パラ自転車・藤井美穂さんが、笑顔とチャレンジ精神を届ける体育授業!
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月13日、パラ自転車競技・東京パラリンピック代表の藤井美穂さんが、大阪府大阪市の海老江東小学校にアスリーチ!
パラ競技体験の体育授業を行ました。
目次
訪問アスリートご紹介
藤井美穂さん。茨城県出身。
生まれつき足に障害があり、生後間もなく手術で右足を切断。
パラ陸上に取り組んだのち、自転車へ転向。東京2020パラリンピックに出場。2024年のパリパラリンピックを目指していましたが、首のケガにより2023年5月に現役を引退しました。
学校や地域のご紹介
JRや阪神の野田駅から近く、淀川もすぐそばを流れる大阪市立海老江東小学校。ビルや阪神高速に囲まれ、都会の賑やかな環境にあります。新校舎を建設中とのことで、授業中も工事の音やトラックの通る音が聞こえました。
実技と講話の授業
子どもたちの元気なあいさつで授業開始!
まずは、自己紹介です。
超未熟児で生まれ足に障害があり、健康のために生後すぐ足を切断したお話。片足であることを意識せずに、三輪車や自転車に片足で乗っていたお話。どうしてもみんなと遊びたくて、片足に松葉づえで学校の授業に入り、ドッヂボールやサッカーをみんなとやっていたお話。児童たちは真剣な表情で聞き入っていました。
普段から片足で飛び跳ねていたおかげで脚力がつき「小学生の時に立幅跳で2mを跳んでいた」というエピソードには、「両足で跳んでも2mいかないよ…」と、ザワザワする子どもたち。
その後、陸上と出会って走高跳を始めて、健常者に混じって4位に入賞し、パラリンピック出場が夢になったこと。片足の走高跳はパラリンピックで開催されないため、自転車競技に転向したこと等、ご自身の競技との取り組みを説明。
「自転車競技とは?」「パラ自転車とは?」「ヘルメットの大切さ」、子どもにもわかりやすいように説明し、講話が終了しました。
ここから実技です。
まずは、児童の希望者が義足を体験します。両足に装置して歩くことにチャレンジ。何人かトライし、一人だけつかまらずにしっかり歩けた男の子に大拍手が起こりました!
そして全員でウォーミングアップ。藤井さんが片足での屈伸をみせると、児童たちも果敢にチャレンジ。が、誰も成功しません。藤井さんの足の強さとバランス感覚に、子どもたちは驚いていました。
続いてプランク。藤井さん、日本代表のトレーニングで数多く行ったそう。子供たちの苦しそうな声と悲鳴が体育館に響きます。
片足バランス、しっかり立てる児童が多く、3分間、最後まで倒れなかった児童たちに大きな拍手。
最後に、藤井さんが考えてきた「お盆の水をこぼさない片足チャレンジ」。バランスと筋力が要求されるゲーム。リレー対決で、大盛り上がりの子供たちでした。
実技終了後には藤井さんが走るデモンストレーション。大拍手が巻き起こりました。
終了後、代表の女子児童は「初めて義足の人を見ました。色々と大変なことを知ったけど、私たちにできないこともできて、とてもかっこいいと思いました!」と藤井さんに想いを伝えました。
アスリートから児童生徒へメッセージ
なんでもチャレンジしてみよう!
新しい世界には、なにが待っているか、なにが起きるか分かりません。もしサッカーをしていても、野球に興味をもったらトライしてみましょう。
自分は挑戦をしたことでアスリートになって、海外にたくさん行くことができたし、海外にお友達もたくさんできました。まさかそんなことができるようになるとは、夢にも思いませんでした。
授業のまとめ
足が不自由でも心は自由。片足であることを何のハンデにも感じずにあらゆることに挑戦し続けた藤井さん。チャレンジすることの大切さは、児童たちの記憶に強くリーチしました。