「挑み続ける姿勢が大切!」五輪金メダリスト・髙木菜那さんの体育授業!

「挑み続ける姿勢が大切!」五輪金メダリスト・髙木菜那さんの体育授業!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
今回は平昌五輪スピードスケートで2つの金メダルを獲得した髙木菜那さんが、東京都の三鷹市立第六小学校にアスリーチ!
体育授業を行ました。

大きな拍手の中、2手に分かれた児童の真ん中を歩いて登場した髙木菜那さん。
冒頭のレース映像上映から児童は一気に集中。
前半校長先生のモデレートの元、子どもたちに多くのメッセージを送ると、後半はゲーム性の高い実技で、楽しみながら多くの運動要素を提供しました。

訪問アスリートご紹介

髙木菜那さん。北海道出身。平昌五輪スピードスケート『団体パシュート』と『マススタート』でそれぞれ金メダルを獲得、マススタートでは初代女王として五輪の歴史に名前を刻みました。

学校や地域のご紹介

三鷹駅から2kmほど、住宅街の一角にある連雀学園三鷹市立第六小学校。今年創立70周年を迎えました。東京都の健康教育推進校で、運動を介した教育にも力を入れています。

目の前で見る金メダルに大興奮!

入場して自己紹介をすると、まずは金メダル獲得の映像を上映。動画の中の髙木さんが勝ってガッツポーズをした瞬間には、体育館の児童から大きな拍手が沸き起こりました。
そして髙木さんの手元から、3つのメダルが。五輪で獲得した金メダル2つと銀メダル1つ、初めて見る五輪メダルに、子どもたちからは大きなどよめきが起こりました。


授業の前半は講話。あらかじめ児童から募っていた質問を元に、校長先生が質問をする形式で進められました。
北海道中川郡幕別町出身の髙木さん。冬はマイナス20度になることもある、というお話に、子どもたちからは驚嘆の声が。スピードスケートを始めるきっかけ、小学生の時の様子など、子どもたちから寄せられた質問に、丁寧に答えながら、子供たちに伝えたいメッセージを語りました。

ゲームを通して運動の持つ多様な要素を学ぶ実技

2コマ目は実技。全員でウォーミングアップをした後、まずは様々な指令に対して、考えて動く、神経系トレーニングを行いました。「スポーツは脳を使う。筋肉と脳神経をつなぐことが大切です」との髙木さんの説明を受けてやってみると、一見単純そうで、しかし難しい動きに、子どもたちは楽しく混乱。髙木さんからは「間違えて良い。やったことがない動きをやるのが脳への良い刺激になります」「利き手ではない方の手を使ったり、やったことのない動きをしたり、遊びとして是非やってみてください」とのお話がありました。

続いてボール送りゲーム、ジグザグすり抜けレース、ピンポン玉リレーと、ゲーム性の高いエクササイズ。
「それぞれ、ただのゲームに見えますが、スポーツが得意・苦手関係なく楽しむことができ、創意工夫に頭を使う、体のバランスを使う、相手が落とさないように気を遣う、色々な要素があるゲームです」、と目的を説明した髙木さん。児童たちは創意工夫をしながら最後まであきらめずにチャレンジ。髙木さんは、「自分達で考えて創意工夫やチャレンジしたことが、勝ち負けより大事です」と話しました。

アスリートから三鷹第六小学校の児童へメッセージ

大きな目標に向けて、小さな目標をたくさん作ってクリアしてください

妹(髙木美帆選手)がバンクーバー五輪に出たのを見て、「私も出たい!」と四年間努力し、ソチ五輪に出ました。出られましたが全く戦えませんでした。「出るために頑張るだけでは戦えない、金メダルがとれない」ということを知り、次の四年間は五輪で金メダルをとるためにどうしたら良いかを考えながら練習しました。
大きな夢や目標を考えたら、そこに向けて「では今は何ができるか」と、小さな目標をたくさん作って、次から次へと乗り越えていく努力をして下さい。一気に大きな目標はクリアできません。そして、それは他人と比べることではありません。自分の中の目標を越えていく、越えてまた目標を作る、その繰り返しで大きな目標に近づいていきます。

頑張っている自分を自分で認めてあげてください

中学生くらいの頃、妹にスケートで勝てなくなりました。妹はスーパー小学生と言われ、私は『美帆ちゃんのお姉ちゃん』と呼ばれましたが、それが本当に嫌でとても辛く感じていました。しかし、先に五輪に出た妹が惨敗したのを見て、世界のレベルを知り、妹の先を越えなければ、と思うようになり、妹がコンプレックスにならなくなりました。
皆さんのことを見てくれている人は必ずいます。他人と比べる必要はありません。自分を低く評価せず、頑張っている自分を自分で認めてあげてほしい。
「頑張っている自分はすごい!」と、色々なことに挑戦してください。

恥ずかしがらず恐れず、チャレンジしてください

失敗は恥ずかしい、と何もしない人がいます。しかし、失敗を恐れてチャレンジしなかったら、成功も絶対にしません。恥ずかしがらず、恐れず、チャレンジしてほしいです。
私はいつもいつも失敗して、たくさん失敗して、しかし粘り強く「絶対に負けない」と思って努力をした結果、金メダルをとれたのだと思います。目標があったら恐れず挑んで、努力をし続けてください!

給食にも参加しました!

急きょ、給食にもお邪魔した髙木選手。周囲を囲んだ子供たちははじめ緊張気味でしたが、次第に打ち解け、金メダリストとの食事を楽しみました。

授業のまとめ

苦しかった・悔しかった経験をバネに、粘り強く創意工夫しながら努力を続けた結果、金メダルをつかんだ髙木さん。児童からのお礼の挨拶では、男子生徒から「僕も粘り強く努力したいです」との話が出ていました。
小さな体で挑み続けた髙木さんの強い信念とチャレンジ精神は、間違いなく子供たちの心にリーチしていました。

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