パリオリンピックでのメダル獲得を目指す、現役7人制ラグビー女子日本代表辻崎由希乃さんが伝える「自分のことを自分が一番知ること」の大切さ

パリオリンピックでのメダル獲得を目指す、現役7人制ラグビー女子日本代表辻崎由希乃さんが伝える「自分のことを自分が一番知ること」の大切さ

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
12月21日、7人制ラグビー現役女子日本代表辻崎由希乃さんが、広島市の古田台小学校にアスリーチ!

訪問アスリートご紹介

辻崎由希乃さん。福井県出身。現役7人制ラグビー女子日本代表。3歳からバスケットボールをはじめ、福井国体をきっかけに24歳でラグビーに転向。すぐに頭角を現し、4年後には7人制ラグビー女子日本代表に選出され活躍。パリオリンピックでのメダル獲得を目指している。ながとブルーエンジェルス所属。

学校や地域のご紹介

JR山陽本線西広島駅から車で10分ほど。丘の上、高台の上の住宅地にある小学校で、近隣からは瀬戸内海の綺麗な景色が望めます。

実技と講話の授業

まずラグビー、特に7人制ラグビーという競技の説明が動画を交えてありました。7人制ラグビーは、その名のとおり7人でプレーする競技です。ピッチの大きさはラグビー(15人制)と同じですので、当たり負けしない体の強さはもとより、試合で素早く動き続けられる力やそれを支えるための強靭な心肺機能が求められます。

短時間での消耗が激しいので、プレータイムは15人制ラグビーの40分ハーフに対して、7分ハーフです。1試合のプレータイムは短いですが、1チーム一日に2~3試合おこなうのが特徴的。2016年リオデジャネイロオリンピックからオリンピック種目となりました。子どもたちにとっては初めて聞く話も多く、興味深く耳を傾けていました。

辻崎さんがラグビーを始めたのは24歳の時。3歳のころからバスケットボールをやっていて「皆さんと同じ年齢のころはバスケットボールが大好き」で「まさか自分が別のスポーツをやるなんて想像していませんでした」「今ではラグビーを通じ世界中に友達ができ、言葉は通じなくてもラグビーを通してコミュニケーションがとれるので、ラグビーをはじめて良かったと思います」と話してくれました。

実技は最後のタグラグビーの試合に向けてのドリルをおこないました。まずタコ(鬼)の四方に何人か陣取って、タコに捕まらないように反対側の陣地まで駆け抜ける「オクトパス」と呼ばれるニュージーランド流の鬼ごっこです。

次は、ボールをパスしながら指示に合わせて動くドリル。2人1組で辻崎さんの「頭、肩、ほっぺ、膝、おしり」という声に合わせてそこに触れ、「ボール」の声でボールを取り合う、反射能力を磨くドリルなどがおこなわれました。みんな楽しそうに一生懸命やってみます。

続いて、1列になりボールを頭の上と股の下から交互に、左右につなぐドリル。そして徐々にラグビーに近い動きの練習となり、今度はパスをつないでいく競争です。チームで早くゴールするための作戦会議の時間もあり、考えながら体を動かす大切さも伝えられました。みんなの楽しそうな声が体育館のなかに響き、最初にゴールしたチームの子どもたちは大喜びです。

いよいよタグラグビーのゲームに移ります。辻崎さんがひととおりルール説明をしたあと、タグラグビー経験がある4年生が3年生に「うまくゲームが運べるように」とアドバイスする場面もありました。ゲームはみんな元気よく走り回りとても白熱した展開になりました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

好きなことにとことん挑戦しましょう

昨年の5月に日本代表に選ばれ、現在は合宿や海外遠征を繰り返す毎日を送っています。ラグビーをはじめて4年くらいで代表に選ばれるとなると、周りからは「才能があったんだね」「女子7人制ラグビーは競技転向しやすい」などとよく言われます。

でも最初からすべてが上手くいっていたわけではありません。試合に出られないことも、下手すぎてチームメイトの足を引っ張ってしまうこともあり、凄く落ち込んだ時期もありました。そんな中でも「自分を見つめて、分析をして弱みを強みに変える努力」を沢山してきました。

29歳になった今もラグビーを通して、自分のことを自分が一番知ることの大切さと、挑戦することは決して怖いことじゃなく、失敗しても必ず明るい未来が待っていることを学んでいます。ラグビーでなくてもいいので、皆さんも今自分が興味あること、好きなことにとことん挑戦していってほしいです。

授業のまとめ

今日の授業は3年生、4年生38名が対象。ラグビーに触れる機会はあまりなかった子どもたちですが、元気よく、楽しく一生懸命取り組んでいました。お別れの時はみんなが辻崎さんとハイッタッチ。とても和やかな授業でした。

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