ソフトボール元日本代表・山根佐由里さん、ソフト熱の高い高等養護学校で体育授業!

ソフトボール元日本代表・山根佐由里さん、ソフト熱の高い高等養護学校で体育授業!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
9月27日、ソフトボール・世界選手権元日本代表の山根佐由里さんが、滋賀県の長浜北星養護高等学校にアスリーチ!
ソフトボールの体育授業を行ました。

奇しくも1週間前、滋賀県内の養護学校4校対抗のソフトボール大会で優勝したという長浜北星高等養護高校。ソフトボールに対する熱意が満ち溢れ、山根さんも「全く想像していなかった」という上手さで、最後まで活気ある授業が行われました!

訪問アスリートご紹介


山根佐由里さん、三重県度会町出身。
宇治山田商業高から社会人のレオパレス21、トヨタ自動車で投手として活躍。トヨタ自動車では、2011年から16年までの5年間でリーグ記録の42連勝を打ち立て、2014年には最優秀投手賞を受賞。2010,2014,2016年と世界選手権出場。
2017年限りで現役を引退し、現在はトヨタ社員として勤務をしながら、ソフトボールの普及活動、解説や指導、ソフトボール教室などで活躍しています。

地域のご紹介


北國街道の要衝として古くから栄えた長浜。豊臣秀吉が本拠地として町を整備し、出世の足掛かりを作った地としても有名です。駅周辺の広範囲にわたって、昔ながらの風情ある建物が立ち並び、観光客の姿も多くみられました。

実技と講話の授業

まだまだ暑い快晴の空の下、「お願いします!」という大きな声が天高く響いて授業がスタート!冒頭、ご自身のプロフィールや好きなことなどを、質問も交えて話す山根さん。明るくにこやかな表情もあって、高校生との距離が一気に縮まりました。

野球とソフトボールの違いについて。「ボールの大きさ」「距離」「投手の投げ方」など、主な違いを説明。そして実際に世界大会で使用する公式球を見せて、「とても固いのでデッドボールで骨折することもあります」と話すと、子どもたちからは「えぇ!?」と悲鳴にも似た声が上がりました。


そこからウォーミングアップ。「実業団や日本代表がやっているアップです」と話した後、1つ1つの動作に対して「何のためにやっているのか」を説明する山根さん。生徒たちは説明にうなづき、納得した様子でアップに励みました。
続いてダッシュ。ハンドサインを見て判断し、右か左にダッシュする練習では、時折混乱しながらも、反応よく全力ダッシュする様子が見られました。

そして休憩をはさんで、いよいよソフトボールの出番です。
まずは投げ方。「スポーツは基本が大事。基本をやります」とのお話から、肘が自然と上がってスムーズに全身を使って投げられるコツをレクチャー。全生徒が真剣に取り組みました。

その後ボールをとるコツを説明して、いよいよキャッチボールです。
さすが、先週の大会に向けて全員が特訓をした結果優勝したという皆さん、山根さんから「えー、上手じゃん!」という声が出てしまうほどの出来の良さ。山根さんは1人1人に声掛けをして、生徒たちのやる気も引き出します。
途中、ソフトボール部でピッチャーをしているという1年生の女子生徒には、ピッチャーのコツを個別でレクチャー。生徒にとって忘れられないコーチングの時間が展開されます。
キャッチボールで汗をかいたところで前半終了。

休憩をはさんだ後半は、山根さんの投球披露からスタートしました。
1球投げただけで「速い!!」と驚きの声。ストレート、チェンジアップ、ライズ、ドロップ、と様々な球種を説明しながら山根さんは投球を見せます。

そして「打席に立ちたい人?」との問いかけに生徒が殺到。
思いきり投げ込まれる山根さんのストレートに、「!!」、「ひゃっ!!」、まるでスリル系アトラクションを体験しているようなリアクションが展開されました。

山根さんの『本物の投球』を見てイメージができたところで、生徒全員でピッチャー練習に取り組みました。
構えて、ボールを引いて、両手と足で前に出て、手を回してリリース。一連の動きを丁寧に練習して、ピッチャー練習開始。

こちらも想像以上のレベルの高さ。山根さんも授業を楽しみながら教えていると、授業はあっという間に終了時間に近づきます。
最後に生徒へ、山根さんが大切にしている3つのことがメッセージとして伝えられ、授業は終了しました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

なりたい自分の姿をイメージしてください

小学校2年からソフトボールを始めて、中学2年生のときに日本代表の人と出会いました。その時、自分もこうなりたいな、とあこがれてから、どうなれば日本代表になれるのか?調べました。日本代表になるには社会人選手になる必要がある。では社会人に入るにはどうしたら?色々と考えて、ソフトボール基準で高校を選び、高校日本一を目指しました。
皆さんもなりたい自分を常にイメージして、そこにたどり着くにはどうしたらいいか、考えてみてください。

自分の強みを知ってください

自分はソフトボール日本代表になるという夢を持てましたが、今まだ夢のない人もいると思います。そういう人は、自分の強みはなんだろう?と考えてみてください。
私の友人も、漠然としていた好きなものについて真剣に考えるようになって、やがて美容師になったり美術の道に進んだりしていました。
大事なことは目標を持つこと。ですが、目標が見つからないこともあります。自分は何が得意なのだろうか?何をやりたいのだろうか?ぜひ見つけてください。

感謝の気持ちを持ってください

感謝の気持ちを持つこと、これはとても大切です。スポーツではプレーが上手いだけではダメで、生活態度や練習姿勢も大切です。
自分は「ごめんね」ではなく「ありがとう」という言葉を意識しています。ごめんね、と口に出すとネガティブな感情になってしまいます。
「ありがとう」をたくさん言える人になってください。

授業のまとめ

授業終了後。生徒の皆さんが普段取り組んでいるという、木工、縫工、窯業の作品がプレゼントされるサプライズ。

全体の記念写真を撮って終了、でしたが、ソフトボール部で投手をしているという男子生徒が「カーブの投げ方を教えてください」と山根さんにリクエスト、即席のピッチャー講座も行われました。

まぶしい日差しに照らされて、明るい笑顔が弾けた長浜北星高等養護学校の生徒たち。本物が教えるソフトボールの授業は、最高の運動体験として全員の記憶にリーチしました。

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