体力テストの記録を伸ばそう! 元日本代表・山根佐由里さんによるソフトボールの特別授業!
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
2月5日、ソフトボール・世界選手権元日本代表の山根佐由里さんが、宮崎県の西都市三納中学校にアスリーチ!
1年生13名、2年生19名、3年生11名の合計43名。授業開始前の休み時間から「3本勝負」という名のウォーミングアップでしっかり体が温まった状態で授業がスタートし、最後まで熱量高くメリハリのある体育授業となりました。
目次
訪問アスリートご紹介
山根佐由里さん、三重県度会町出身。
宇治山田商業高から社会人のレオパレス21、トヨタ自動車で投手として活躍。トヨタ自動車では、2011年から16年までの5年間でリーグ記録の42連勝を打ち立て、2014年には最優秀投手賞を受賞。2010、2014、2016年と世界選手権出場。
2017年限りで現役を引退し、現在はトヨタ社員として勤務をしながら、ソフトボールの普及活動、解説や指導、ソフトボール教室などで活躍しています。
学校や地域のご紹介
西都市は、宮崎県のほぼ真ん中に位置し、四季折々に楽しめる自然の風景や、日本有数の古墳群をはじめとする史跡など、たくさんの魅力にあふれるまちです。
校長先生は今回の訪問について「宝くじに当たった気分」と、非常に心待ちにしていた様子でした。
実技と講話の授業
授業開始、黙想後、生徒たちの大きな声で挨拶をするところからスタートしました。
最初の自己紹介では、自身の経歴などを生徒たちとのキャッチボールを交えながらお話があり、山根さんのオリジナルデザインの“ラプンツェル”のグローブや野球の話題になると、リアクションする生徒も多く、和やかな雰囲気で進みました。
その後すぐに日本代表でも行っていたというウォーミングアップを実施。
それぞれの動作で意識することやポイントを丁寧に伝え、みんな「はい!」という元気な返事で答えて実践していました。
「難易度あげるよー!」と少し難しい動きには苦戦している生徒もチラホラ。みんなお互いを見合いながら笑顔もこぼれていました。
続いて「反応のダッシュ」。山根さんの出すハンドサインを見て左右どちらかに素早く奪取する運動です。しっかり頭で考えて反応して動くのが大事です!
たまに飛び出るひっかけや足し算や掛け算などの計算問題に惑わされる姿も多く、周りで見ている先生や生徒たちも大盛り上がりでした。
身体も心もほぐれたところで、「投げ方の基本動作」の説明を受けます。
実際に山根さんの見本に合わせて、1つ1つの動きを分割しつつ、順番に行うことで全員がきれいなフォームを目指します。「1,2,3,ドン」の掛け声に合わせて、何度も反復練習をして前半終了!
休憩中は、山根さんのグローブやボールを触ったり話をしたりと、自然と山根さんの周りに生徒たちが集まっていました。
後半は、先程行った基本動作を踏まえて、グループに分かれてキャッチボールを行います。
「体力テストのソフトボール投げの記録が少しでも向上するようにしよう」との目標も伝えながら反復して行いました。
その後、みんなお待ちかねの「山根さんの投球披露」です。
まずアップとして野球部の生徒とキャッチボール。野球部の生徒は、「すごい!」と言いながら嬉しそうに球を受け、投げ返します。
そしていよいよ、「MAXを投げます!」と立て掛けたソフトマットに向かって思いっきり投球!!!ボールが当たったマットからは鈍い音が響き、大歓声が上がりました。
様々な球種を披露いただいた後、打席に立ちたい人を立候補で募ります。
多くの生徒が列に並び、打席の位置に立って山根さんの球を間近で体感し、空振りしながらも大興奮の様子でした。最後の挑戦者は先生。お一人は野球部出身とのことで、生徒たちの声援に応え、見事にバント成功となり、拍手が巻き起こりました。
アスリートから児童生徒へメッセージ
自身の学生時代の経験や挫折などを経て、ターニングポイントの23歳に、自分を見つめ直し、自分には何が求められているのか、日本代表になるためには何が足りていないのか、何が必要なのか、ということを真剣に考え「毎日誰よりも多く・長く・質の良いトレーニングをすること」という目標を掲げて活動して、結果に繋げたという経験から、“目標を立てる”→“やるべきことを考える”→“実行する”→“振り返る”→“次の目標を立てる”というサイクルを癖づけることが大切だと気付いたということでした。
そして、最後にみんなに伝えたい3つのポイントを話してくれました。
自分を知ってほしい!
目標が今はまだない、という人もいると思います。
まずは自分が好きなことや夢中になれることを考えてみてください。
それが目標や職業につながる可能性があります。
目標設定をしましょう!
なりたい自分を常にイメージして、そこにたどり着くにはどうしたらいいか、自分に足りていないものは何か、いつまでに達成すれば良いのかなどを考えてみてください。
頑張り続けた先に夢が変わることもあるし、頑張った先に何かがあると信じてほしいです。
道は自分自身でしか作れません!
感謝をたくさん伝えよう!
「ありがとう」をたくさん言ってください。「ありがとう」は言われても言っても幸せな言葉。スポーツではプレーが上手いだけではダメで、生活態度や練習姿勢も大切です。当たり前だと思わずに何事にも感謝の気持ちを持ちましょう。
また、良いときだけではなく、嫌なことが起きた時も使えます。例えば、友達に嫌なことを言われたとき。嫌だなと感じるけど、こういうことをすると嫌な気持ちになるということをこの友達は教えてくれたんだ「“逆に”ありがとう」と思うようにすると心に余裕が出来るので、そういうときにもぜひ使ってみてください。
授業のまとめ
授業開始時から、元気よく積極的に活動する生徒が多く、普段から先生方から素晴らしい指導を受けているのだと感じました。さらに山根さんの人柄にみんなが惹かれて、アスリーチ授業にのめり込んでいく子供たちの姿を見ることができました。
最後の講話の時間には、真剣な眼差しで全員が話を聞くシーンが非常に印象的でした。
生徒含め先生方や山根さんの心にも体にもリーチしていた授業でした。