『夢や目標は自分で決めて続けること』元Jリーガー・川邉隆弥さんの特別授業!

『夢や目標は自分で決めて続けること』元Jリーガー・川邉隆弥さんの特別授業!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月17日、元Jリーガー・川邉 隆弥さんが、新潟県の田尻小学校にアスリーチ!
サッカーボールを使った実技と、川邉さんがプロサッカー選手になるまでのお話を交えた授業を行ました。

「サッカーが得意じゃない子にも楽しんでほしい」という川邉さんの想いの詰まった、元気で笑顔溢れる授業となりました。

訪問アスリートご紹介


川邉 隆弥さん。埼玉県出身。
Jリーグ大宮アルディージャに、ユースを経てトップチームに入団、活躍。
同チーム退団後は、シンガポールやラトビアなど海外クラブでのプレイにも挑戦されました。

学校や地域のご紹介


学校は柏崎市の中央部やや東側に位置し、東に八石山、西に米山を望み、周りには水田が広がる環境です。昭和37年に4小学校の統合により開校。平成19年1月に新校舎が完成。
この日のクラスの担任だった先生は、日本代表ユニフォームでお出迎え。「いつもこんな格好です」と笑顔でお返事。生徒たちのノートとなるメモ用紙には、川邉さんが所属していた大宮アルディージャのマスコットキャラのイラストが。田尻小学校の歓迎っぷりに川邉さんの表情に笑みが溢れました。

実技と講話の授業

体育館に集まった6年生の生徒たちを前に、先生から川邉さんからの紹介。
生徒の皆さんに親しんでもらえるように「名前で呼ぶのは堅苦しいので、今日は『なべちゃん』と読んでください!」という自己紹介から授業がスタート。生徒たちからは、クスッと笑い声が聞こえて緊張がほぐれた様子。

まずはご挨拶がわりに川邉さんのボール捌きを披露。
サッカー経験者の先生を相手にボールのパス交換。そして生徒を一人呼び込んで、相手の取りやすいパスのポイントを直接指導。軽快なパスに生徒たちはすでに釘付けでした。
そして、なべちゃんと皆で一緒にじゃんけん大会。勝ち残りや負け残りなどルールを替えて盛り上がりをみせ、生徒の皆はなべちゃんとすっかり打ち解けていました。

場の雰囲気が賑やかになったところでリズムゲームでウォーミングアップ。
「タン、タン、みぃぎっ♪」なべちゃんがリズムに乗せて前後左右のステップを指示。リズムに合わせて方向を声に出して大きくステップ。隣と顔を見合わせながら上手になべちゃんのリズムに合わせる生徒たち。次は、言われた方向を声に出しながらも真逆の方向にステップ。頭と身体を使った難しそうなルールに心配しながらも、息を揃えてステップを踏む生徒たちも楽しんでました。

水分を補給して次はボールを使ったミニゲーム。
6年生と5年生、さらに男女別と、4つのグループに班分け。
各グループでボールを持った先生を中心に一列に整列。
先生がミニコート内にトスしたボールを、左右に並んだ生徒がボールを取り合う1on1。
ボールを持ったらゴールに向かってダッシュ、持ってない相手はゴールさせないようタッチしてディフェンス。
『ラグビーと一緒だね!』という生徒の声が広がり、ルールのわからない生徒にはクラスメイトが詳しく説明。皆で楽しめるよう生徒たちが積極的にお互いをフォロー。
ルールがわかると生徒たちも徐々にスピードアップ。ゴールに向かってダイビングといったアグレッシブなプレーも飛び出しました。

一通り順番が回ったところでなべちゃんから「足を使ってボールを蹴りながらゴールまで運ぶ」とルールの変更。
足を使うことによって相手のボールを奪うチャンスが増え、ゲームは更にヒートアップ。
相手のボールを奪うよう必死に攻める子、取られないよう警戒する子、さらには蹴る素振りを見せて抜き去るフェイントや股抜きなど、プレーの幅が広がる様子に川邉さんも「サッカー経験者?違うの!?すごいじゃん!上手!」と賞賛の声も。

盛り上がりを見せたところで次は団体戦形式を追加。
先生を挟んで左右に分かれた生徒たちでチームを作り、ゴールした数を競う点取り合戦。
「点が入ったら拍手で盛り上げながら大きな声で点数を数える」というスコア管理も追加され、味方チームの得点に声と拍手、さらにはプレー中の応援も加わり、各グループ白熱した展開を見せてくれました。
ゲームを終えて得点発表では、応援に夢中になりすぎて数え忘れるチームも出るなど、ゲームに熱中した様子も伺えたところで授業の前半が終了。

後半はホワイトボードの前に生徒が集合して、川邉さんの講和の時間。
川邉さんがプロのサッカー選手になりたいと決意したきっかけ、そしてプロ選手になるまでどんなことを考えてサッカーに取り組んだかというエピソードを、クイズも織り交ぜながらお話いただきました。
講和中、川邉さんのお話を一言一句漏らさないよう耳を傾けながら必死にノートにメモを取る生徒の姿も目立ちました。

講和も無事に終了し、授業の感想アンケートを記入する時間では、一人の生徒がアンケートを済ませるや否や、川邉さんに声をかけて何やら質問。川邉さんはその場でボールの蹴り方や蹴るときの身体や腕の使い方を詳しく説明。アスリートとの貴重な時間を有効活用しようという生徒の積極性に、川邉さんの説明にも熱が入りました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

夢や目標は “自分で” 決める

小学1年生からサッカーを始め、小学5年生の特別授業で来校したサッカー選手、平瀬 智行さんに出会ったときの強い衝撃と憧れが「サッカー選手になる」と決意したきっかけ。生徒の皆にも好きなこと、やりたいこと、落ち込んだ時でも夢中になれるものを “自分で” 見つけてほしいです。

自分で決めたことを “続ける”

中学2年生の夏、右足首骨折により戦線離脱。「サッカーはしばらくできない」と診断されて帰り道に泣くほどショックを受けました。しかし自分で決めて通ったクラブチームに1時間かけて通い、仲間の観察やトレーニングに一生懸命取り組みながらも復帰。しかし、怪我の間に入ったメンバーにより出来上がったチームでスタメンを取ることができず、モチベーションもダウン。気持ちが保てないことから、友達の家に寄り道して初めて練習を欠席。
練習時間を迎えた瞬間、「『休まず通う』と自分で決めたことを守れなかった」と、虚無感と後悔というものを初めて味わいました。その日を機に「後悔するぐらいなら、試合に出れなくても自分で決めたことを守り続けよう」と決意を固めました。
生徒の皆さんにも、無理に頑張らず、休んでもいいから自分のペースで続けてほしいです。

授業のまとめ

学校の先生たちの熱烈なご挨拶から始まり、授業前にすれ違った生徒たちからは「あの人、元Jリーガーなんでしょ?海外にも行ってたんでしょ?」と、生徒たちには事前に情報が行き渡っていました。授業中は、滞りなく進むよう進行して下さった先生たちのサポートに強い感謝の気持ちが溢れた川邉さん。「こうやってお話を聴ける機会は貴重なので、また次回もお待ちしてます!」と、先生たちの力強いお言葉をいただき、学校を後にしました。

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