元日本代表・山根佐由里さん、6年生20名の小規模校へ初のソフトボール体験をお届け!

元日本代表・山根佐由里さん、6年生20名の小規模校へ初のソフトボール体験をお届け!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月2日、ソフトボール・世界選手権元日本代表の山根佐由里さんが、富山県の氷見市立湖南小学校にアスリーチ!

6年生全員で20名、結束力抜群の学年がまとまりよく楽しく、ソフトボールの体育授業を行ました。

訪問アスリートご紹介


山根佐由里さん、三重県度会町出身。
宇治山田商業高から社会人のレオパレス21、トヨタ自動車で投手として活躍。トヨタ自動車では、2011年から16年までの5年間でリーグ記録の42連勝を打ち立て、2014年には最優秀投手賞を受賞。2010,2014,2016年と世界選手権出場。
2017年限りで現役を引退し、現在はトヨタ社員として勤務をしながら、ソフトボールの普及活動、解説や指導、ソフトボール教室などで活躍しています。

地域のご紹介


氷見ブリや氷見うどんなどの美味でも知られる氷見市。市内の山間に位置する湖南小学校は、仏生寺川の脇に位置し、周囲を畑や田んぼに囲まれています。地図を見る限り、近くに湖はないのですが、先生に聞いたところ、かつてこの辺りには布勢水海(ふせのみずうみ)という湖があったとのこと。越中滞在時に多くの歌を詠んだ大伴家持の歌でうたわれた湖の様子は、万葉集にも収められています。

実技と講話の授業

晴れ渡った空の下、越中のさわやかな風が吹き抜ける中、元気なご挨拶で授業がスタート!冒頭、ご自身のプロフィールや好きなことなどを、質問も交えて話す山根さん。
野球とソフトボールの違いについて。「ボールの大きさ」「距離」「投手の投げ方」など、主な違いを説明。お気に入りのグローブは大好きなディズニーキャラクターがモチーフであることなどを話し、子どもたちとの距離を一気に縮めます。

そこからウォーミングアップ。「実業団や日本代表がやっているアップです」と話した後、1つ1つの動作に対して「何のためにやっているのか」を説明する山根さん。

続いてダッシュ。ハンドサインを見て判断し、右か左にダッシュする練習では時折間違える児童、そしてそれに歓声や笑い声。心と身体をほぐしていきます。

そして休憩をはさんで、いよいよボールの出番です。
まずは投げ方。「チームスポーツは思いやりが大切です。相手のことを思いやって、相手が取りやすいボールを意識してキャッチボールをしましょう」とのお話から、肘が自然と上がってスムーズに全身を使って投げられるコツをレクチャー。

全児童が一生懸命に取り組みました。
キャッチボールで汗をかいたところで前半終了。

休憩をはさんだ後半は、山根さんの投球披露からスタートしました。
1球投げただけで「速い!!」と驚きの声。なお、ボールを受けた随行員、手が赤紫色になりました。

山根さんの『本物の投球』を見たところで、児童全員でピッチャー練習に取り組みました。
構えて、ボールを引いて、両手と足で前に出て、手を回してリリース。一連の動きを丁寧に練習して、ピッチャー練習開始です。

事前に「あまり野球やソフトボールはやったことがないです」との先生のお話がありましたが、みんな楽しみながら投手練習に熱中!笑顔がこぼれる体育授業となりました。

最後に生徒へ、山根さんが大切にしている3つのことがメッセージとして伝えられ、授業は終了しました。

アスリートから児童へメッセージ


なりたい自分の姿をイメージしてください

小学校2年からソフトボールを始めて、中学2年生のときに日本代表の人と出会いました。その時、自分もこうなりたいな、とあこがれてから、どうなれば日本代表になれるのか?調べました。日本代表になるには社会人選手になる必要がある。では社会人に入るにはどうしたら?色々と考えて、ソフトボール基準で高校を選び、高校日本一を目指しました。
皆さんもなりたい自分を常にイメージして、そこにたどり着くにはどうしたらいいか、考えてみてください。

自分の強みを知ってください

自分はソフトボール日本代表になるという夢を持てましたが、今まだ夢のない人もいると思います。そういう人は、自分の強みはなんだろう?と考えてみてください。
私の友人も、漠然としていた好きなものについて真剣に考えるようになって、やがて美容師になったり美術の道に進んだりしていました。
大事なことは目標を持つこと。ですが、目標が見つからないこともあります。自分は何が得意なのだろうか?何をやりたいのだろうか?ぜひ見つけてください。

感謝の気持ちを持ってください

感謝の気持ちを持つこと、これはとても大切です。スポーツではプレーが上手いだけではダメで、生活態度や練習姿勢も大切です。
自分は「ごめんね」ではなく「ありがとう」という言葉を意識しています。ごめんね、と口に出すとネガティブな感情になってしまいます。
「ありがとう」をたくさん言える人になってください。

授業のまとめ

1学年20名の湖南小学校6年生。まるで大家族の兄弟のように、仲良くソフトボールに挑戦しました。
「初めてのソフト、やってみたら意外とできたよね?これからも色々なことにチャレンジしてみるのが大切です」、山根さんの言葉に全員がうなづいていました。
授業が終わったあと、学校を出る山根さんを玄関までお見送りに来てくれ、姿が見えなくなるまで手を振ってくれた湖南小学校の皆さん。
児童はもちろん、山根さんの記憶にも深くリーチする授業となりました。

【児童たちの感想です】


‣アスリートの授業をまた受けたい:まだやったことのない競技もあるので、チャレンジしたい。


‣楽しかった:初めてのソフトボールが新鮮で楽しかったし、1つ1つのことにほめて下さったり丁寧に教えて下さるから。

‣ハンドボールを習っているけど、今日ソフトボールをやってみて、もっと色んなスポーツを体験してみたいと思った。

‣もっとたくさんのスポーツで大切なことや上手になるコツを学びたい。

‣楽しかった:山根さんの教え方が分かりやすくて、たくさんほめて下さったから。「ソフトボールをしたら?」と聞いてくださって嬉しかったから。

‣初めてのことで乗り気ではなかったけれど、ソフトボールをみんなでするのが楽しかった。

‣色んなスポーツをしたい。色んなことに挑戦したい。

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