一緒にスポーツを楽しみましょう!2024パリパラリンピック出場を目指す山岸英樹さんによる特別授業!

一緒にスポーツを楽しみましょう!2024パリパラリンピック出場を目指す山岸英樹さんによる特別授業!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月19日、2024年パリパラリンピック出場を目指す山岸英樹さんが、新潟県 長岡市立大島中学校にアスリーチ!
障がい者野球の体験と、スポーツで大事な下半身の使い方を体感する授業を行いました。

今回は「多くの生徒に何かを感じ取ってもらいたい」という学校側の希望で、受験生の3年生を除いた1.2年生全員の190名以上の参加となりました!
大きな校庭を使って全員で野球と陸上の種目を交代しながら同時に行っていきました。

訪問アスリートご紹介


山岸英樹さん。石川県生まれ。12歳の時に受けたてんかんの手術後に左半身麻痺状態になる。その後にハードなリハビリを続け、障がい者野球界のエースとして活躍するまでになり、2021年よりパラ陸上競技にも挑戦し、2024パリパラリンピック出場を目指しています。

学校や地域のご紹介


新潟県長岡市、長岡駅より3kmほどの商業施設が集まる地域にある中学校です。
毎年8月に行われる「長岡まつり大花火大会」の会場がすぐ近くにあり、清掃活動にも参加しているそうです。

広い校庭があり、昼休みの時間には校庭と体育館で多くの生徒が体を動かしていました。

体育館には9月に行われた体育祭の「応援パネル」が掲げられていました。下書きから完成までそれぞれの組を応援する為に生徒たちが作っているそうです。

実技と講話の授業

校庭に集まった1.2年生の生徒たち。先生の紹介で山岸さんを拍手でお迎えします。

まずは自己紹介です。小学生から野球をやっていたけれど12歳の頃に障害を負って寝たきりになり、そこからリハビリを頑張って、3か月で野球をできるようになったことなど、経歴の話を聞きます。
中学まではマヒがあるものの、みんなと同じ野球部で活動していたけれど、高校生になると自身の体では難しいことを感じ、スポーツトレーナーの学校に行って体の仕組みの勉強を始めていったそうです。何事もあきらめず、自分で考え、自分のできることを探し続けることが大切だと伝える山岸さんの話をしっかり受け止めている生徒たちでした。

そして実技に入ります。はじめに全員で準備運動を行います。

今回は190名以上と参加人数が多いので、「障がい者野球のキャッチボール体験」をするチームと、「スポーツで大切な下半身の使い方を体感する」チームに分かれて、それぞれ前半後半で入れ替えて授業を同時に進めることになりました。

「障がい者野球のキャッチボール体験」の授業では、「片腕しか使うことができない」選手が行う、「キャッチした手で投げる」というキャッチボール体験を行います。
グローブでキャッチして、そのキャッチしたボールを上にあげている間にグローブを外して素手でキャッチして投げる、という難しいもの。

この難しいチャレンジに取り組み、「障がいがあること」について生徒たちはいろいろ感じ取っていたようです。

もう一つのチームは「スポーツで大切な下半身の使い方を体感する」の授業です。
細かいジャンプをしたり、スキップをしたり。股関節を意識して足を開きながら進んだり後ろ向きで進んだりと、股関節の動きや、足の動き、地面からの反発力を感じる動作を次々に行っていきます。

実技の締めに、今までのことを意識して走ってみると、「いつもより早い!」「走りやすい!」と声を上げている生徒が多くいました。山岸さんは「すべてのスポーツにとって下半身の動かし方は重要だし、スポーツをしなくても歩き方や姿勢がきれいになって健康的な体になります」と話をされていました。

実技後は体育館に移動して質問コーナーです。積極的に手を挙げ、食事のことや準備運動のことなどの質問に一つ一つ丁寧に答える山岸さん。

最後に代表生徒からお礼の言葉があり、特別授業が終了しました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

自分の好きなことに対して突き詰めよう!

私は障がいをおったからこそ、自分の体について徹底的に調べました。体を動かすことが好きだったし、スポーツが好きだからです。みなさんも好きなことや、なりたい夢ができたら、それについて突き詰めて考えてください。そうすると今できること、今やるべきことが見えてきます。

個性として受け入れよう

私は自分の障がいという“コンプレックス”を“個性”と受け入れて様々なことにチャレンジし、今もパラリンピックを目指しています。そしてこうしてみなさんと一緒にスポーツもできます。人はそれぞれ個性があるので、それをどんどん生かしていってください。

授業のまとめ

多くの生徒たちが2つのことを同時に行っていたため、あっちにこっちに大忙しな山岸さん。ずっとしゃべりっぱなし、動きっぱなしの2時間を全力で指導した山岸さんが最後伝えた「これからも一緒にスポーツを楽しもう!」という言葉が、生徒たちの心にリーチしていました!

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