太平洋から日本海、静岡から新潟へ5時間かけて訪れた権田修一さん!熱い想いのこもった体育授業

太平洋から日本海、静岡から新潟へ5時間かけて訪れた権田修一さん!熱い想いのこもった体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月16日、現役JリーガーでカタールW杯日本代表の権田修一さんが、新潟県上越市の八千浦中学校にアスリーチ!
サッカーと、運動神経向上につながる体育授業を行ました。


ホワイトボードに手書きのメッセージで歓迎してくれた八千浦中学校の生徒たち。講話に授業、PK対決まで全力で取り組み、楽しんでくれ、最後は権田さんの姿が見えなくなるまで、大歓声でお見送り。とても中身の濃い時間となりました!

訪問アスリートご紹介


権田修一さん。東京都世田谷区出身、現在は清水エスパルス所属の現役Jリーガー。2022年カタールW杯ではビッグセーブを連発し、優勝経験のある超強豪、ドイツ・スペインを相次いで撃破する大きな原動力となりました。

学校や地域のご紹介

新幹線の上越妙高駅から妙高はねうまラインに乗り換えて直江津駅で下車。八千浦中学校は、そこから海沿いに車で10分ほどのところに位置しています。戦国大名として屈指の知名度を誇る越後の虎・上杉謙信のお膝元上越市、街中では上杉謙信のキャラをモチーフにした看板なども数多く目にしました。

清水エスパルス所属の権田さん、「今朝、太平洋を見て静岡を出て新潟へ着いたら日本海。縦断しましたね」と、感慨深い表情です。

実技と講話の授業

八千浦中学校は全校で約90名ほど、1年生も2年生も1クラスずつと聞いた権田さん。「わざわざ来たので、授業を教える3年生だけでなくてみんなと会いたいです」と1・2年生の教室を巡回。給食中にいきなりW杯日本代表ゴールキーパーが現れ、1年生も2年生も大混乱!

なんでも質問して下さい、という権田さんに、「人生で一番緊張したこと」「好きな食べ物」「一日のルーティン」など、生徒からは質問が寄せられます。
朝六時に起きて、散歩をしてから英語の勉強をして、夜は九時前には寝ているという権田さん。中学生のみんなへ、「しっかり食べて寝ないと、いくらトレーニングしても体ができない」、「人生の幅を広げるために英語ほか外国語の勉強は頑張ってください」とエールを送りました。
中には「腕相撲対決してください!」という生徒も。快く受けた権田さん。さすがは日本の守護神、権田さんの腕はびくともしませんでした。

いよいよ5時間目、3年生の授業開始です。
すると迎えに来た生徒が、エスコートボーイのように手をつないで権田さんを誘導。体育館には日本代表戦のアンセムが流れる中、生徒が作った花道を権田さんは入場しました。

MCの生徒がスムーズに進行し、代表生徒のご挨拶の後、権田さんの講話が始まります。
「サッカーはチームみんなでやるもの。この後の実技はチームで作戦を立ててやってもらう」と冒頭に伝えた権田さん。その上で、「チームで戦う上で大事なことはなにか?」と生徒に問いかけます。
生徒からは「全力で頑張ること」「協力すること」「声を出すこと」という回答が。
「それはすべて正解」と権田さん。「3ついずれも簡単なこと。だけれども、実践して徹底することは難しい。日本代表はこれができたからワールドカップでドイツにもスペインにも勝てた」、権田さんにしか話せない内容に、生徒は引き込まれていきます。

「大人になる途中で、恥ずかしかったり面倒くさかったりして、こんな簡単なこともできなくなってしまいます。でもスポーツで勝つにはやらなければ勝てません」
「特に大切にしてもらいたいのがコミュニケーション。相手がなにを考えているのかな?知るために必要で大切なことです」「自分はコミュニケーションが好き、だから日本代表に選ばれたと思っているし、試合にも出られたと思っている」
生徒の名前を呼びながら、問いかけをして双方向型の授業を進める権田さん。3年生40名は集中して講話から学びました。

そこから質疑応答。
様々な質問が出る中、「スペイン戦の時の心境?」を聞かれた権田選手。
「僕は日本みんなの代表。みんなというのは八千浦のみんなの代表でもある。ここで点を取られたら日本の人がみんな悔しい。ここで勝ったら日本の人がみんな嬉しい。そう思ってプレーしていました」という回答には、大きな拍手が。

また、「苦しい時に支えになったもの?」という質問も。「一度、心が疲れてしまって、サッカーができない時期があった。そのときは家族が支えてくれた」と、トップアスリートも決して強いだけではないことも、中学生へ伝えました。

授業の後半は実技です。
まずは体育館で準備運動をしてから、8か所に分かれてパス練習。権田さんも直接生徒へコーチングを行います。

生徒たちが一生懸命、パスをつないでいるところへボールを追加。こちらは手で投げる、ということで足と手でのパス回し。あちらこちらでボールが飛び交い、なかなかうまくつなぐことができません。

ここで権田さんから「名前を呼びながらやってごらん」とのヒントが。蹴る相手、投げる相手の名前を呼んでからボールを送るようにすると、とたんにパスがつながりだします。権田さんが冒頭に「大切なこと」として話したコミュニケーションを実技で実践しました。

しっかりと温まったところで、グラウンドに出ていよいよサッカーの試合です。実は前日は雨、当日も雨予報でしたが、権田さんのパワーなのか上空には晴間も。越後のさわやかな秋風が吹き抜ける中、生徒たちは一心不乱にポールを追います。
男女混合、ゴールは男子1点・女子が決めたら3点というルールの下、各チームは作戦を練って勝利を目指していました。

ふと見るとグラウンドに気になるものが。

木材で作られた手作りのサッカーゴール。なんと今日権田さんが来るからと、用務員の方がわざわざ手作りで製作下さったサッカーゴールでした!サイズもしっかりプロの公式仕様。

ということで、生徒と権田さんのPK対決です!
今回は中学生、そしてゴールサイズもフル規格、蹴る場所もかなり前にしてあげるサービス付き、でしたが5本中3本を止めた権田さん。シュートが決まっても止められても、生徒たちは大歓声!大盛り上がりで2時間の授業はあっという間に終了しました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

目標は高く!一番を目指して全力でやってほしい

何事も、やるからには目標を高いところに置いてほしい。一番を目指して全力でやってください。達成できるかできないか、ではありません。夢をもってそこを目指す、最高峰を目指して努力することに、大きな意味があります。「やりたい」と思ったことに本気で向き合ってください。
自分は、次のワールドカップに出たいと思って、真剣に取り組んでいます。その姿を皆に見せるので、みんなも全力で取り組んでください。

授業のまとめ


2時間の授業、すべてにおいて今後の生活のヒントになる内容を伝え続けた権田さん。生徒も常に全力で取り組むことで気持ちに応えました。終了後、体育館に花道を作ってくれた生徒。さらには帰る際、1・2年生も廊下に花道。学校を出てからも、姿が見えなくなるまで大きな声を出して手を振ってくれた生徒たち。

静岡から往復10時間以上かけて日帰りで訪れた権田修一さんが伝えたかったメッセージは、余すところなく八千浦中学校すべての生徒にリーチしていました。

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