現役ロービジョンフットサル選手岩田朋之さんによる、1年生から6年生まで全員で弱視の疑似体験をする特別授業!

現役ロービジョンフットサル選手岩田朋之さんによる、1年生から6年生まで全員で弱視の疑似体験をする特別授業!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
今回は、現役ロービジョンフットサル選手岩田朋之さんが肝付町立宮冨小学校にアスリーチ!
1年生から6年生まで全員で岩田さんの特別授業を受ける事が出来ました!

訪問アスリートご紹介

岩田朋之さん。東京都渋谷区出身。2012年夏に突然、レーベン病を発病し急激な視力低下で視覚障害者となる。
同年10月、関東リーグの観戦をきっかけにロービジョンフットサルと出会い2015年よりロービジョンフットサル日本代表キャプテンとしてチームを牽引。
第11回ロービジョンフットサル日本選手権で準優勝を果たし、大会得点王を受賞されました。
現在も現役日本代表選手として活躍しながら、公益財団法人日本サッカー協会にお勤めされております。

学校や地域のご紹介

肝付町立宮冨小学校は設立150年以上の歴史ある学校です。
地域の名前の由来は、大隅半島を長きにわたり治めた肝付氏の本拠地であった事に由来しており、平均気温が高く降水量も多い亜熱帯の特徴を示している地域となります。

講演と実技について

1時間目は1年生と2年生が特別授業に参加されました。
生徒の拍手で迎えられた岩田さんは、「皆今日はともぞう先生と呼んでね!」と明るい笑顔で言うと、生徒達も明るい笑顔で「ともぞう先生~!」と元気な返事を返してくれました!
軽く自己紹介をして、実技に移ります。

最初に先生含む5~7名で1つのチーム組を決めて、更にチーム名を話し合いで設定します。
素敵なチーム名が沢山出てきましたが、生徒同士の投票で1番楽しそうなチーム名にエンジョイポイント1ポイントが加算されました!その名は『ハッピーゲンキ』チーム!!

今日体験するゲームは弱視の体験じゃんけんゲーム!
1チームは弱視ゴーグルを付けて前がほぼ見えない状態で残りチームの生徒と反対側に立っています。残りのチームは反対側の一定の線からスタートして、弱視ゴーグルを付けたチームとじゃんけんをします。勝っても負けても定位置に一度戻り、またじゃんけんに向かうと言う繰り返しを30秒間行いました。
ゴーグルを付けてないチームは勝った回数を全員分まとめて後で発表します。

スタート!ゴーグルを付けていないチームは一斉に走り出してじゃんけんに向かいます!

ゴーグルを付けている生徒は弱視の方と同じ状態で目の前に来た人とじゃんけんをしているので勝敗もわからず『??』の中次々来る生徒とじゃんけんをしていました。
30秒が終わると他のチームと入れ替えをしてじゃんけんをしました。

全チームゴーグルを付けて弱視体験じゃんけんが終了致しました。
得点が高かったチームにはチャレンジポイントが1点入りました!
ゴーグルを付けていない時は体育館を行ったり来たりする反復運動がフットサルに精通するとの事です。

また、弱視ゴーグルを付けた時の感想も各チームで話合い、代表者の方から発表して貰いました。
「弱視の方がどんな感じで見え辛いのかがわかった」「勝敗がわからずつまらなかったが、勝敗を言ってくれる人もいてその時は教えてもらって勝っても負けても嬉しかった」等の意見を発表してくれました。

このゲームには、弱視の人がどんな見え方がしているかの体験と、障害がある、無いにかかわらず疎外感を感じている人が近くにいた時には声を掛けて上げて欲しいと言うともぞう先生のメッセージが込められていたと仰っておりました。
1年生と2年生の体験授業はこちらで終了となります。

2時間目は3年生~6年生が体験授業を受ける番です。
流れは同じで軽く自己紹介をしてから実技に移ります。

まずはチーム名決めです。こちらでも楽しそうなチーム名が多く出てきました!
エンジョイポイントを貰ったチームは『チームニンテンドウスイッチ』!!

中~高学年の生徒も同じ様に弱視ゴーグルを付けるチームと付けないチームで別れます。

スタート!ゴーグル無しチーム全員でゴーグルチームに一斉に向かって行きます!

やはりゴーグルを付けていると状況が把握出来ないまま、いきなり「じゃんけんぽん!」と言われて手を出す事しか出来ず勝敗もわかりません。

全チームゴーグルを付けて弱視体験じゃんけんが終了致しました。
得点が高かったチームにはチャレンジポイントが1点入ります!僅か1勝利差で全員の勝利数45回じゃんけんに勝ったのは『チームマインド』!

また、中~高学年でも弱視ゴーグルを付けた時の感想も各チームで話合い、代表者の方から発表して貰いました。
「視界が狭くゴーグルを付けていない人が一斉に近くまで走ってくると怖かった」「手元が見えないので、見える様に顔や首を動かして気分が少し悪くなった。目が不自由になると言う事が分かった」等の意見を発表してくれました。

改めてともぞう先生はこのゲームには、弱視の人がどんな見え方がしているかの体験と、障害がある、無いにかかわらず疎外感を感じている人が近くにいた時には声を掛けて上げて欲しいと言うメッセージが込められていたと生徒達に伝えました。

実技を終え講話に移ります。ともぞう先生のこれまでの半生とレーベン病や弱視と言う障害について講話をされました。たまにクイズ形式で生徒に問いかける場面もあり、生徒はじゃんけんゲームの時に込められたメッセージ、体験を思い出しながら真剣に講話を聞いておりました。

アスリートから児童へのメッセージ

  1. エンジョイ! 仲間と共に「楽しむ」気持ちを忘れずに!
    チーム名を決めた時は皆で楽しい話が出来たと思います。仲間と楽しい事を共有する事で楽しさが更に広がります!
  2. チャレンジ! 困難と向き合い挑戦しましょう!
    じゃんけんゲームではチーム対抗で勝った数を競い合いました。何かにチャレンジする時は自分が納得するまで、時には仲間の手助けを借りて困難を乗り越える事もあるかと思います。
  3. アレンジ! 工夫し続け、「出来る」を見つけましょう!
    「特にアレンジの部分を覚えておいて欲しいです。これからの人生難しい事や悩む事が多く出てくるかと思います。そんな時にどうしたら出来る様になるか、困難を乗り越えられるかを自分流にアレンジして乗り越えてもらいたいです。」

まとめ

1年生~6年生までともぞう先生の授業を学校全体で受けた生徒達は、授業が終わった後も「ともぞう先生!握手してください!」と、ともぞう先生の事が大好きになりました!
終始笑顔で生徒達に寄り添うともぞう先生の人柄に惹かれ、質疑応答の時も時間内に質問が途切れる事が無いほど生徒の手が上がっておりました。

これはともぞう先生の込められたメッセージを生徒達の心にリーチした証ではないでしょうか!

この記事をシェアする