できることを探していこう。パラアスリート鈴木徹さんによる体育授業

できることを探していこう。パラアスリート鈴木徹さんによる体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
1月12日、パラ陸上界レジェンド・鈴木徹さんが、香川県立視覚支援学校にアスリーチ!
義足の体験や走り高跳びの体育授業を行いました。

なかなか触れることのない義足の体験やほとんど経験のない走り高跳びにみんなで果敢に挑戦しました。

訪問アスリートご紹介

鈴木徹さん。山梨県出身。
日本初の義足の走高跳代表選手として、2000年、シドニーパラリンピックに出場して以後5大会連続入賞。2017年、世界パラ陸上競技選手権大会で銅メダルを獲得。

学校や地域のご紹介

高松駅からバスで10分ほどのところにある香川県立視覚支援学校。創立は110年を超える歴史のある学校です。現在は幼稚部~成人の生徒たちが通っているそうです。スポーツでは全国の上位に入るほどの部活もあったらしく、学校には賞状やトロフィーがたくさん並んでいました。

実技と講話の授業

今回は8名の生徒が授業を受けました。視覚支援学校ではやらない走り幅跳びの授業ですが、今回はみんなで挑戦してみましょうと鈴木さんからのメッセージ。まずはイメージからということで映像を見ながら講話の授業でした。鈴木さんの義足との出会いや、パラスポーツをはじめたきっかけなど、沢山のことを話してくれました。鈴木さんは競技用の義足、アジア大会のメダル、選手村で使うパスを持ってきてくれて生徒たちにぜひ触れてみてくださいと言ってくれました。メダルには点字や音が鳴る仕様があり、実際に触ってみないとわからないことがたくさんありました。普段聞けない義足の話やパラリンピックの裏側など沢山の貴重なお話が詰まった講話でした。

後半は実技の授業。スキップをしたり腿上げたり体を温め走り高跳びの動きに近づけていきます。

足を高く上げたり、跳びたいときはお腹から意識をする、筋肉はどこから繋がっているかを意識してやるのがコツとアドバイスを送っていました。

そしていよいよ走り高跳びに挑戦。

普段やらない種目に最初は不安がっている生徒もいましたが、いざはじまると軽々ときれいな跳び方で跳んでいく生徒達。今回は90㎝ぐらいまでの高さで行いましたが、軽々100㎝以上を跳んでいる生徒もいました。

最後に生徒たちは義足を実際に着用し歩いたり走ったりしました。思いのほか弾むような感覚があるらしく歩きやすいなどさまざまな感想が飛び交っていました。今まで触れたことのない義足や走り高跳びに終始沢山の笑顔があふれていました。普段聞けない話や、実技。沢山の貴重な体験があふれた授業になりました。
最後はみんなで大きな声であいさつをして授業は終了となりました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

障害があるからといってできないことを探すのではなくできることを探す

自分自身、過去は逃げることをしていた。でも障害を持ってからは、なんでも挑戦してみることにした。一見障害があるからできないことばかりだと思いがちだが、障害を持ったからこそできることも増えた。みんなみたいに少し視力が弱いと、音の感覚や空間の感覚が研ぎ澄まされる。そういったものを大事にしてください。これからはいろんなことに逃げずに挑戦してみてください。

授業のまとめ

走り高跳びを経験したことのない生徒ばかりでしたが、全員が楽しそうに挑戦していました。鈴木さんの普段聞くことのできない話には聞き入っていました。義足を体験したり、高跳びを体験したりとはじめてが沢山の授業でしたが、満点の笑顔があふれるとても暖かい2時間の授業になりました。

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