「ラグビー界世界初」選手とレフリー両方での五輪出場を目指す桑井亜乃さんのラグビーボール使って思い切り身体を動かす体育授業

「ラグビー界世界初」選手とレフリー両方での五輪出場を目指す桑井亜乃さんのラグビーボール使って思い切り身体を動かす体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
9月28日、7人制ラグビーでリオデジャネイロオリンピックに出場した桑井亜乃さんが、大阪府堺市の三原台小学校4年生86名にアスリーチ!
ラグビーボールを使いながら、楽しく身体の使い方を学ぶ体育授業を行ました。

とても元気な子供たち。ラグビーボールを使い瞬発力、俊敏性を養い、みんなで協力しながら楽しむ実技の授業となりました。
とても活発で積極的な子供たちが多く、桑井さんの「夢を持っている人はいますか?」の問いに多くの子供が「ハイハイハイ」と手を挙げていました。

訪問アスリートご紹介


桑井亜乃さん。北海道出身。
中京大学までは陸上競技円盤投げの選手。アテネオリンピック陸上競技ハンマー投げ金メダリスト、現スポーツ庁長官室伏広治さんを師と仰ぐ。立正大学大学院に進学してラグビーを始め日本代表に。2014年アジア大会銀メダル。2016年リオデジャネイロオリンピック出場。2021年現役引退後はレフリーに転身し、多くの国際大会でレフリーとして活躍中。現在、世界のラグビー界で初めてとなる選手、レフリー両方でのオリンピック出場を目指しています。

学校や地域のご紹介


大阪市の南からほど近い、大阪府では大阪市に次いで人口の多い政令指定都市である堺市。日本最大の大仙陵古墳など、市内には古墳が多いことでも知られています。
泉北高速鉄道線泉ヶ丘駅から徒歩15分程度、住宅街に位置する小学校。広い校庭には遊び場も充実していました。

元気いっぱい、たくさん動いた授業の様子

今日は4年生86名とたくさんの子供たちとの授業です。自己紹介を終えて早速身体を動かします。準備運動のあとは2つのチームに分かれてマーカーをひっくり返すゲームです。

ひとつのチームがマーカーを表から裏へ、もう一方のチームは裏から表へ。マーカーをひっくり返してもすぐにひっくり返されてしまうゲームに子供たちはおおはしゃぎ。勝ったチームには「拍手」、負けたチームには「ドンマイ」と声をかける桑井さん。ゲームを何度かやるうちに子供たちが自発的に拍手をしたり、「ドンマイ」と叫ぶようになりました。

続いてはラグビーボールを使った受け渡しの競争。一列に並んで、横から、頭の上、股の下からの受け渡し、熱戦が展開されます。勝負が決まった後は「拍手」とお決まりの「せーの、ドンマイ」。子供たちの声はどんどん大きくなっていきます。

次はペアで向かい合っての反応ゲーム。桑井さんが「頭」「腕」「おしり」など呼び上げた身体の部位を子供たちは自分で触ります。その途中、「ボール」と声がかかったら、ペアの真ん中にあるボールを取り合うゲームです。その後も次々とラグビーボールを使ったドリルが行われました。

パス練習の時間もありました。「パスは相手が獲りやすいように下からね」と桑井さん、子供たちからは「そうなんや」の声が。そして、「ラグビーはボールを落としてはいけない競技なのでボールは宝物です」「だからボールを生卵だと思って」。

ボールを受ける側は「胸の前で手を伸ばして、手をこういう形に」と手を三角形にし、「この形何に似てる?」桑井さんの投げかけに、子供たちは大きな声で「おにぎり」と答える。

実技の最後はボールを持って走るリレー競争です。みんな全速力で走り、賑やかなで白熱した戦いになりました。

実技を終え残り時間も少なくなってきました。子供たちが整列して座り、大きな声で「ありがとうございました」とお礼を言います。「今日は楽しかった?」と桑井さんの問いに子供たちは「楽しかった」と大きな声で返します。
「この中で将来の夢がある人?」の投げかけには多くの子供たちが手を挙げました。ケーキ屋さん、看護師やサッカー選手と答えるたびに「オ~」という歓声と拍手がおきます。
子供の時からいろんな夢を持ち、その時々で変わっていったりもしましたが、ラグビー選手になったからオリンピック選手になれた。オリンピック選手になれたから皆さんにも会えました。と締めくくりました。

その後は、「海外は何か国ぐらい行きましたか?」「海外の友達はいますか?」「なんでオリンピックに出たかったんですか?」「オリンピックに出場するためにどのくらい練習しましたか?」など子供たちの関心は尽きません。まだまだ質問したい子供たちがたくさんいましたが、下校の時間があるので残念ながら「あっという間」の授業は終了となりました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

夢に向かってひとつのことを徹底して頑張ることが大切

夢を持つことはとても大事です。でもそれは、叶うか叶わないかはわからない。それでもかまわないと思います。夢に向かってひとつのことを徹底して頑張ることが大切です。
私が皆さんに「夢はありますか?」と聞いたら、多くのみんなが手を挙げてくれました。「ここにいる皆さんには夢がたくさん詰まっています」。ひとつのことを目標に頑張ることを忘れないでください。

身近にいる人を大切にしてください

私はオリンピック出場という夢を叶えました。この夢は一人では達成できませんでした。
家族や先生や仲間が支えてくれたからこそ実現できました。自分が身近にいる人たちを大切にしたら、自分のことを大切にしてくれる人たちが増えていきます。そんな人たちが増えてくれば自分はもっと頑張れるようになります。自分の身近にいる人を大切にしてください。

授業のまとめ

常に子供たちに問いかけながら進んでいった授業でした。子供たちも関心を持ち、積極的に元気よく取り組んでくれました。子供たちが夢に向かって頑張って、夢が叶う子供が一人でも多く生まれるのが楽しみです。
授業が終わり下校の時間が迫ってきても、桑井さんの周りには子供たちが集まってきて「サインして~」とせがみます。桑井さんと子供たちが一瞬にしてそれぞれの「ファン」になってしまうような楽しい授業でした。

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