元メジャー・五十嵐亮太さんの明るく楽しい体育授業!児童の笑顔が弾けました

元メジャー・五十嵐亮太さんの明るく楽しい体育授業!児童の笑顔が弾けました

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
今回はメジャーリーグでも活躍した元プロ野球選手・五十嵐亮太さんが、東京都の北区立滝野川第五小学校にアスリーチ!
野球の体育授業を行ました。

登場から大歓声で迎えられた五十嵐さん。
「野球経験のない児童でも楽しめるように」と考えてきたトレーニングを明るく楽しく提供。軽妙なトークもあり、残暑厳しい校庭で、終始笑顔の絶えない実技となりました。
授業後半は、一方的に話すのではなく児童に語り掛け質問して進める双方向型の講演会。未来につながる話に、児童たちも積極的に参加をしていました。

訪問アスリートご紹介

五十嵐亮太さん。北海道出身。のちに千葉県に移り、敬愛学園高校からヤクルトスワローズに入団。その後メッツ、ブルージェイズ、ヤンキースとMLBで活躍。その後日本球界に復帰してソフトバンク、ヤクルトでプレー。2020年に引退。現在は解説者として、NHK・民放各社で引っ張りだこの活躍です。

学校や地域のご紹介

都心の主要幹線道路・明治通りから一歩入ったところに位置する滝野川第五小学校。徒歩10分以内に京浜東北線・上中里駅、宇都宮線・尾久駅に加えて、都電荒川線も通るアクセス抜群の立地です。校庭からは東北新幹線・北陸新幹線も見え、電車が好きなお子さんには嬉しい環境だと感じました。来年で創立100周年を迎える伝統ある学校です。

メジャーリーガー直伝・投げるコツ、打つコツ

大歓声に迎えられて、残暑厳しいグラウンドに姿を現した五十嵐亮太さん。冒頭、子どもたちに負けない大きな声でご挨拶をして、授業を開始します。

まずは投げ方のお手本披露。相手役に、野球をやっているという児童が指名されて、緊張のキャッチボール。五十嵐さんから名前を呼ばれて、男の子も嬉しそうな様子。「とっても上手い!」「良い球!」、五十嵐さんの大きな声に、選ばれた児童の投球にも熱が入ります。
五十嵐さんからはボールのスピンと球速、ストレートと変化球の説明もあり、子どもたちは興味深く聞き入っていました。

そこからウォーミングアップ。「これは日本やアメリカのプロチームがやっている内容です」という説明を受け、子供たちは真剣にからだを動かしました。

いよいよ児童全員で投げ方練習。やわらかいティーボールを使用します。慣れない児童もいてボールがあちらこちらに交錯しますが、「上手く投げられなくていいから、教わったフォームを意識して。失敗を恐れず思い切り!」、五十嵐さんの励ましもあり、みんな恥ずかしがったり臆したりすることなく、力いっぱいボールを投げ合います。五十嵐さんのところに「違うスピンをかけたらボールが曲がった!」と報告に来てくれる男の子もいました。

全員のところをくまなく回り、投げ方のアドバイスをしたり、褒める声掛けをしたりする五十嵐さん。子供たちは男子も女子も、一心不乱にボールを投げ合いました。

その最後、五十嵐さんより「特にフォームがきれいで投げるのが上手だった」という女子児童が2名指名されて、全員の前でキャッチボール。いずれも野球経験はないという2名とも指名に驚いていましたが、そのきれいなフォームには全児童から大きな拍手。五十嵐さんからは「今から野球やらない?」とまさかのスカウト(?)も!

続いて瞬発力を鍛えるトレーニング。
座った相手の動き出しで鬼がタッチに行くという変則鬼ごっこ。追う方も逃げる方も、懸命にダッシュ。楽しみながら本数を重ねました。

実技の最後はバッティング。五十嵐さんから、打球が飛ぶメカニズムと、打つ際にボールのどこをどうやって打つのが良いかというアドバイスを受け、数名の代表児童が実践しました。野球をやっているという女子児童が鋭いスイングから飛ばした大きな打球には、五十嵐さんもビックリ!グラウンドは大歓声に包まれました。

対話形式のアスリート講演

2コマ目は場所を体育館に映しての講演でした。最初から、児童へ様々な問いかけをし、その返答に対して考えを伝えたり質問を重ねたり。「僕は小学生くらいの頃、長い話を聞くと眠くなってしまったから」と話して児童の笑いを取り、インタラクティブなやり取りの中から、児童に伝えたいメッセージを話した五十嵐選手。気付けば児童たちも話に引き込まれ、真剣に聞き入っていました。

アスリートから滝野川第五小学校の児童へメッセージ

どう生きるかは君たち次第

「どういきるか」はすなわち「君たちがどう思うか」。常に「自分はどうしたいか・どうなりたいか」を考えていることが大切。
自分は野球界で、結果を残すためだけにやってきました。結果が出ないと二軍、そしてずっと二軍だとクビです。自分はその世界が楽しいと思ってやっていました。みんなも、みんなが信じたことや自分自身が楽しいと思うことを見つけて取り組んでください。人生は、自分で決めるものです。

失敗を怖がらない。失敗した人を笑わない

やりたいことを見つけて、自分で一歩踏み出す勇気を持ってください。
「恥ずかしい、失敗したくない」と思って挑戦しないのはもったいない。「ミスしたら笑われるかもしれない」、その気持ちは必要ありません。
とにかく積極的に、恥を捨てる、恥ずかしいことを笑う人がいても気にしないこと。

そして、何かに挑戦して失敗した人を笑わない人になってください。
むしろ、挑戦した勇気に対して、心の中で拍手を送れる人になってください。
失敗した人を笑わない取組みは、ぜひクラスでも少しずつ考えてほしいです。

当たり前のことを当たり前のようにやる

大谷翔平選手の凄さは、「当たり前のことを当たり前のようにやれること」です。
例えば「子どもは早く寝た方が良い」「ゲームをするなら先に宿題を終わらせた方が良い」「ゴミが落ちていたら拾う」、ほぼ全員が賛成すると思いますが、それを当たり前のように毎日できる人は、なかなかいないのではないでしょうか。
大谷選手は、「こうした方が良い」という選択肢を、常に選んでいる人だと思います。これは簡単なようで、とても難しいことです。
分かるだけではだめ、やるかやらないか。その小さな積み重ねの差。そこを心がけるだけで人生は変わってきます。

サプライズの延長授業!

さて、授業も終わり児童たちは給食へ、という時間に先生からご相談が。「五十嵐さんとキャッチボールがしたいとグローブを持参している児童がいるのですが…」とのお話に、帰らず快諾した五十嵐さん。野球少年少女にとっては夢のキャッチボール時間が、炎天下の校庭で再び行われました。「野球をやっている子たちだから」と具体的な技術指導を行った五十嵐さん。「給食は食べなくていいからもっとやりたい!」という児童も。間違いなく、一生の思い出になったことでしょう。

授業のまとめ

「たいそうのお兄さん」のような明るさと親しみやすさで、子どもたちとの良い関係性を即座に築いた五十嵐さん。終始笑顔が絶えない時間の中に、運動で役立つ体験や、今後の人生のヒントになるメッセージが数多く詰まっていました。まだ終わらない夏の暑さと共に、子どもたちの記憶に強くリーチする体験となりました。

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