オリンピアン渡邉高博さん「身体の使い方を分解したドリルで誰でも足が速くなる授業」堺市で第二弾!

オリンピアン渡邉高博さん「身体の使い方を分解したドリルで誰でも足が速くなる授業」堺市で第二弾!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
9月27日、陸上競技400m・1600mリレーでバルセロナオリンピックに出場した、渡邉高博さんが、大阪府堺市の上神谷(にわだに)小学校6年生にアスリーチ!
走り方、速く走れるコツの体育授業を行ました。

体育館に整列した子供たちの前に渡邉さんが登場。1コマ目の前半は講義から始まりました。後半は運動場に移動し、速く走るための姿勢、身体の動かし方の実技。
2コマ目は児童が5つのグループに分かれての授業。広い運動場に散らばっているグループ間は全力疾走で移動する渡邉さん。大汗をかきながら、大忙しでした。

訪問アスリートご紹介


渡邉高博さん。愛媛県出身。愛媛県立新居浜東高校時代はインターハイ陸上競技400mで高校日本新記録を樹立。早稲田大学進学後も日本選手権400m優勝。北京アジア大会400mリレー金メダル。東京世界選手権400mリレーアジア新記録樹立。バルセロナオリンピックには400m・1600mリレーに出場するなど輝かしい実績を持つ。現在は、アスレチッククラブを運営する渡高株式会社代表取締役、新居浜市議会議員。

学校や地域のご紹介


大阪市の南からほど近い、大阪府では大阪市に次いで人口の多い政令指定都市である堺市。日本最大の大仙陵古墳など、市内には古墳が多いことでも知られています。
上神谷(にわだに)小学校は泉北高速鉄道線泉ヶ丘駅から約2.5km。賑やかで大きな泉ヶ丘駅からバスで走ること十数分、学校の周囲はのどかな環境です。そんな立地条件のなか、環境教育や米作り体験など地域の自然条件を生かした教育実践に力を入れている学校です。

今日もフル回転の授業の様子


「私は今のみなさんと同じ小学生のころに漠然とオリンピックに出場したいと思うようになりました」と語りかけ、そしてバルセロナオリンピック選手村の様子なども聞かせてくれました。同じオリンピックには出場していた松岡修三さんは「とても良い人でした」と話すと、「その人知ってる~」と子供たちから声があがるなど子供たちは興味津々。

そして、走る時は「背筋をしっかり伸ばした姿勢が大事。これは他のスポーツをやる時も、普段の生活の時も一緒です」と準備運動の後、早速みんなで背筋を伸ばしその場での両足ピョンピョン跳びが始まりました。

運動場での実技では、背筋を伸ばしてまっすぐの姿勢をとること。ピッチを上げる、ストライドを拡げるなど走りのコツを学びます。
正面を向いて両足でピョンピョン跳んで進んでいく。片足を前に出してのケンケン。足を前に出してリズムよく進んでいくドリル。後ろ足を前の足へと送っていくドリル。次々と走り方を分解したドリルが繰りだされます。最後はスタートのコツ。まっすぐの姿勢から「ヨーイ」で前傾して、片足は斜め後ろに、腕は力を入れ過ぎず。「ドン」で足からではなく頭から水泳の飛び込みのようなイメージでと。子供たちは「わぁ~わぁ~」言いながら、「あ~」と納得しながら取り組んでいました。
そして、渡邉さんがデモンストレーションで軽快に跳ねるように走った際には「速い~、軽い~、すご~い」などの大歓声があがっていました。

2コマ目は子供たちが100m、ハードル、リレー、幅跳び、ソフトボール投げのグループに分かれての授業。ハードルは子供たちが自分たちで並べます。「ハードルは飛びに行ってはダメ。走り抜ける感覚で」「走り抜けるときの姿勢も大切」とそれらを身に着けるドリルがおこなわれました。最初は上手くできなくてもみるみるうちに上達していきます。
バトンは受け渡しのコツは、子供たちと会話しながら「バトンを持ち替えたらスピードがロスする」などの合理的な説明に子供たちは「ほぉ~」と納得。

「100mは110m競走だと思って。ゴールを必ず駆け抜ける。」子供たちとの100m競争では大人げなくぶっちぎる渡邉さん。それぞれの種目ごとにご自身でお手本をみせながら、上達するポイントを丁寧に教えてくださいました。子供たちは真剣に取り組みどんどん上達していきました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

誰でも足は速くなる

誰でも足は速くなります。難しいことではありません。「速く走るにはまず身体をまっすぐに姿勢を整える。そして前に倒れていったら脚がついてくるし、そこに手の振りを付けたら良いのです」。そして、足が速くなれば反射神経が磨かれます。
多くのジャンルの人たちが「足が速くなること」に関心を持っています。例えばピアノ奏者の方。その方は、「ピアノは手で弾くのではなく、身体全身で弾くから」とおっしゃいました。正しい姿勢を保ち、上手に動いて速く走れるようになったら、日常生活や何か他のことをやる時にも必ず助けになります。

何かに興味を持って打ち込もう

小学生の時に出場した陸上競技会で自分が速く走れることに気づき、中学生になって陸上競技を始め、自分はオリンピックに出場したいという夢を持ちました。自分はオリンピックの舞台に立てましたけど、みんながみんなスポーツアスリートを目指してほしいと思っているわけではありません。文化活動や音楽活動、勉強でもなんでも良いので興味を持って打ち込んでください。
これまでいろんな人と接してきて感じたのは、一流の人たちは何事にも興味を持って、一生懸命打ち込む人です。

「ムリ。できない。わからない」と思わない、言わない

何故「ムリ。できない。わからない」と考えてしまうかは簡単で「やったことがないから」。
やっていくうちにみんなどんどん上手になっていきます。皆さんには可能性がある。自分に自分で蓋をせずに、何事も「面白そう」だと思って興味を持って取り組んでみてください。

授業のまとめ

走り方の基本から、各種目ごとのアドヴァイスまで盛り沢山の授業でした。
競技を本格的に始めて10年でバルセロナオリンピックに出場。その倍以上の時間、多くの人たちに「速く走れるコツ」を伝えてきた渡邉さん。ユーモアあふれた口調も交えながらの授業は、子供たちを飽きさせません。子供たちは終始「わぁ~、できた~」といろんな言葉を発しながら楽しく取り組んでくれました。
10月に控えた堺市連合運動会で自己ベストを更新できるよう頑張ってください。

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