トラック長距離銅メダリストによる、自己ベストを出すための作戦会議と走りの裏技を学ぶ授業！

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
今回は元女子陸上競技選手の千葉真子さんが伊豆の国市立大仁北小学校にアスリーチ！
生徒達が自分で考えながら、どうしたら自己ベストが出せるかを学ぶ授業を行いました。

訪問アスリートご紹介

千葉真子さん。立命館宇治高校から旭化成に入社。1996年アトランタ五輪1万メートルで5位入賞、1997年アテネ世界選手権1万メートルで日本女子トラック長距離種目初となる銅メダルを獲得するなど、日本女子長距離界のトップ選手として国際舞台で活躍。2度目の世界選手権はマラソンに出場し、銅メダルを獲得。世界で初めて世界選手権のトラック、マラソン両種目でメダルを手にしました。第一線を退いた後は、ゲストランナーとして全国のマラソン大会に出演するほか、市民ランナーの指導や普及活動も積極的に行っています。

学校や地域のご紹介

設立40周年を迎えた大仁北小学校。近隣の方々の協力もあり児童はのびのびと学校に通っているとの事です。伊豆の国市ではみかんやお茶は特産物なのはもちろん、温泉まんじゅうの発祥地でもあります。

講話と実技の授業

先生より千葉さんのご紹介があり、まずは紹介動画を見る生徒達。これからすごい人が来ると緊張しながら背筋を伸ばしておりました。

「皆さんこんにちは！」体育館を颯爽と走って登場する千葉さん。
「今日はみなさんとお会いするために少し遠くからやってきました。どこから来たかわかる人～？」と質問をすると「千葉県！！」と答える生徒。「大正解」と千葉さんが答えた瞬間に生徒全員から歓声が上がりました！生徒の緊張が一気にほぐれてお話を聞く体制が整いました。
千葉さんの話し方の工夫や仕草を大きく見せることでどんどん集中していく生徒達でした。

千葉さんからの質問で走ることが苦手と思っている生徒が多数手を上げており、一番多かった苦手な理由は「横っ腹が痛くなる」でした。
ではその苦手を克服するための準備体操をしましょう！と千葉さんの掛け声で、走る前の準備体操がはじまりました。

それではジョギングで走ってみましょう！千葉さんに続いて一緒に走る生徒達。

今回は翌日に試走が控えている生徒達なので、実技は軽めにして自己ベストを出すための作戦会議をクラスで話し合いましょうと千葉さんが提案しました。
10分間で3つにまとめて生徒達から作戦を発表してもらいます。

クラスごとに作戦を練る生徒達。みんなで意見を出し合って、賛成人数が多い意見を3つ取り上げました。

クラスごとに出した意見はこのようになりました。

1. 同じペースの人についていく
2. 段々ペースを上げる
3. 前を向いて走る

1. 目標の人を決める
2. 同じペースで走る
3. 好きなことを考えながら走る

【小さな目標や大きな夢が生きる力を育む！】
それぞれ発表してもらったことについて、ご自身の人生を振り返りながらアドバイスをする千葉さん。
「私が陸上を始めたのは高校生になってからでした。小学6年生の皆さんには無限の可能性があります」
PDCAサイクルの解説も含めての講話時間となりました。

ここで一旦休憩時間。千葉さんが獲得したメダルに殺到する生徒達！「めっちゃ重い！」「光ってる～！」と大興奮でした！！

次は走る時の裏技を教えます！

1. 走る時の姿勢：腕を腰の辺りに添える。
2. 腕の振り方：力を抜いて軽く上げる。
3. 呼吸法：苦しくなったら息をしっかり吐き出す。

千葉さんの動きに合わせて生徒達も姿勢や呼吸法の練習をします。

最後に裏技を意識しながらのジョギングをしてみましょう！
最初は多くの生徒が走るのが苦手と言っていましたが、千葉さんの授業を受けて苦手な雰囲気は無くなっていました。先ほどの裏技を意識して腰に手を添えて走る生徒や、呼吸法を意識している生徒、みんな考えながら走っている様子が印象的でした。

アスリートから児童生徒へメッセージ

目の前の小さな目標をクリアしていくことで大きな夢に繋がる

私は陸上部に入った初日は全然ついていけなくて大変だった。レギュラーになることを目標にしてから1年半くらいかかりました。
けれど目の前の小さな目標をひとつずつクリアしていくことで大きな夢に繋がるので、みんなも目の前の目標をクリアするためにどうしたら良いかを考えて行動して欲しいです。

授業のまとめ

この授業を通じて、実技では「走る時の姿勢や呼吸法」を、講話では「夢や目標に向かってひとつずつクリアしていくこと」を千葉さんから教わりました。
千葉さんの生徒への寄り添う気持ちがリーチした素晴らしい授業となりました。