新体操北京オリンピック日本代表遠藤由華さんから学ぶ新体操の魅力とチャレンジすることの大切さ

新体操北京オリンピック日本代表遠藤由華さんから学ぶ新体操の魅力とチャレンジすることの大切さ

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
12月14日、新体操北京オリンピック日本代表遠藤由華さんが、三重県志摩市の鵜方小学校にアスリーチ!
新体操を通じ体育授業を行ました。

この日は6年1組25名が対象です。子どもたちが設定した、今日の授業のクラスの目標は「プラスウルトラ自分を超えていこう」です。

訪問アスリートご紹介

遠藤由華さん。新潟県出身。新体操元日本代表。2008年北京オリンピック出場など、多くの国際大会で活躍。ロンドンオリンピック直前に大けがを負い日本代表を離脱せざるを得ず、そのけがの影響もあり現役を引退。現役引退後は指導者の勉強のため渡米。現在は、新体操のコーチ、ピラティスインストラクターとして活躍している。

学校や地域のご紹介

三重県志摩市の中で一番人口が多い阿児町鵜方。志摩市の中心街です。鵜方小学校は近鉄志摩線鵜方駅から丘を登り歩いてすぐ、住宅地なかにある大きな学校で便利で環境の良いところにあります。

実技と講話の授業

「遠藤選手~」という呼びかけで入場した遠藤さん。子どもたちの前で側転を2回披露すると、歓声と大きな拍手が起こりました。
まず、新体操を観たことのない子どもたちに競技の説明がありました。実際の競技に使うボール、リボン、フープ、ロープ、クラブ(こん棒)の手具を準備して、それぞれ使い方(技)を披露してもらいました。都度拍手と歓声が沸き起こります。男子の新体操競技があることをはじめて知った子どもたちからは少し驚きの声も上がっていました。映像も見せてもらい、美しさとダイナミックさ、技の凄さなどに食い入るように引き込まれ、新体操競技のことがよくわかりました。

続いて自己紹介がありました。バレエやピアノ、フェンシングなどいろんな習い事のひとつとして5歳のときに新体操をはじめ、小学校4年生のときに全国大会で4位になり新体操の道に本格的に進みました。小学校6年生のときにロシアに遠征し、同じ年の選手がとても綺麗な動きをしているのに衝撃を受け、自分も世界で戦える選手になりたいという思いが芽生えたそうです。日本代表の共同生活の中では、「一番に体育館に行って練習したかったので、他の選手より5分早起きをして」一日7~8時間練習をしていましたと遠藤さん。
ロンドンオリンピックでは試合3か月前に大腿骨を骨折し、松葉づえで応援することとなり複雑な心境だったことや、引退後も大好きな新体操を仕事にしたいと思い、アメリカで2年間指導者の勉強をしたこと、今は3人の子育てをしながら仕事をしていることなども話してくれました。

実技の最初はY字バランス。みんな苦戦しますが「今よりも上手にできるようにしますからね」と遠藤さん。脚を上げて体と一直線になる遠藤さんをみてびっくりしながらみんなも挑戦します。
そして、体を柔らかくするためのいろんな柔軟体操を行いました。ここでも遠藤さんの体の柔軟性にみんなびっくり。「無理~、痛い~」と声を上げながらも積極的にチャレンジします。

Y字バランスができるようになるには、体のバランスを整えることも重要です。バランスを整えるには目線を定めるのが大切だそうです。上下左右のバランスをとるコツを教わりました。最後にY字バランスをもう一回やってみます。短い時間のレッスンでしたが、多くの子どもが最初よりも上手にできるようになりました。

次にボールの扱いを教わりました。競技規則ではボールを両手や胸でキャッチしてはいけません。片手で左右上下ボールを回したり、弾ませたり、上に放り投げたり。そう簡単ではありませんがみんな楽しそうにやっています。ボールを弾ませてその間に急いで座り両脚でキャッチするという難度の高いドリルにもチャレンジしました。
その後も子どもたちは2人一1組で行うさまざまなドリルに取り組んでいました。

続いてフープを使ったレッスンです。フープを前に放り自分のところに戻してくるドリルにもチャレンジしました。

授業の最後には、遠藤さんがすべての手具を使った新体操競技を紹介する演技を披露してくれました。音楽に合わせて美しくダイナミックに動き、高度な技も交えた演技にみんな魅了され、自然と拍手、手拍子、歓声が起こります。

子どもからの御礼の挨拶では「たくさんのことを教えてもらい、目が飛び出るほど凄い演技を見せてもらい嬉しかったし楽しかったです」と挨拶がありました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

何でも挑戦。とにかく一生懸命に取り組んでください。

はじめてやる新体操に挑戦してほしいです。好きなことを一生懸命やってみる。一生懸命やってみたら、もっと上手になりたいとか、どうしたらうまくなれるのかな、なぜ好きなのかなど疑問が生まれてきます。その疑問が将来何かと出会ったときの引き出しになります。ですので、今は何でも良いから全力でやってもらいたいと思います。

授業のまとめ

子どもたちにとってはじめて体験する新体操でしたが、全員がチャレンジしてくれました。笑い声の絶えない楽しい、そしてたっぷり新体操を学んだ充実した授業でした。

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