元陸上日本代表と全力勝負!長田拓也さんによる特別体育授業

元陸上日本代表と全力勝負!長田拓也さんによる特別体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
11月1日、元陸上競技選手で日本代表として金メダルも獲得している長田拓也さんが、石川県にある七尾市立朝日小学校にアスリーチ!

速く走れるメカニズムと楽しさ、そして長田さんがプロとしてどうやって活躍することができたかを、小学5、6年生56名の生徒たちに教えてくれました。

訪問アスリートご紹介

長田 拓也さん、愛知県田原市出身の元陸上競技選手。
2015年に北京世界陸上の男子4×100mリレーで日本代表として活躍。2018年に100mで自己ベスト10秒14を記録。2021年に現役を引退後、走ることの楽しさを伝えるために外部指導や教室を開き、普及活動を行っています。

学校や地域のご紹介

石川県の能登半島中央部にあり、富山湾、七尾湾に面している七尾市。七尾南湾から電車で約20分ほどの場所に位置する朝日小学校は2018年4月に近隣の小学校と統合・開校しました。

のどかな山に囲まれた、緑豊かな景色が広がる環境下で育った生徒たちからは、授業前に学校ですれ違うと「こんにちはっ!」と初めて訪れた長田さんにも元気な挨拶をいただきました。

実技と講話の授業

午後の授業でグラウンドに集合した生徒たち。
「それでは今日の特別ゲストを呼んでみましょう… 長田拓也さぁーん!」と先生の合図で、生徒たちが大きな声で呼ぶと、校舎から長田拓也さんが走って登場!
軽やかに走るフォームに生徒たちも見惚れていました。

長田さんからの自己紹介を終えると6年生が1名、生徒たちを代表して前に出て「皆もっと速く走れるようになりたいので、今日はたくさんコツを教えてください!」と授業に対する想いを宣誓。
長田さんのやる気も湧きました。

走り方を教える前にまずは入念な準備運動。
現役時代に怪我が絶えなかった長田さん。
「準備運動をしないと肉離れを起こす可能性があります。元気に走れるようになるまで1ヶ月から長くて数ヶ月かかってしまうので、しっかり準備運動をしましょう」と重要性を説明。

身体の準備を整えてウォーミングアップ。
じゃんけんを使ったミニゲーム。四方に置いたコーンをじゃんけんの勝敗で一つずつ進み、いくつ勝ち進んだか競争。
開始の合図で生徒たちは一斉にじゃんけん。制限時間内にたくさん回ろうとコーンの周りでじゃんけん相手を探してはダッシュ。

目一杯走ったところで次はペアになって全身を使ったじゃんけんゲーム。負けた子は相手の周りを一周ジャンプ。
いろんな種類のジャンプを楽しい罰ゲームとして織り交ぜることで、生徒たちの身体もしっかりほぐれました。

ミニゲームを終えていよいよ「速く走るコツ」の伝授。

「世界で一番速く走れる人といえば誰でしょう?」と長田さんがクイズを出すと「ウサイン・ボルト選手」と即答する生徒たち。そのボルト選手、走るときの一歩が3メートルだったと言うと、生徒たちのみならず横で聞いていた先生たちもびっくり!

「地面を力強く蹴ったときに出る反発力を利用して大きい一歩で飛ぶことが大事です」と、説明。
現役時代にやっていたスキップの練習を見せると、その高さと綺麗なフォームに生徒たちからは「高ぁっ!」「マンガみたい!」と驚きを隠せませんでした。

お手本を見せたところで生徒たちもスキップの練習。
長田さんから教えてもらった「身体の使い方」を意識しながら、高く大きくスキップ。
大きなスキップで高く遠くに跳ぶコツをつかむ生徒たち。

スキップで走るコツがわかったところで、次は実際に走る練習へ。
腕を目一杯振って全速力で駆け抜ける生徒たち。
教えてもらった走り方を身に付けようと、走り抜けたらすぐにスタートラインに整列。やる気満々です!

実技の締めは、長田さんと代表生徒たちとの短距離走。
小学5年生と6年生から代表を選抜し、各学年と長田さんとの真剣勝負。
生徒たちのスタート地点から10メートルほど後ろで構える長田さん。6年生のグループには担任の先生も参加。
スタートラインに並ぶ様子を、校舎の窓からから眺める他の生徒たちも「がんばれー!」と応援の声が飛び出しました。

先生の合図で一斉にスタート!ハンデをもらった生徒たちが先頭をキープできるかと思いましたが、そこは元世界選手。長田さんが生徒たちをぶっちぎりで抜き去りました。
「走っている最中に先生がチラッと視界に入ったときはヤバいなって思いました」と、少しヒヤッとした様子の長田さん。

授業の後半は校舎に移動して講話の時間。
小学生から走るのが大好きだった長田さんが、どうやって陸上選手として過ごしてきたのか。
世界で活躍された長田さんのお話に、生徒たちも真剣な表情で聞いていました。

質疑応答のコーナーでは、生徒たちから次々と手が挙がり、長田さんにすっかり興味津々でした。

アスリートから児童生徒へメッセージ

継続することを忘れないでほしい

みんなそれぞれいろんな目標を持っていると思います。運動や勉強、何でもいい、身近な物からでも良いから目標を持つこと。そしてその目標を忘れずに諦めずに、継続してください。

陸上を諦めていなかったから今こうやって生徒の皆さんの前でお話することができています。些細なことでもいいので、自分の作った目標を継続することを忘れないでほしいです。

考えて行動すること

先生や大人たちの言うことを聞くのも大事です。漢字の勉強も、ただ書くだけでなく、何のためにこういう書き方をしているのか、今この行動は何のためにやっているのかを考えてみてください。

大学の陸上部時代、コーチが考えた練習メニューを聞いて「次の大会に向けてこういう課題を持ってるので、今日はこの練習に変更したいです。」と、その場で提案したこともありました。
言われたことをやるだけでなく、自分の頭で考えたことを言葉や行動に移してトライしてほしいです。

授業のまとめ

授業の最後に代表生徒からお礼のご挨拶。
「今日覚えた速く走れるコツ、そして自分で考えて工夫することを意識して明日からまた頑張りたいと思います!」と強い意気込みと感謝の気持ちをいただきました。

授業の合間に長田さんに興味津々だった生徒2名、「サインください!」とリクエストをしていた模様。
快くO Kしてくれた長田さんに、授業後すぐさま帰り支度を整えて控室へ。
世界で戦ったアスリートとの時間に、喜びを隠せない表情の生徒たち。

長田さんの技術と陸上にかけた想い、しっかり生徒たちの心に届いた授業となりました。

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