プロサッカー選手の夢を叶えるために大切にしてきたこと
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。2月20日、サッカー元日本代表の李忠成さんがが、鹿児島県の枕崎小学校にアスリーチ!李さんは、自身の経験を通して、夢を叶えるために大切にしてきたことを子どもたちに伝えました。
目次
訪問アスリートご紹介
サッカー元日本代表の李忠成さんといえば、2011年のサッカーアジアカップ決勝の延長戦で決めたボレーシュート!サッカー日本代表の中で最も美しいゴールと語り継がれています。李さんのゴールで日本代表はアジア王者に輝きました。去年、現役を引退した李さんは、全国の子どもたちと交流して、自身の経験を伝えたいとアスリーチの講師を務めています。
学校や地域のご紹介
JR最南端の路線「指宿枕崎線」の終着駅・枕崎駅から歩いて5分のところにある枕崎小学校。全校児童は約370人。去年、創立150年を迎えました。李忠成さんと一緒にJリーグ浦和レッズで活躍した那須大亮(アテネ五輪代表主将)さんの母校。
当日に、それを知った李さんは、すぐに那須さんに電話、校舎や校庭の写真を奈須さんに送っていました。子どもたちにサッカーのお手本を見せられるよう、現役を引退した今もトレーニングは2時間続けていて、24時間ずっとサッカーのことばかり考えているそうです。
実技と講話の授業
李忠成さんの来校を心待ちにしていた枕崎小学校の子どもたち。キーパーグローブを持ってくる子、李さんの似顔が描かれた「ポップアップカード」を作ってくる児童、保護者も体育館の端で授業を見守りました。
担任の先生が、李忠成さんを呼び込むと、体育館中に響き渡る大きな拍手で李さんが登場。自己紹介で、私のことを知っている人?と子どもたちに尋ねると、ほとんどの子どもが手をあげていました。
自己紹介の後、李さんを質問攻めにする子どもたち。「いつプロになろうと決めたのですか?」と聞かれると、「プロサッカー選手になることを決めたのは小学校6年生の時です。小学校2年生の時、Jリーグが開幕して、三浦知良選手やラモス瑠偉選手が活躍する姿に憧れたことがキッカケ。夢を叶えるには、憧れの存在を持つことが第一歩ですね」。
保護者も李さんに質問。「この時期の子どもたちに対する、親の務めは?」李さんは、小学生のころたくさんの習い事をしていたそうです。サッカーのほか、習字、お絵描き、体操、空手。両親がたくさんの習い事をさせてくれたことに感謝していて「親の務めは、子どもたちにいろんな選択肢を与えてあげること。なぜなら、どこに子どもたちの才能が眠っているかわからないから。自分に習字の才能があったら、今ごろ習字の先生になっていたかもしれません(笑)」
後半は、サッカーボールを使った授業。李さんが見事なリフティングを披露すると思わず見とれる児童も。李さんが加わったミニゲームも行われ、2月にもかかわらず、たっぷり汗をかいていました。
アスリートから児童生徒へメッセージ
大切にしている言葉は「ありがたい」
「ありがたい」を漢字で書くと「有難い」。難しいことが有るという意味です。難しいことが有ると、自分が成長できます。困難は、成長できるチャンスが来たと思っています。苦しいことも、つらいことも成長できるチャンスと思って、楽しむようにしてきたから、サッカー日本代表になれました。
成功にはコツがある
自分が挑戦していることを、上手くやるにはどうしたらいいか?いろんな人に聞くこと。両親や先生、コーチ、友達…いろんな人に聞いてみて下さい。もし、ふんわりした答えが返ってきたら、具体的に聞いて下さい。
例えば、サッカーだったら「どうやったらうまくシュートが打てるようになりますか?」「いいパスを出すためにどんな努力をすればいいですか?」「どんなトレーニングをすればいいですか?」など。李さんは、小学校のころから、サッカーが上手くなるため、いろんな人に質問して、それを実践してきました。
自分に負けない、自分に噓をつかない
日々練習をしていると、つらくて苦しくて、逃げ出したくなることもあります。そのとき、自分に負けないことが大事。
やりたくない理由を考えてしまうのが人間ですが、自分に嘘をつかないこと。嘘をついたとき、人はわからなくても自分はわかります。努力すれば自分を好きになります。そして何事も諦めなければ、必ず乗り越えられます。今までいろんな人に支えてもらってきましたが、一番感謝しているのは「自分」。なぜなら、苦しくてつらい思いを乗り越えてくれたから。
授業のまとめ
プロサッカー選手になる夢を叶えるために大切にしてきたことは、自分の周りにいる人たちに「サッカーが上手くなるためにはどうしたらいいか?」具体的に聞いてきたこと。
そして、自分のプレーができなかったとき、試合に負けたとき「どうしてできなかったのか?どうして負けたのか?」を考えて、分析することが大事。分析して数字に残してきました。試合で何本のシュートを打てたのか?ゴールの確率はどれぐらいか?データで残すようにしました。そして、言葉は頭に残すようにしてきました。
授業の最後は子どもたちが李さんと笑顔でハイタッチ。李さんの情熱は子どもたちの心にしっかり届いていました。