リオデジャネイロ五輪女子レスリング69kg級金メダリスト土性沙羅さんが、レスリングを通じ運動の楽しさと大切さを伝える授業

リオデジャネイロ五輪女子レスリング69kg級金メダリスト土性沙羅さんが、レスリングを通じ運動の楽しさと大切さを伝える授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
12月11日、リオデジャネイロオリンピック女子レスリング69kg級金メダリスト土性沙羅さんが、三重県多気郡大台町の川添小学校にアスリーチ!体育の授業を行いました。

5、6年生10名の授業でしたが、飛び入りで2年生も参加し、土性さんが現役時代実際に行っていたトレーニングを見せてもらい、一緒に体を動かしました。

訪問アスリートご紹介

土性沙羅さん。三重県出身。元女子レスリング選手で2度オリンピックに出場。リオデジャネイロオリンピック69kg級金メダル、世界選手権優勝など輝かしい実績を誇る。女子レスリング重量級では日本人初めての金メダリスト。現在は三重県松阪市役所に勤務し、松阪市のPRとスポーツ振興に尽力しています。

学校や地域のご紹介

大台町は三重県多気郡にあり、町全域がユネスコエコパーク(国際連合教育科学文化機関の生活圏保護区)の一部として登録されています。川添小学校はJR紀勢本線川添駅から歩いてすぐのところにある学校です。

実技と講話の授業

大きな拍手で迎えられた土性さん、自己紹介とレスリングの競技説明がありました。レスリングの試合では、出血したときにすぐに拭き取れるように選手がハンカチを携帯するのがルールで、ユニフォームの胸元や膝の上にしのばせておくそうです。そして、レスリングをやっていて良かったと思ったことをたくさん話してくれました。子どもたちは興味深く耳を傾けていました。

実技はまずきちんと準備体操から。その場でジャンプ、上体、下半身を動かし、その後ランニング。丁寧に体を温めていきます。みんな大きな声を出しながらとても楽しそうです。

そして、土性さんが現役時代にやっていたトレーニングをみんなでやっていきます。最初は熊、猿、あひるなど動物の動きを真似て体幹を鍛えたり、股関節の柔軟性を高めます。少し面白い格好の動作に、体育館に笑い声が響きます。

続いては2人組になって手の甲のたたき合いです。両手両足を床につけた四つん這いの姿勢で向き合います。膝は床につけてはいけません。その姿勢で相手の甲のたたき合いをします。防御は片手を床からあげて相手の攻撃を阻止します。

次は握手した状態で相手の背中をタッチするドリルです。とても激しく素早い動きになり白熱します。

その後、前後の受け身、構えの練習が行われ、デモンストレーションの時間となります。土性さんが子ども2人をおんぶしての歩行、そして持ち上げタックル。構えた姿勢から土性さんに軽々持ち上げられ、子どもたちは「怖い」と言いながらも大喜びです。今度は土性さんが子どもからタックルを受けます。

そして土性さんの本気のタックルもみせてもらいました。タックルを受けるのは先生です。素早い動作からの強烈なタックルに、先生は「見えなかった」「弾丸が飛んできたような衝撃」との感想に大いに盛り上がりました。最後はローリング。マットの上にうつ伏せになった土性さんを何とかひっくり返そうとしますがびくともしません。

サプライズでリオデジャネイロオリンピックの金メダルを含む、3つの金メダルを持ってきてくれました。子どもたち全員が3つのメダルを手に取り眺め大興奮でした。

アスリートから児童生徒へメッセージ

土性さんに、スポーツ、レスリングをやっていて良かったと思ったことを伺いました。

仲間がたくさんできました

ひとりでレスリングはできません。一緒に頑張る仲間がたくさんできました。

集中力がアップしました

なにも考えずにただ一生懸命やっているだけだったら練習になりませんし、上達もしません。ひとつのことに集中して取り組む力がつきました。

考える力がつきました

この練習にどう取り組めば成果が出るのか。この場面でどう戦えば試合を有利に進められるかを常に考えてプレーしていました。

心が安定しました

喜怒哀楽の気持ちの波が大きいこともありましたが、レスリングに必死に取り組むことで自分の心をコントロールすることができるようになりました。

記憶を整理する力がつきました

常に考えて、それを次に活かすためにどうすれば良いか。試合に勝つためにはどのカードを切れば良いかなど、頭の中の整理が上手にできるようになりました。

人としての力がつきました

当たり前のことですが、強度の高いトレーニングをすることにより、タイトな試合をすることにより、心身ともに強くなりました。

勝つことの楽しさを知りました

スポーツをやることの意義は勝つことだけではないですが、勝利を重ねることによりその楽しさ、達成感を味わうことができました。

体の使い方が上手になりました

レスリングをはじめて最初にやるのは前転・後転で、そこから徐々にトレーニングの難度が上がっていきますが、それらの積み重ねで自分の体をコントロールすることができるようになりました。

授業のまとめ

人数が少なかったこともあり、子どもたち一人ひとりとコミュニケーションがとれた充実した授業でした。レスリングをしたり、金メダルを手に取ったり、普段あまり触れることの少ない貴重な体験ができました。最後には、子どもたち全員が感想を述べてくれました。

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