バレーボールで身体の使い方を学ぶ!日本で最も多く日本一に輝いた元Vリーガー大山未希さんの体育授業
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月19日、元Vリーガー・プロビーチバレー選手の大山未希さんが、石川県小松市の荒屋小学校にアスリーチ!
バレーボールの体育授業を行ました。
この日の授業は5、6年生56名。代表の子供が迎えに来て、控室から体育館まで案内してくれました。授業の最初と最後に子供たちが司会をするなど、子供たちも積極的にかかわって授業が進められました。
目次
訪問アスリートご紹介
大山未希さん。東京都出身。小学生からバレーボールを始め全国大会2連覇。成徳学園中学校、下北沢成徳高校でも全国制覇。Vリーグ東レアローズではVリーグ3連覇など、これまで19回日本一に輝く。また、ユース日本代表としてアジアユース選手権、世界ユース選手権などで活躍。現在はマンツーマンレッスンや教室など、バレーボールの普及活動をおこなっています。
学校や地域のご紹介
小松市は日本のほぼ真ん中に位置し、東には日本三名山のひとつである白山がそびえ、西は日本海に面しています。荒屋小学校はJR北陸本線明峰駅から徒歩15分ほどです。小松駅からは一駅ですが、明峰駅は無人駅。でもちゃんとICカードは使えます。荒屋小学校はそんなとても静かな環境のなかにあります。
授業の様子
バレーボールを始めたきっかけは、小学校1年生の時、ひとつ年上の姉に誘われて初めてバレーボールに触れ、サーブを打ったらネットを越えて相手コートに入ってしまったところからです。周囲が驚き、みんなに褒められ「私天才かも」と思ってバレーボール始めました。
「お姉さんが行くから行ってみよう」簡単な気持ちでバレーボールを始めて、頑張っていたら選手になれたので、みなさんも何事にもチャレンジして欲しいし、今日がそのきっかけになると嬉しいです。とメッセージを送りました。
そして、大山さんのスパイクをレシーブするデモンストレーションです。思わず避ける男性の先生。大勢の子供たちが列をなして順番を待ち、レシーブにチャレンジします。上手にレシーブできた子供には大歓声があがります。
この日の授業の最初は柔軟運動から。二人一組で向き合って足を開いて座り、自分の身体の周りにボールを転がします。続いて、両足でボールを挟んでそのまま後ろに足を持っていき、頭の上で地面につけ元の位置に。腹筋を使う動作ですが、子供たちの楽しそうな声は途切れません。
そして、「ボールと仲良くなる」ドリル、反応を高めるドリルへと続きます。二人の前にボールを置き、大山さんの声に合わせて頭、膝などの身体の部位に触れながら、「ボール」という声がかかった瞬間ボールを取り合うドリルなどがおこなわれました。途中難易度が上がり大山さんの「ボール」の声で「頭」を触り、「頭」の声で「ボール」を獲り合うルール変更がありました。引っ掛かって「ボール」でボールを獲ってしまって声をあげて残念がったり、寸前のところで思いとどまって歓声を上げる子供がいたりと、大いに盛り上がりました。
続いて、グループをいくつか作り一列に並んで速くボールを送る競争です。
行きは頭の上から、帰りは股の下からボールを送ります。速い動作とともにコミュニケーションも大切です。途中作戦会議の時間もとりながら子供たちの創造力を引き出していきます。こういう形の競争は子供たちも喜びます。続いてオーバーパス、アンダーパスの練習。一列でおこなうなど工夫が施されています。
その後は、グループに分かれ円になってパスを続けるゲームです。コツは「人にパスをしない。円の真ん中にパスを上げて、それを次の人が獲りにいくこと」とアドヴァイスがありました。目標は10回です。みんな一生懸命チャレンジしました。一番たくさんパスを繋げたチームは14回でした。
身体をたくさん動かした後に大山さんからメッセージが伝えられました。「今日は皆さんに会いに東京から来ました」。子供たちは嬉しそうに「え~」と少し驚いていました。そして、「スポーツでも他のことでも何かやろうと思ったときにチャレンジしてみましょう。勇気を出してチャレンジしてみたら、それが夢に変わるかもしれません」。
質問の時間では多くの子供たちから手が挙がり、たくさんの質問がありました。「プロになるまで努力しようとした決め手や思い出はありますか?」に「目の前の小さな目標をコツコツと達成していきました」と大山さん。
授業の最後は代表の子供の進行で、挙手をした子供がこの日の感想を大山さんに伝えました。「本格的にバレーボールをやったのは初めてだったので、良い経験になりました」「家に帰って自分が学んだことを家族にも伝えてあげたいと思いました」「前にアンダーパスをしたら腕が痛くなったけど、親指を下に向けて腕の板を作ってやってみたら痛くありませんでした」「家でお兄ちゃんや弟とバレーボールをやってみたいと思います」「教えて貰う前まではやり方がわからず、がむしゃらに打ってよく怪我をしていましたが、今日教え貰った正しいやり方でやってみたいと思いました」。たくさんの子供たちが手を挙げ、思い思いの感想を述べてくれました。そのたびに大きな拍手が沸き起こりとても暖かい雰囲気で授業は終了しました。
アスリートから児童生徒へメッセージ
かけがえのない仲間の存在
小学生のころ学校で辛いことや嫌な思いをした経験があります。そんなとき心の拠り所になったのは、学校で寄り添ってくれた仲間やバレーボールチームの仲間でした。だから寂しくはなかったです。そんな仲間がいたからこそ、バレーボールがあったからこそ学校に休むことなく行けました。自分の居場所がたくさんあると良いですね。
きっかけは些細なこと。チャレンジしよう
私は姉について行かなければバレーボール選手になっていなかったかもしれません。何がきっかけになるかはわかりません。「私には無理、僕には無理」と思わないでチェレンジしましょう。まずやってみましょう。今日の授業でも「無理」という人は一人もいなかったし、みなさん楽しそうに取り組んでくれました。今日の日のことを少しでも忘れずにいてくれたら嬉しいです。
スポーツすることで心身ともに健康でいよう
スポーツや運動すると心も身体も元気になります。バレーボールでなくてもいいんです。
みなさんも嫌なことや、ストレスを感じることがあるかもしれません。そんな時には、スポーツや身体を動かし、汗をかいて嫌なことを吹き飛ばしてください。自分で動いてかく汗は心も身体もすっきりさせてくれます。
授業のまとめ
あまり広くない体育館と子供たちの人数も多かったため、試合形式の練習は諦めましたが、試合形式とは違う形でチームワークを学べる方法で進めました。バレーボールを使ってたくさん楽しんだり、競争することができ、バレーボールのドリルを通じ、楽しく身体の使い方や動かし方が学べる授業となりました。