ソフトボール金メダリスト馬渕智子さんの楽しく体を動かす授業

ソフトボール金メダリスト馬渕智子さんの楽しく体を動かす授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
1月29日、北京オリンピックソフトボール金メダリスト、馬渕智子さんが、神戸市の室内小学校にアスリーチ!

6年生27名を対象に、運動が得意な子も苦手な子も、みんなが楽しく体を動かせる授業がおこなわれました。実技の最後にはみんなでティーバッティングにもチャレンジしました。

訪問アスリートご紹介

馬渕智子さん。愛知県出身。元ソフトボール日本代表。外野手。星城高等学校卒業後、日立ソフトウエア入団。翌年からレギュラーに定着し、日本リーグ1部でベストナイン、本塁打王、打点王など数々のタイトルを獲得した日本を代表する長距離打者。日本代表として北京オリンピック金メダル、北京・カラカス世界選手権銀メダル、ドーハ・広州アジア大会金メダル獲得に貢献。現在は、全国各地でソフトボール教室や講演活動をおこなっている。

学校や地域のご紹介

神戸市営地下鉄上沢駅から歩いて数分。住宅地に囲まれたところに室内小学校はあります。

実技と講話の授業

大きな拍手で校庭に迎えられた馬渕さん。金メダルを首に下げ登場しました。「今日は皆さんとお友達になりたいので、マブちゃんと呼んでください」と馬渕さん。「マブちゃん、マブちゃん」の声が子どもたちからあがります。そして「今日は、スポーツが好きな人も嫌いな人も、みんな体を一生懸命動かして楽しみましょう」と馬渕さん。また、今日のお約束は「下手でも失敗してもいいので全力でチャレンジする。みんなで協力してやる。全力で楽しむ」の3つですと話がありました。

まずはいろんな部位を動かしながら体全体をほぐしました。その後は「じゃんけんゲーム」に移ります。2人1組でじゃんけんをして、勝ったほうが次のステージに走っていき、そこでまたじゃんけん。負けた人は最初のステージで負けた人同士でじゃんけん。4つのステージまで行った人が勝利です。勝った人は全力でガッツポーズ、負けた人は全力で悔しがるのがお約束です。4つ目のステージまで行っても、負けてしまったら最初のステージまで戻ります。みんな全力で走り、喜び、悔しさを表現します。

続いて、ソフトボール日本代表もやっている反応速度を高めるトレーニングです。馬渕さんの合図に合わせて決められた動作を10回連続でおこないます。徐々にスピードが速くなったり、合図とは逆の方向に動いたりと難易度は上がっていきますが、子どもたちの反応は良く、しっかりついていきます。その後の「ミラーリング」では指名された子どもが前に出て、その子と同じ動きをします。超アップテンポです。反応速度を高めるドリルは、目で判断するものから耳で判断するものへと移っていきます。馬渕さんが声にした数字が偶数なら左は、奇数なら右へ5歩ダッシュします。足し算も入ってくるなど、このドリルもどんどん難易度が上がっていきますが、子どもたちは全力で楽しそうに取り組んでいました。

授業はバッティングへと進んでいきます。ボールは「ソフトボール」と言いながらも堅いです。まず、馬渕さんがデモンストレーションで打ってくれました。校庭を越えないように加減しながら打った打球でも、その強烈さにみんな驚きを隠せず「お~!」という歓声があがります。さあみんなもやってみます。経験者も未経験者もみんなが楽しくチャレンジしました。

実技の後は教室に場所を移し講義がありました。最初に北京オリンピックの様子や試合の模様の映像をみせてくれました。そして、フィジカルに勝るアメリカに対しどうやって勝つかを常に考え、チーム全員で議論して大切にしていたことなどをメッセージとして話してくれました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

今のチャレンジが先々につながる

北京オリンピック4年前のアテネオリンピックでは最終選考でメンバーから漏れました。アテネに賭けていたので引退も考えたほどショックでした。でも、自分以上に悔しがってくれた人がたくさんいたからこそ奮起し、北京オリンピックで金メダルを手にすることができました。アテネ後にチャレンジしたからこそ得られた金メダルであるのは間違いないです。皆さんの4年後は高校生。その時の自分をイメージすることは難しいとは思いますし、今チャレンジしていることの結果はすぐに表れないかもしれませんが、必ず先につながっています。

少しでも良いので苦手なことにもチャレンジしよう

好きなことやりたいことへのチャレンジはもちろんですが、誰しも苦手なことはあるものです。少しの時間で良いので苦手なことにもチャレンジしてください。それが皆さんの成長にプラスになると思います。私はバッティングが得意だし大好きでした。一方、守備は苦手で、自分のところに打球が飛んでくると周りがヒヤヒヤするほどでした。でも、守備へのチャレンジも嫌がらずやったからこそ日本代表にも選ばれたと思っています。

ネガティブな状況を次への糧にしましょう

日本代表チームの合言葉は「逆にサンキュー」でした。自分たちにネガティブなことが起きたときに、その状況をポジティブに受け止め、次へのエナジーにしていくマインドセットです。発する言葉も大切です。自分が口にする言葉を一番受け止めるのは自分自身です。ネガティブな言葉を発しないのもチームのルールでした。

授業のまとめ

子どもたちは楽しそうに体を動かしていました。「夢を言葉にして口にだすと少しずつ近づいていけますよ」という金メダリストのメッセージにも熱心に耳を傾けていました。

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