銀メダリストのてっちゃん!子供の心をわしづかみにするパラスポーツ授業を行いました!

銀メダリストのてっちゃん!子供の心をわしづかみにするパラスポーツ授業を行いました!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月20日、車いすバスケットボール・東京パラリンピック銀メダリストの宮島徹也さんが、新潟県上越市の髙田西小学校にアスリーチ!
パラスポーツの楽しさと多様性理解の体育授業を行ました。

登場時から熱烈な拍手で迎えられた宮島さん。ご自身にも小学生のお子さんがいるとのことで、小学生との接し方も超一流!
障がいを追った経緯から、立ち直るまでの苦しみ、アスリートとして輝いている現在まで、子どもの心をとらえ続けた講話と、楽しい楽しい車いすバスケ実技。高田西小の児童たち、大興奮であっという間の2時間でした。

訪問アスリートご紹介


宮島徹也さん、富山県出身。
もともとバスケットボールをしていましたが、中学生の時、医療事故により左足を切断。以降、車いすバスケに取り組み、パラリンピック4大会連続出場。東京パラリンピックでは銀メダル獲得。現在は富山県の車いすバスケケットボールクラブに所属し、選手・コーチとして活躍中です!

学校や地域のご紹介


江戸時代、城下町として栄えた高田。駅から20分ほど西へ歩いたところに、高田西小学校は位置しています。日本のスキー発祥地とされる、オーストリア人レルヒ氏がスキーを日本人に初めて教えた丘から程近く、遠くには山頂の形が特徴的な妙高山。自然豊かな環境で、高田西小学校の子どもたちは学んでいます。

実技と講話の授業


熱烈な拍手と大歓声。この上ない歓迎ムードで宮島さんが体育館に登場!「今日はてっちゃんと呼んでください」との自己紹介に「てっちゃーん!」と声。宮島さん、冒頭から子供の心をつかみます。

「車イスバスケ知ってる??」に「はい!」の返答、「乗ったことある??」の問いかけには…まさかの「はーい!!」。なんと高田西小学校、日本テレビのチャリティ番組「24時間テレビ」から車いすバスケ用の車いすが10台寄贈されており、児童たちは乗車体験済みでした。ものすごい偶然です。

まずは、自己紹介。自分には左足がないことを話す宮島さん。みんなと同年代の頃は両足あり、小4でバスケを始めて、背が高くて大きくて相撲大会で優勝するくらい力強かった話。中学生の時、富山県のバスケ代表選手になって合宿しているときにケガ、その手術をお医者さんが失敗して足を切断しなければならなかったこと。
子どもたち、真剣に聞き入ります。

それから「誰にも会いたくない」、と病院にこもっていたお話。友達が毎日毎日、病室に来てくれたけれども会いたくないと断り続けた話。意を決してようやく会ったとき、「徹也がいないとつまらないから、早く学校に来てよ。車イスを運んだりするのも手伝うよ!」と言われて、学校に行く決心がついた話。
児童たちは、自分たちと近い年齢だった徹也少年が過ごしたエピソードを、各々の感性で受け止めていました。

後半は、子どもたちも楽しみにしていた車イスバスケの実技です!
まずは進み方、止まり方、ターンの方法のレクチャー。いきなり乗り込んで、とにかくやってみます。

すると、みんな呑み込みが早い!自在に動かしてみんな楽しそう。

動き方を覚えたところで、鬼ごっこ。まずは宮島さんを全員が鬼となって追いかけます。
10人対1人、さすがの宮島さんも…と思いきや、まったく捕まえられない子供たち。スイスイ逃げる宮島さん。体育館に大歓声と悲鳴がこだまします。

続いて、宮島さんが鬼の番。10人の子供たち、懸命に逃げます、逃げますが、1人2人、あえなく捕まる児童。ついに最後の1人に。必死に維げる児童を、全員で応援する大きな声。やはり、銀メダリストのスピードにはかないませんでしたが、最後の1人には大きな拍手が送られました。

そして、最後に試合です。

実施前に宮島さんから「目標を決めてください。シュート決める、パスをする、ドリブルする、なんでもいいです」とのお話があり、ゲームスタート。各自は自分が決めた目標を念頭に全力でプレー。

見ている児童の応援も、ものすごい!勝っても負けても、充実した笑顔が印象的な試合で、楽しい授業はあっという間に終了の時を迎えました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

周囲への感謝の気持ちを忘れないでください

自分は、足を切断して「死にたい」と思ったとき、家族や友達が支えてくれました。そのとき「車イスバスケで日本代表」になると、夢を持つことができ、日本代表として、北京、ロンドン、リオ、東京のパラリンピックに出ることができました。
今後、みんなにもつらいこと、大変なこと、あるかもしれません。しかし、夢を持って真剣に頑張っていたら、必ず応援してくれる人がどんどん増えていきます。支えてくれる人に感謝の気持ちをもって、目標に向かって努力をしてください。

「夢」や「好きなこと」を見つけてください

今まだ「夢のない人」もいると思います。夢があってもなくても、好きになって一生懸命になれるものを探してください。何でもいいです。それは、ゲームでも、ご飯を食べることでも、本を読むことでも、何でもいい。一生懸命やっていたら、夢が見つかります。大好きなもの、夢中になれるものを大切にしてください。

最後までやり遂げてください

僕は小学4年生でバスケを始めましたが上手にできず、辞めたいと思って親に言いました。すると「徹也という名前には、最後までやり通す、という意味があります。6年生まではやってみなさい」と言われました。続けたから、結果的に中学の県代表になれたし、足を切断した後も車いすバスケという夢を持てました。始めたことは、最後までやり通す意識を持ってみてください。また是非、自分の名前の由来もご両親に聞いてみてください。名前には、とても大切な意味と思いが込められています。

授業のまとめ


宮島さんのお話を、子どもたちは熱心にメモしていました。真剣に話を聞いて、心から車いすバスケを楽しんだ児童たち。「えー、もう終わり!?」「せっかく車いすがあるから休み時間に車いすバスケをしよう!」、子どもたちからは明るい声が溢れていました。きっと、高田の街で会う車いすの方にも優しくお声掛けができるようになるでしょう。てっちゃんの授業は、髙田西小の子供たちに、深くリーチしていました。

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