「たくさん動いて走る」体育の授業 三段跳オリンピアン長谷川大悟さんによる、あらゆる競技に役立つトレーニング!

「たくさん動いて走る」体育の授業 三段跳オリンピアン長谷川大悟さんによる、あらゆる競技に役立つトレーニング!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月27日、リオデジャネイロオリンピック陸上競技三段跳び日本代表長谷川大悟さんが、和歌山県日高郡の中津中学校にアスリーチ!
陸上競技の体育授業を行ました。

この日の授業は中学校1年生から3年生まで30名。全員が運動部に所属しています。熱心に話を聞き、実技でも皆さん楽しそうに一生懸命取り組んでくれました。また、跳躍用の大きなマットは子供たちがセッティングしてくれました。

訪問アスリートご紹介


長谷川大悟さん。神奈川県出身。中学校から陸上競技を始め、高校2年生からは三段跳びに専念。2016年リオデジャネイロオリンピック代表選考会であった、織田幹雄記念国際陸上競技大会で優勝し、日本では12年ぶりの三段跳びでのオリンピック代表の座を獲得した。その時の記録は当時日本歴代4位。現在は、現役選手として活躍しながら指導や講演活動をおこなっている。

学校や地域のご紹介


JRきのくに線御坊駅から車で約30分。自然に囲まれた環境のなかに日高川町立中津中学校は位置します。学校のすぐ隣にはきれいな水の日高川が流れ、素晴らしい景観を映し出しています。

授業の様子

講義ではまず三段跳びという競技について触れられました。3歩のジャンプで電車の車両約一両分跳躍すること。メジャーを使って、長谷川さんの記録である16m68cmまで伸ばしていくと、あらためてその距離の長さに「すごい~」の声が上がります。さらに、子供たちの手拍子のなか実際の跳躍も披露していただき、子供たちのテンションも高まります。

中学校の友達に誘われて陸上部に入部、迷いながらも高校でも競技を続け、三段跳びと出会いました。大学進学後も競技を続けることを悩み考え、でも悩むということは陸上競技をやることが好きだし楽しいと考えている自分がいると競技を続けました。
そして、どこまで頑張れば自分として納得できるかを考え、大学4年間で日本一になることを目標として設定し、三年生の時に大学日本一になりました。その時のコーチが三段跳びのオリンピアンだったこともあり、オリンピック出場を夢見ました。人生で初めて夢を持った瞬間で、それから5年オリンピック出場を手に入れました。そんな競技生活を通して気が付いたことは「夢を持つことは日々自分を成長させてくれる」「努力はちょっとしたことの積み重ね」「まわりの人を大切にし続ける」とご自身が大切していることが語ってくれました。

また、好きな言葉は「人間本気になれば大差なし」。中学校の陸上部の監督に教わったそうです。「運動が得意ではなかった自分に、本気で取り組めば周りとの差を埋められる、しっかりと成長できるということを教えてくれました」。明確な目標を持って陸上競技に取り組んだ時期が遅かった長谷川さんにとって、いつも支えになった言葉だそうです。
皆さんどんどん引き込まれていきます。

三段跳びをやっている男子生徒もいて、「三段跳びで遠くに跳ぶコツは?」の質問もあり、「助走のスピードを最後まで保つことが大事」など専門的なアドヴァイスもありました。


実技では陸上競技だけではなく、他のスポーツにも活かせ、健康にも良いことをやっていきます。ステレッチでは手を拡げ、手とは逆の足のつま先に触れる。後ろから逆足の踵に触れる。深く腰を落とした姿勢で逆足のつま先に触れるなど、いろいろなところを短い時間で伸ばしていきます。

そして、姿勢をしっかり保ち、身体の軸を安定させることを目的に両足跳び、大きくスキップ、大股歩き、腕を上に伸ばして、腕を前に伸ばして、腕をお腹の前で組んでのランニングが続きます。

さらに、瞬間的に身体を動かせるようになるためのトレーニングとして、その場で速く小刻みに足を動かしながら、長谷川さんの声で上下左右に動くドリル。

体育座り、後ろ向きの長座の状態から、両足跳びからのダッシュ。シャトルランなどたくさんのトレーニングを学びました。さすが全員運動部だけあって反応は速いです。先生も大きな声を出しながら一緒にやっていました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

挑戦することに才能や時期は関係ない

何かに挑戦しようと思ったときに、「周りの人が上手いから」「今からでは遅いじゃないか」と思う必要はありません。小学生の頃は運動とは無縁で、どちらかと言えば苦手意識を持っていました。友人に誘われて中学生で陸上を始め、目立った実績もないまま大学でも競技を続け、明確な目標や夢を持ったのは大学生になってからです。そして、オリンピックに出場することができました。

継続すること、諦めないことが目標達成の大きな要素になる

ひとつのことを投げ出さず続けていくことが大きな目標や夢を叶えることの力になります。進学するたびに陸上競技を続けるかを考え、思い悩みながらも続け、諦めずに取り組んだことで目標を見つけることができ、夢を手にすることができたと思います。

授業のまとめ


運動が大好きな子供たち。運動量の多い授業でしたが、皆さん真面目に楽しそうにしっかり授業と向き合っていました。陸上部の生徒はシューズやシューズケースにサインをもらい大喜びでした。

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