これまで19回日本一に輝いた大山未希さんの「ボールと仲良くなる」バレーボールの授業

これまで19回日本一に輝いた大山未希さんの「ボールと仲良くなる」バレーボールの授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月10日、元Vリーガー・プロビーチバレー選手の大山未希さんが、滋賀県甲賀市の大原小学校にアスリーチ!
バレーボールの体育授業を行ました。

この日の子供たちは6年生です。大きな拍手で大山さんを迎え入れました。そして、先生の呼びかけに子供たちは「大山未希さん」と少しハニカミながら大山さんの名前を呼びます。
今日は、「みんながボールと仲良くできるような遊び」をしてから最後は試合をしましょう。と大山さん。子供たちのテンションはあがります。そして、その前に「みんな私が打っているの見たくない?」の投げかけに、「見たい、見たい」と大騒ぎ。まずは先生に向かって強烈なスパイクを。その後、レシーブを買って出た大勢の子供たちの挑戦にも応えました。こうして、スタートから一気に盛り上がり、終始楽しく賑やかな授業となりました。

訪問アスリートご紹介


大山未希さん。東京都出身。小学生からバレーボールを始め全国大会2連覇。成徳学園中学校、下北沢成徳高校でも全国制覇。Vリーグ東レアローズではVリーグ3連覇など、これまで19回日本一に輝く。また、ユース日本代表としてアジアユース選手権、世界ユース選手権などで活躍。現在はマンツーマンレッスンや教室など、バレーボールの普及活動をおこなっています。

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「甲賀」と聞けば「忍者」を思い浮かべてしまいます。甲賀市は「こうがし」ではなく「こうかし」、濁りません。そんな甲賀駅から車で10分足らずの場所に甲賀市立大原小学校は位置します。運動場には樹齢200年を超える大きなケヤキの木がそびえ、その隣には春、秋に相撲大会がおこなわれる土俵が佇んでいます。

授業の様子


授業は自己紹介のあと、早速実技に入ります。まずは「ボールを上に投げてキャッチする」動作を全員でおこないます。「この簡単な動作ができないとバレーボールはできません」と大山さん。ボールを上に投げて落ちてくる間に「10回手を叩いてキャッチ」「頭、肩、膝に触れてキャッチ」「背中の後ろでキャッチ」や、胸の前でふたつのボールを上に投げ「手を交差させてキャッチ」など「ボールと仲良くなる」やボールに対する反応を高めるドリルがおこなわれました。これが意外と難しいですが、子供たちは楽しそうに一生懸命おこなっていました。

その後はパスの練習です。オーバーパスは、手を額の前で「ボールの形」作る。そして、ボールが来たら手のひらを外側に向けて腕を伸ばしてボールをパス。アンダーパスは片方の手のひらをグーに、もう片方の手のひらをそこに包み被せていきます。親指を揃えて、2本の腕を伸ばして板のように。

手首と肘の間でボールを受けるなど、上手にパスができるポイントをたくさん教えて貰いました。子供たちはみるみるうちに上達していきます。

そして後半戦の授業はいよいよ試合形式に入ります。ワンバウンドOK。3回で相手コートに返します。ボールが思うように動いてくれない場面もありましたが、ラリーが続く楽しい試合となりました。

その後の講義では、バレーボールとの出会いの話からです。小学校1年生の時、ひとつ年上の姉に誘われて初めてバレーボールに触れ、サーブを打ったらネットを越えて相手コートに入りました。周囲が驚き、みんなに褒められ「私天才かも」と思ってバレーボール始めました。とユーモアを交えてながら、「仲間への想い」や「スポーツをすることの大切さ」を語ってくれました。子供たちはときおり声を出しながら、関心を寄せて聞き入っていました。

最後は質問の時間です。「何歳ですか?」「苦手なスポーツは?」「好きなゲームは?」「好きな、嫌いな食べ物は?」などみなさんの関心は尽きませんでした。

アスリートから児童生徒へメッセージ

かけがえのない仲間の存在

小学生のころ学校で辛いことや嫌な思いをした経験があります。そんなとき心の拠り所になったのは、学校で寄り添ってくれた仲間やバレーボールチームの仲間でした。だから寂しくはなかったです。そんな仲間がいたからこそ、バレーボールがあったからこそ学校に休むことなく行けました。自分の居場所がたくさんあると良いですね。

きっかけは些細なこと。チャレンジしよう

私は姉について行かなければバレーボール選手になっていなかったかもしれません。何がきっかけになるかはわかりません。「私には無理、僕には無理」と思わないでチェレンジしましょう。まずやってみましょう。今日の授業でも「無理」という人は一人もいなかったし、みなさん楽しそうに取り組んでくれました。今日の日のことを少しでも忘れずにいてくれたら嬉しいです。

スポーツをして心身ともに健康でいよう

スポーツや運動すると心も身体も元気になります。バレーボールでなくてもいいんです。
みなさんも嫌なことや、ストレスを感じることがあるかもしれません。そんな時には、スポーツや身体を動かし、汗をかいて嫌なことを吹き飛ばしてください。自分で動いてかく汗は心も身体もすっきりさせてくれます。

授業のまとめ

バレーボールへの導入から楽しくバレーボールが上達するまでのエッセンスがふんだんに盛り込まれた実技と、ご自身の体験をもとに語ってくれた講義。途切れることのない歓声、嬌声、真剣な眼差し、そして笑顔。とても素敵な授業でした。
授業には地元のケーブルテレビ局「あいコムこうか」さんが取材に来てくださいました。

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