「やる前からあきらめない」体操オリンピアン・大島杏子さんの特別体育授業

「やる前からあきらめない」体操オリンピアン・大島杏子さんの特別体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
12月7日、元体操選手の大島杏子さんが、茨城県にある水戸市立渡里小学校にアスリーチ!

小学6年生90名の生徒たちと一緒に、マット運動の特別授業を行いました。

訪問アスリートご紹介

大島杏子さん。東京都出身。体操競技でアテネ五輪・北京五輪に出場。
日本女子最多記録となる通算8度の世界選手権に出場。長きにわたり日本女子体操界を牽引してきました。

学校や地域のご紹介

茨城県水戸市にある市立渡里小学校は、水戸駅からバスで約30分の場所に位置し、今年で創立150年の歴史を持つ学校です。

大島さんが体育館に訪れると、先生と一緒に低学年の男子児童がやってきました。
近所の体操教室に通う彼は小学2年生、大島さんが来ることを聞いて楽しみにしていたらしく、先生と一緒にご挨拶に来てくれました。大島さんを目の前にして緊張した様子でしたが「何か技を見せて!」と大島さんからリクエストをすると、すっとマットの上で倒立。そのまま歩いて自慢の身体能力を披露してくれました。「ちゃんとした形になってて綺麗!」と、大島さんの拍手と感想に、男の子も思わずにっこり笑顔が溢れました。

実技と講話の授業

この日の3、4時間目、体育館に集まった子どもたちとの特別授業がはじまります。事前に練習したご挨拶で「せんせーいっ!」と全員で大島さんを呼びました。
「本物に触れられる良い機会です。1分1秒大切にしましょう。」と代表児童からのスピーチ。

授業は座学からスタートしました。大島さんは体操競技の種類や、スポーツをすることの大切さを年代別に説明してくれました。老後も健康に過ごすこと、気分転換になること、柔軟性を身につけることで怪我をしにくい体を作れることなど、運動の大切さについて説明する大島さんの話に、児童一同しっかり耳を傾けていました。

そして実技の開始。
ストレッチは屈伸から股割り、全身をほぐして怪我になる可能性を減らす準備運動。大島さんがさまざまなポーズで準備運動の大切さを教えると「痛ぁーいっ!」と子どもたちからの苦しそうな声が漏れていました。

子どもたちがマットに分かれると、前転から後転、開脚なども加えていろんな種類の体操をみんなで練習。
途中、大島さんから後転での手の添え方、脚を伸ばすタイミングなど、のワンポイントアドバイスを挟むと、みんな教えてもらった通りの形ができるよう一生懸命チャレンジしていました。

夢中になっていると時間はあっという間に過ぎ、気がつけば授業も終盤。

すると大島さんが「みんなが頑張っているのに私だけ何もないのはねぇ……」と言ってマットの前に立ち、アクロバットを披露。
現役を引退して10年が経つ大島さんですが、さすがの軽やかな回転と着地です。そして最後にマットの上に戻ってバック宙!
これで授業は終わりだったのですが、6年生のなかに体操を習っている生徒が2名いることがわかったので、大島さんから急遽技のリクエストがありました。ひとりずつ前に出てきてもらい、大島さんと同じくバック宙やひねり技を披露すると、見ていた子どもたちやその場にいた先生たちからも大きな拍手が送られました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

「できない」「無理」などのネガティブな言葉は使わない

「無理」「できない」と言っていたら人間は無意識にできなくなってしまいます。やる前から諦めないでほしい。やることそのものが大事、できなくても良いからやってみてください。できなかったら「なぜできなかったのか」考えてください。できないことを少しずつ前向きにやり続けるからできるようになります。皆にはそうやってなんでも楽しんでほしいです。

授業のまとめ

大島さんとの授業で最初はストレッチに顔を歪めていた子どもたちも、授業を終えると爽やかな表情で記念撮影をしていました。給食の準備で体育館を後にする子どもたちに、今度は大島さんがハイタッチでお見送り。子どもたちは一列に並び、大島さんへの感謝を込めてひとりずつハイタッチしてお礼の挨拶を交わしました。

児童全員を送り出し、体育館を後にする大島さんに先生から「この後よろしければぜひお昼ごはん、ご一緒しませんか?」とランチのお誘いがありました!
給食の準備をしている子どもたちの中に大島さんが再登場!大島さんとの予想外の給食時間。大島さんとのお話を楽しむ児童もいれば、嬉しさのあまりお箸が進まない児童も。「早く食べなよ!」と大島さんにツッコまれながらも、子どもたちは賑やかで楽しい給食時間を過ごすことができました。

大島さんの元気いっぱいの授業を受けて楽しい表情を浮かべていた6年生の子どもたち。これからチャレンジすることに「できない」と挫けそうになったら、大島さんから教わったポジティブマインドを思い出して乗り越えていくことでしょう。

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