現役先生にして現役アスリート!パラパワーリフティング樋口健太郎さんの体育授業

現役先生にして現役アスリート!パラパワーリフティング樋口健太郎さんの体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
今回は、パラパワーリフティングの樋口健太郎さんが、東京都立三鷹中等教育学校へアスリーチ!
身体の使い方を覚え、障がいへの理解を深める授業を行いました。

訪問アスリートご紹介


樋口健太郎さん。
事故により右足の大腿部から下を切断する大けがを負いましたが、そこからパラパワーリフティングへ挑戦。72㎏級で全日本選手権優勝、世界選手権日本代表など活躍しています!

学校や地域のご紹介

今回訪れたのは、東京都立三鷹中等教育学校。JR三鷹駅よりバスで15分程度の所にあります。近くに大学もあり、学生が多い街のようです。とても広く設備の充実した中高一貫教育の学校です。

講話と実技の様子

実は昨日が体育祭で集まった生徒達もちょっとお疲れ気味?の様子の中、主任の先生より、「昨日は体育祭で最下位だったみんなへのご褒美になったね!では特別授業を始めます!」の声とともに樋口さんの授業が始まりました。今回はトレーニングルームでの開催となりました。

なんと、最初はご自身が飼っている猫の話から。実は樋口さん、普段は小学校の理科の先生もされているので、アイスブレイクを使い、全く違う話から生徒達の緊張をゆっくりほぐしていきます。そして、大好きなナマズ釣りの話や、ご自身が脚を無くしてしまった原因をQ&Aにし、1、交通事故、2、病気、3、ウサギに食べられた等々、生徒達の表情にも変化が見られます。因みにこの質問、手を挙げた人数はほぼ三等分していました!

緊張もほぐれてきたところで、義足に対するQ&A。「日本で必要としている人は何人か?」「義足の値段は?」
生徒達も真剣に耳を傾けます。

その後、義足を体験することに。あらかじめ選ばれた数名が違う義足を体験!

両脚用、走る用、片脚用と。樋口さんが先にお手本を見せながら、生徒達も順番に挑戦していきます。途中転んでしまう生徒も居ましたが、周りの生徒達も楽しそうに取り組んでいました。

二限目からは義足の練習の続きと、「体の使い方の勉強」として腕立て伏せを全員で行いました。樋口さんのデモンストレーションを見て、女子生徒はイスに手をつき、男子生徒はそのまま床に手をついて挑戦!
樋口さんの掛け声に合わせ、まず10回。「腕だけでやらないこと、肩甲骨も使うこと!」とのアドバイスを受けまた10回行いました。

そしていよいよパワーリフティングへ。
まずは男子生徒から。棒だけで20㎏あるものを上げて下してを2セット、クリア後10㎏ずつ上げていく手法。
数名挑戦し、男子生徒の最高は45㎏。みんなから歓声と拍手が湧きました!
そして女子生徒。さすがに20㎏で精一杯の生徒達。そんな中、参加した中の二人が30㎏をクリア!こちらも拍手が沸き起こりました!

最後に樋口さんのデモンストレーション!
まずは軽々60㎏をクリア。40㎏足して100㎏、これもクリア。更に40㎏足して140㎏、これもクリア。そして、「ちょっと本気出しちゃうよ〜!」。生徒達も大盛り上がり!

ご自身の記録に近い180㎏。生徒達も自然と静かに。全員が樋口さんに注目。当の本人も手首にサポーターを巻き、本番さながらの集中力で気持ちを高めいざ!
結果は、、、残念。失敗に終わりました。ご本人、とても悔しそうです。

ちょっと時間を置き、最後に、「もう一回だけやらせてください!」と。
生徒達が見守る中、再挑戦!
結果は、、、残念。またしても失敗に。

挑戦した樋口さんに温かい拍手が送られていました。

アスリートから三鷹中等教育学校の生徒へメッセージ

将来の夢を考えるときに、3つの幸せを考えて、大事にしてください。

自分の幸せのため

自分の幸せのために、自分で時間を作って、目標に向かって突き進むこと。
24時間、時間はみんなに平等です。それをどう使うかはみんな次第です!
時間は無いのではなく、作るものです!

仲間の幸せのため

特定の仲間だけでなく、いろいろな仲間と交流し、意見を交換し、人のためになるよう意識して物事に取り組んでください。

社会の幸せのため

自分の行いが人様、社会に取って役に立つこと、そして恩返しをすること。
それを意識して取り組んでください。

授業のまとめ

学校の先生もされている樋口さん。授業の進め方や、生徒達への接し方もスムーズでとても安心感のある授業でした。

二限目終了後、生徒達の誰よりも先に出口の方に向かい、一人ひとりに声を掛けながら挨拶をする樋口さん。その優しさと礼儀正しさ、そして挑み続ける不屈の闘志は、中学生の心にリーチしていました。

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