「仲間への想い」「チームワーク」「スポーツをすることの大切さ」が詰まった、日本一19度の元Vリーガー大山未希さんのバレーボール授業

「仲間への想い」「チームワーク」「スポーツをすることの大切さ」が詰まった、日本一19度の元Vリーガー大山未希さんのバレーボール授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月13日、元Vリーガー・プロビーチバレー選手の大山未希さんが、滋賀県甲賀市の甲南第三小学校にアスリーチ!
バレーボールの体育授業を行ました。

先生の「今日はスペシャルゲストが来てくれました」の前振りに子供たちは「イェーイ」の歓声。大きな拍手で出迎えてくれました。「こんにちは。よろしくお願いします」と元気なご挨拶から授業は始まりました。今日の児童のみなさんは4、5、6年生22名です。

訪問アスリートご紹介


大山未希さん。東京都出身。小学生からバレーボールを始め全国大会2連覇。成徳学園中学校、下北沢成徳高校でも全国制覇。Vリーグ東レアローズではVリーグ3連覇など、これまで19回日本一に輝く。また、ユース日本代表としてアジアユース選手権、世界ユース選手権などで活躍。現在はマンツーマンレッスンや教室など、バレーボールの普及活動をおこなっています。

学校や地域のご紹介


甲南第三小学校はJR草津線甲賀駅から10分弱。小さな山の上にある、全校生徒41名の小学校です。「鳥の学校」を標榜し、「愛鳥活動」などの体験活動を通して豊かな心を育む教育をされているそうで、各学年の目標は鳥になぞらえて設定されています。

授業の様子

バレーボールを始めたきっかけは、小学校1年生の時、ひとつ年上の姉に誘われて初めてバレーボールに触れ、サーブを打ったらネットを越えて相手コートに入ってしまったところからです。周囲が驚き、みんなに褒められ「私、天才かも」と思ってバレーボールを始めました。何がきっかけになるかわかりません。今日の授業もきっかけのひとつにしてください。と大山さんのメッセージからスタートしました。


そして、楽しい授業の始まりは恒例?となった大山さんの強烈なスパイクを先生にレシーブしてもらうデモンストレーション。子供たちも次々にレシーブを受け、テンションは一気に上がります。


そして、実技はまず「ボールと仲良くなる」ドリルからです。「10回手を叩いてキャッチ」などいろいろな動作をいれながらボールをキャッチします。

圧巻はボールをふたつ持ち、そのうちのひとつを弾ませて、もうひとつのボールの上に乗せるドリル。大山さんは磁石でも付いているかのようにピタリとボールを乗せてみせます。これには子供たちは「え~、すごい」と感嘆の声が。子供たちはなかなか上手にできませんがみんな嬌声をあげながら楽しそうに頑張っていました。

そして、授業はオーバーパス、アンダーパスの練習に移っていきます。まず「パスの種類の名前を憶えてねと」と大山さん。子供たちは口々に復唱します。

「ボールと仲良く」なり、パスの練習もしたところで、グループに分かれ丸くなってボールをパスでつなぎます。パスが何回もつながるようになってきたところで、試合形式の練習に入っていきます。ネットを挟んでとなると難易度は上がりますが、みなさん積極的に動いていました。

実技が終わり、大山さんは子供たちを前に感動を口にしました。
「授業の前にチャレンジしましょうと言いましたけど、誰一人私はいいや、僕はいいよという子がいなくて、みんな積極的にボールを獲りに行っていたし、何より良かったのは自分勝手にプレーする子がいなかったのはとても素晴らしいことです。バレーボールは思いやりのスポーツです。みんなお互いに声を掛け合いながらのチームワークに感動しました」。

そして、ご自身が経験したことをもとに「仲間を大切に」「ピンチになった時、困った時に助けてもらえる人になって欲しい」、「ひとつのことをみんなで成し遂げようとすると絆が深まる。その絆を大切にこれから歩んで欲しい」と加えました。

子供からの「今一番大切なものは何ですか?」の質問には「日本一をとったことよりも、一緒に日本一になった仲間たちが一番の宝物です」と話していました。

最後に子供たちの代表からお礼の言葉がありました。「バレーボールが助け合い、思いやりのスポーツだとわかりました」と述べ授業は終わりました。

アンケートに回答するために筆記用具を持参してもらいますが、「未希さんが来てくれるから、ミッキーの鉛筆を持ってきました」という男の子がいて、それをこっそり教えてくれました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

かけがえのない仲間の存在

小学生のころ学校で辛いことや嫌な思いをした経験があります。そんなとき心の拠り所になったのは、学校で寄り添ってくれた仲間やバレーボールチームの仲間でした。だから寂しくはなかったです。そんな仲間がいたからこそ、バレーボールがあったからこそ学校に休むことなく行けました。自分の居場所がたくさんあると良いですね。

きっかけは些細なこと。チャレンジしよう

私は姉について行かなければバレーボール選手になっていなかったかもしれません。何がきっかけになるかはわかりません。「私には無理、僕には無理」と思わないでチェレンジしましょう。まずやってみましょう。今日の授業でも「無理」という人は一人もいなかったし、みなさん楽しそうに取り組んでくれました。今日の日のことを少しでも忘れずにいてくれたら嬉しいです。

スポーツすることで心身ともに健康でいよう

スポーツや運動すると心も身体も元気になります。バレーボールでなくてもいいんです。
みなさんも嫌なことや、ストレスを感じることがあるかもしれません。そんな時には、スポーツや身体を動かし、汗をかいて嫌なことを吹き飛ばしてください。自分で動いてかく汗は心も身体もすっきりさせてくれます。

大切なのは必死に頑張ったプロセス

ビーチバレーをやっていた時に肩を怪我して引退も考えましたが、手術、リハビリをして復帰しました。そして勝ち獲った3位は、日本一よりも嬉しかったです。一番になることを目指して頑張ることはもちろんですが、それが手に入れられなくてもそこまでのプロセスには大きな価値があります。

授業のまとめ

子供たちは、事前に質問を考えるなど、しっかりと準備して授業に臨んでくれました。そして、ルールを守りチームワーク良く、みんなが積極的に取り組んでくれていた素晴らしい授業でした。
「私の見本へのリアクションがとてもよく、たくさん子供たちが褒めてくれました(笑)」大山さん談。

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