山に抱かれた奈良・黒滝村へ元Jリーガー中払大介さんの熱血授業をリーチ!

山に抱かれた奈良・黒滝村へ元Jリーガー中払大介さんの熱血授業をリーチ!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
10月26日、元Jリーガー・中払大介さんが、奈良県黒滝村の黒滝小・中学校にアスリーチ!

黒滝村の人口は約600人、小学生は11人、中学生は10人。そのうち小学4年生から中学2年生までの12名の児童生徒に、中身の濃いサッカーの体育授業を行ました!

訪問アスリートご紹介


中払大介さん、神奈川県出身。
小学生の時に静岡に移り、清水東高校からアビスパ福岡、京都パープルサンガでプレー。京都時代、2002年シーズンの天皇杯で優勝を果たしました。
引退後は福岡放送コメンテーターやJリーグ中継解説者として活躍をしています!

学校や地域のご紹介


地理的に奈良県の真ん中にある黒滝村。村の面積の97%を森林が占め、「吉野杉」は貴重な木材として日本各地に運ばれて行くとのこと。村に高校がないため、中学を卒業した生徒は村を必ず出て行かなくてはならず、寮に入ったり、親戚の家に同居したりする生活になるそうです。

豊かな自然には動物が多く住んでおり、日常的に鹿、熊、いたち、キツネ、タヌキ、サルなどを見かけるそう。子供は熊よけの鈴を着用して登校をしています。


電車やバスのアクセスがないため、この日の中払さんは吉野駅からタクシーに乗って、山を越えて向かいました。

実技と講話の授業


明るい日差しが照り付けるグラウンドに、小さなころからずっと一緒という12名の子供たちが、家族の様に仲良く出てきます。

中払さんの、「今日は『大ちゃん先生』と呼んでください」との呼びかけに「はい!」と明るいお返事。
冒頭、今日のテーマは「楽しむこと」「伝えること」「考えること」とのお話から授業が始まります。

まず、男女でチームに分かれて、全員で手を繋いでゴールを目指す『だるまさんが転んだ』ゲーム。中払さんがボールを手から離している間だけ動ける、というルールです。
みんなフェイントにすぐひっかかってしまい、あっという間にアウトに。一度、全員で作戦会議をしてから再開します。

「作戦は、思ったことを伝えて、相手に理解をしてもらうための時間。自分の言葉で伝えることが、とても大切です」と、中払さんからめあてが伝えられ、子どもたちはリトライ。ところが、何度やってもフライングしてしまい、アウトになる黒滝の子供たち。やる気と元気さが溢れています!

続いてボールを使ってサッカーです。まずは、全員でボールタッチの練習。足でボールを扱う体験をしますが、サッカー部やサッカーチームがないことが信じられないくらい、児童生徒が上手にボールを扱います!

続いてキック練習に向けて、中払さんがキックのデモンストレーション。インステップで強いボール、インフロントでカーブ、アウトフロントでカーブと様々なボールを実演。強いボールや曲がるボールに大歓声!

そして最後に、オーバーヘッドを披露、子どもたち拍手喝采で大盛り上がりです!

お手本を見てイメージをしたところでパス練習。

楽しそうな声に誘われたのでしょう。今回は参加をしなかった全校の3年生(2名です^^)が、先生と一緒に見に来ていました。

しっかり動いて、体が温まったところで試合です。

12人vs中払さん率いる先生チーム4人。「こっちが勝つに決まってるでしょ」「なめないでよー!」との声が児童から出ますが…。
中払さんのドリブル、誰も止められません。先生方もお上手!試合は先生チームの勝利に終わりました。

実技を終え、校内に移って講話の時間です。
小学生時代、テレビで見た清水FCの少年サッカーに憧れて親に「静岡でサッカーをしたい」と伝えて翌年静岡に引っ越しをするという、行動力とインパクトのあるエピソードに、「そんな無理なことを?」「えー、ご両親優しい!」、と児童生徒たちからは驚きの声。

その後、先天的な膝疾患から中3の時に手術をしたこと、絶望しながら1歩また1歩とリハビリをしたこと。その積み重ねからJリーグへたどり着いた話。

中学生も小学生も揃って、二十四の瞳がじっと中払さんの目を見て聞き入ります。とても純粋な児童生徒の想いが、表情から溢れていました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

自分の夢・好きなこと・目標を探してください

自分は「清水でサッカーがやりたい」という夢が小学4年生の時に見つかり、そこから、サッカーで活躍することがブレない目標であり続けました。皆さんも「これに全てをかけられる!」というものを見つけて、全力で邁進してください。
そして、夢ややりたいことが見つかったら、口に出してみてください。発言したら責任が生まれる。自分が思っていることを、言葉で伝えてください。言わなければ伝わりません。

自分の可能性に気付いてください

みんなには可無限の能性があります。自分は小4のときリフティングが7回しかできませんでしたが、小5で清水に移ったとき、みんな300回以上できるのを見て、負けたくない一心で練習し、一ヶ月後には300回できました。小学生みんなに可能性があります。今日できないことが明日できる可能性があるので、その可能性を信じてください。

勉強することは、とても大切です!

なぜ勉強をしなければならないのか?それは皆さん自身の未来のためです。なりたいものに近付くために、可能性を狭めないために、勉強は必要です。嫌なことかもしれないけれどやり続ける。嫌なことから逃げ出すのはすごく簡単で、やり続けることは難しいです。しかし、やり続けた人にしか、夢はかなえられません。
夢から逆算して、何をやらなければいけないか、どんどん考えてほしい。いまやらなければいけないことが見えてきます。

授業のまとめ


サッカーをやりたいから「静岡に引っ越しをしたい!」と親に言い続け、清水に移り住んだことが転機になったという中払さん。「皆には可能性がある」ことを自ら体現し、そのことを伝えた熱いメッセージは、奈良県黒滝村の子供たちに強くリーチしていました。

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