恐れずやってみよう!児童の積極性を引き出した体操オリンピアンの体育授業

恐れずやってみよう!児童の積極性を引き出した体操オリンピアンの体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月6日、体操競技で五輪2大会出場・大島杏子さんが、富山県の富山市立堀川小学校にアスリーチ!
体操マット運動の体育授業を行ました。

訪問アスリートご紹介


大島杏子さん。東京都出身。体操競技でアテネ五輪・北京五輪に出場。
日本女子最多記録となる通算8度の世界選手権に出場。長きにわたり日本女子体操界を牽引してきました。

学校や地域のご紹介


富山駅から路面電車に揺られて南へ15分ほど。堀川小学校は今年150周年を迎える伝統ある学校です。校舎は立て替えて二年目とのこと。コンクリートの躯体と、木をふんだんに使った内装、とてもきれいな校舎でした!

実技と講話の授業

元気な堀川小6年生が揃う中、大島さん登場。自己紹介をして、スライドを見せながら「体操とは?」「体操競技とは?」「運動することの大切さ」を説明。その中で「平均台の幅はなんセンチ?」との質問、子どもたちからは様々な答え。「10センチ、スマホくらいの幅です」という正解に「えぇー!」と大きな声が響きました。

運動することの大切さのお話では、小学生は神経の発達、中高生で骨と筋肉の発達があると説明。小学生は「神経の発達」の時期なので、遊びも含めて色々な運動をしてほしい、と子供たちに伝えます。「休み時間、外遊びをしていますか?」という質問に手が上がる子供は少し少なめ。「ドッヂボール、鬼ごっこ、なんでも良いので体を動かしてほしい!苦手でも遅くても良いです。運動する時間を増やすことが体の発育にとって大切です」と、大島さんは力説しました。

ここで前半は終了。後半は、いよいよマットの実技です。

まずはストレッチ。大島さんの柔らかさに「ええ??」「おお!!」の大きな声。日本中どこでも固い児童がいるものですね。ここでも、体育館全体で悲鳴の大合唱。でもみんな、とても楽しそうです。

前転、後転、伸膝後転、開脚前転と、上手く実施するコツを話しながら大島さんの授業が進みます。大島さんのきれいな伸膝後転にはどよめきが起こります。

「頭頂から回らないようおへそを見る」、「きれいにみせたければ両足を揃える」「カタカナの『ヒ』の字をキープ」、コツを伝えられながら練習に励む児童たち。「できたー!」の声も飛び交います。

最後に「全員の前で技を見せてくれる人?」の問いかけ。あれあれ、誰も手が上がりません。このまま授業が終わってしまうかと思いきや…勇気ある男子児童が手を上げて後転を披露。すると、僕も、私も、次々と手が上がります。大島さんの呼びかけが児童の積極性を引き出して、授業が終わりました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

できない・無理、は言わない!

無理だからやらない、ではなくてやってみることが大切。やってみれば、意外とできたりする。今日の授業は、それを一番感じてほしいと思っていました。できないと思って諦める人は永遠にできるようになりません。やらない人より、やって失敗をする人の方が、はるかに素晴らしいと思います。

たくさん、勉強をしてください

勉強とは、学校の授業内容だけではありません。何に関することでも、色々なことを知っていると社会に出たときに役立ちます。
また将来のことを考えたとき、知識だけでなく資格が必要な仕事もあります。資格のためには知識が必要です。
仮にサッカー選手になりたいなら、何が必要なのか?何をしたら良いのか?それは、野球選手でも弁護士でも当てはまります。

感謝の気持ちを持てるようになってください

アスリートは色々な人に支えられていると、引退後になって知りました。現役の頃に知っていたらもっと違う考えや行動ができた、残念だったと思っています。

授業のまとめ


最後に、児童からのリクエストでロンダートやバク宙などを披露した大島さん。大歓声で盛り上がりました。

やる前から「できない」「無理」とは言わない、という授業の約束のもと、児童が前向きにチャレンジした授業。常に挑み続けたからこそ、長く日本代表の座を守り続けた大島さんの積極性が、子どもたちに強くリーチしていました。

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