみることで新しい景色が待っています。
伝えたこと②
「時間を使うということは命を使うということ。」
一瞬一瞬を大切にすること、時間はとっても大切なもの。挑戦もする、自分を信じる、仲間を信じる、友達を応援する。そして、感謝の気持ちをもつ。みんなにこんな気持ちがあれば平和な世の中になる。だから、この一瞬一瞬を大切に過ごすことが大事なので今を大事にしてほしい。
そしてありのままの自分でいてほしいと伝えます。
授業のまとめ
早く走る秘訣や、その為に意識することなど、トップアスリートからの生の声を聞くことができた、貴重な授業でした。
地元テレビ局の長崎国際テレビさんの取材もありました。
明るくハキハキとした小学生らしいインタビューで、楽しさが伝わります♪