「楽しむことを忘れないで」陸上800m元日本記録保持者 徳田由美子さんの熱血指導

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
2月6日、陸上800m元日本記録保持者の徳田由美子さんが長崎県立鶴南特別支援学校時津分校にアスリーチ！
陸上競技の体育授業を行いました。
長崎県立鶴南特別支援学校時津分校の高等部1〜3年生42名に大きな拍手で迎えられた徳田さん。のびのび元気いっぱいに授業を行い、あっという間の2時間となりました。

訪問アスリートご紹介

徳田由美子さん。埼玉県出身。
1992年の日本陸上競技選手権大会800mを優勝し当時の日本記録を樹立。
現在では世界陸上連盟公認コーチ資格を持ち、キッズからシニア世代まで教室や個人レッスンを開き普及活動を行っている。

学校や地域のご紹介

西彼杵郡時津町にある鶴南特別支援学校時津分校。
小高い場所で見晴らしもよく、空気がとても美味しい鶴南特別支援学校時津分ですが、4月より建設中の新校舎となり、時和特別支援学校として、新たな一歩を踏み出します。

天気がよく最高の運動日和となりました。

建設中の新校舎。

講話と実技の授業

暖かい拍手と共に迎えられた徳田さん。まずは講話からスタートします。
徳田さんは、陸上が大嫌いだったそうですが、大好きになった陸上に今でも挑戦し続けているそう。「まずはやってみること」「なんとかなる精神で前向きに」「ありのままの自分でいること」「感謝の気持ちを忘れないこと」が大切だと伝えました。

また、陸上競技にはどのような種目があるか、各種目の記録がどれくらいなのか、をメジャーで測って実際に距離をみてもらったり、100m世界記録保持者のウサインボルト選手の記録の話で大盛り上がり。
ウサインボルト選手は一歩が2.75m、時速は約45キロだそうです。これには生徒たちもびっくり！！生徒たちも自分のできる動きや、思ったことを、たくさん口に出して、
とても楽しそうです。

そして、アクティブウォーミングアップに移ります。実技に向けての準備ということで、まずは身体全体を使って、全力じゃんけんを行いました。

体全体を大きく使って、グー・チョキ・パーを表現します！無理なく、自分のできるタイミングで一生懸命な生徒たち。

準備運動が十分にできると、グラウンドに移動し実際に「走る」練習を行なっていきます。まずは陸上競技だけではなく、普段の生活や他の競技にも活かすことができ、健康にも良いとされる「姿勢」の練習へ。
とても大切な「前傾姿勢」とはどういうものか、また良い前傾姿勢と悪い前傾姿勢の違いについても、デモンストレーションを交えながら、徳田さん生徒たちも、どんどん熱が入ります。

その後も様々なトレーニングが続いていきます。
ジャンプ、スキップ、足の歩幅を広げるスキップなど。姿勢はまっすぐにしたままで、これらの動作を行うことはとても難しかったようです。さらには、走る動きの練習に移ります。膝を大きく前に出し、股関節や足の付け根の高さまで足を上げられるように生徒一人一人が一生懸命に頑張って走ります。
こちらにも一生懸命さが伝わります。

いよいよ走りの実践トレーニングへ。
これまで行った姿勢を意識し、実際の走りの中で身体に染み込ませていきます。
最初は難しい様子でしたが、生徒たちは練習したことを一生懸命表現します。
前半の徳田さんの講話でお伝えいただいた、「まずはやってみること」「できなくても前向きに」を笑顔で実践していきます！

身体も最初よりも動くようになり、足がとても早くなった生徒たちもいて、徳田さんも、とっても嬉しそう。

スタートダッシュの方法や、手の振り方など、細かなところまでアドバイスを続けます。

アスリートから児童生徒へメッセージ

大嫌いな陸上が、なぜ大好きになったのか、陸上競技を始め、夢に向かって一生懸命チャレンジを続け、日本記録樹立までを達成できた理由など、徳田さんのこれまでの経験に基づいたストーリーとともに詳細に語られました。

「やってみること」「なんとかなること」「ありのままでいること」「感謝の気持ちを持つこと」を繰り返しお話されました。
陸上競技のみならず、前向きにチャレンジする、困ったら近くの大人の方に相談をしようなど、ありのままの自分で、他の人に感謝の気持ちを持つことで、平和な世の中になることを強調してお話をされていました。

最後は生徒みんなとハイタッチ！大きな歓声と笑顔に溢れました。

授業のまとめ

早く走るために必要なことや、陸上のみならず、日常生活において大切な「姿勢」について、トップアスリートからの生の声を聞くことができた貴重な授業でした。
生徒たちのピュアで一生懸命さがとても印象に残るアスリーチでした！

生徒たち自作のウェルカムボードとパシャリ！