19回日本一19回!大山未希さんの「コミュニケーション豊かな」バレーボールの授業

19回日本一19回!大山未希さんの「コミュニケーション豊かな」バレーボールの授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月11日、元Vリーガー・プロビーチバレー選手の大山未希さんが、滋賀県甲賀市の小原小学校にアスリーチ!
バレーボールの体育授業を行ました。

授業開始を知らせるチャイムが鳴るなか、体育館できちんと座って大山さんの登場を待つ5,6年生22名のみなさん。「よろしくお願いします」と大きな声で出迎えます。
自己紹介ではバレーボールを始めたきっかけのお話しがあり、「何事にもチャレンジしましょう」という呼びかけには、みなさん「ハイ」と元気よく返していました。早速実技に移りあっと言う間の2コマの授業でした。

訪問アスリートご紹介


大山未希さん。東京都出身。
小学生からバレーボールを始め全国大会2連覇。成徳学園中学校、下北沢成徳高校でも全国制覇。Vリーグ東レアローズではVリーグ3連覇など、これまで19回日本一に輝く。また、ユース日本代表としてアジアユース選手権、世界ユース選手権などで活躍。現在はマンツーマンレッスンや教室など、バレーボールの普及活動をおこなっています。

学校や地域のご紹介


小原小学校はJR草津線貴生川駅から信楽高原鉄道に乗り換え、「信楽焼き」で有名な信楽駅で下車します。とても可愛らしい趣のある電車でした。学校までの道中にはたくさんの陶器屋さんが軒を連ねています。

授業の様子

授業は恒例?となった大山さんの強烈なスパイクを先生にレシーブしてもらうデモンストレーションから始まりました。とても体格の良い男性の先生が登場しレシーブします。「先生イケルよ」「先生頑張れ」の声援が飛びます。先生が見事にレシーブを決め、子供たちは大喜びで、「お~」という歓声と拍手が沸き起こりました。そして、子供たちも列をなしてひとりひとり大山さんのスパイクのレシーブを体験させてもらいました。

そして、早速実技へと入っていきます。まずは「ボールを上に投げてキャッチする」動作を全員でおこないます。「この簡単な動作ができないとバレーボールはできません」と大山さん。

ボールを上に投げて落ちてくる間に「10回手を叩いてキャッチ」などいろいろな動作をいれながらボールをキャッチする「ボールと仲良くなる」ドリル。二人一組でひとりが腕を伸ばし胸の前でボールを構え、もうひとりが同じように腕を伸ばしボールの上でセットし、落とされたボールをキャッチするドリル。

二人の前にボールを置き、大山さんの声に合わせて頭、膝などの身体の部位に触れながら、「ボール」という声がかかった瞬間ボールを取り合うなど反応速度を磨くドリルがおこなわれました。どんどんドリルのレベルが難しくなっていきますが、子供たちは楽しそうにチャレンジしていました。

そしてオーバーパスの練習に移ります。オーバーパスは「手の平が反らないようにしましょう」と大山さん。子供たちは「やさしく」「おにぎり」と反応します。「手を額の前でボールの形を作る。そして、ボールが来たら手のひらを外側に向けて腕を伸ばしてボールをパスしましょう」とアドヴァイスがありました。

アンダーパスは片方の手のひらをグーに、もう片方の手のひらをそこに包み被せていきます。親指を揃えて、2本の腕を伸ばして板のように。手首と肘の間でボールを受けるなど、上手にパスができるポイントをたくさん教えて貰いました。子供たちはみるみるうちに上達していきます。

続いて試合形式に入る前に、グループに分かれてパスでボールをつなぐゲームです。ワンバウンドまでOKでみんな10回を目標に頑張りました。

そして授業はいよいよ試合形式に入ります。みんな「ボールと仲良くなり」つつも想定外のところに行ってしまうボールを一生懸命追っかけていました。

「今日は楽しかったですか?」の大山さんの問いに、子供たちは大きな声で「楽しかった」。みんなが楽しんでくれたなら良かった。みんなチャレンジしていたのが良かった。試合でこんなにラリーが続くのは珍しいです、みんな上手だったよ。そして何より良かったのは「チームワーク」。失敗しちゃった子に「ドンマイ」と声をかけたり、上手だった子を褒めてあげたり、自然とそういう言葉が出ていたのがすごく良かった、と大山さんからコメントがありました。そして、「仲間への想い」や「スポーツをすることの大切さ」を語ってくれました。

最後は質問の時間です。「好きな食べ物は?」「バレーボールの練習はどのくらいやりましたか?」「趣味はなんですか?」「バレーボール以外で好きなスポーツは?」などなど質問は続きます。みなさんの関心は尽きませんでした。

アスリートから児童生徒へメッセージ

かけがえのない仲間の存在

小学生のころ学校で辛いことや嫌な思いをした経験があります。そんなとき心の拠り所になったのは、学校で寄り添ってくれた仲間やバレーボールチームの仲間でした。だから寂しくはなかったです。そんな仲間がいたからこそ、バレーボールがあったからこそ学校に休むことなく行けました。自分の居場所がたくさんあると良いですね。

きっかけは些細なこと。チャレンジしよう

私は姉について行かなければバレーボール選手になっていなかったかもしれません。何がきっかけになるかはわかりません。「私には無理、僕には無理」と思わないでチェレンジしましょう。まずやってみましょう。今日の授業でも「無理」という人は一人もいなかったし、みなさん楽しそうに取り組んでくれました。今日の日のことを少しでも忘れずにいてくれたら嬉しいです。

スポーツすることで心身ともに健康でいよう

スポーツや運動すると心も身体も元気になります。バレーボールでなくてもいいんです。
みなさんも嫌なことや、ストレスを感じることがあるかもしれません。そんな時には、スポーツや身体を動かし、汗をかいて嫌なことを吹き飛ばしてください。自分で動いてかく汗は心も身体もすっきりさせてくれます。

授業のまとめ


大山さんのアドヴァイスや言葉に子供たちは常に反応を示します。5、6年生混合の授業でしたが、チームワークが良く、しっかり話も聞けていました。みんながボールに触れられるように考えて動いている子供やミスした仲間への声掛けもとてもよく、優しい子供たちで、大山さんと子供たち、子供たち同士のコミュニケーションがよくとれていた授業でした。
授業終了後には1,2年生の子供たちが校長室まで大山さんに会いに来てくれました。感謝と記念にみんなで写真に収まりました。

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