みんなが体の反応を学び、ソフトボール体験をおこなった、金メダリスト馬渕智子さんの体育授業

みんなが体の反応を学び、ソフトボール体験をおこなった、金メダリスト馬渕智子さんの体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
1月29日、北京オリンピックソフトボール金メダリスト、馬渕智子さんが、神戸市の雲雀丘中学校にアスリーチ!

中学校1年生44名が、身体の反応スピードを高めるレッスンやソフトボールのキャッチボール・バッティングにチャレンジしました。

訪問アスリートご紹介


馬渕智子さん。愛知県出身。元ソフトボール日本代表。
外野手。星城高等学校卒業後、日立ソフトウエア入団。
翌年からレギュラーに定着し、日本リーグ1部でベストナイン、本塁打王、打点王など数々のタイトルを獲得した日本を代表する長距離打者。
日本代表として北京オリンピック金メダル、北京・カラカス世界選手権銀メダル、ドーハ・広州アジア大会金メダル獲得に貢献。
現在は、全国各地でソフトボール教室や講演活動をおこなっている。

学校や地域のご紹介

JR線や阪神電鉄が走る海よりのエリアから丘陵地帯を登っていきます。その住宅街の一角に雲雀丘中学校はあります。
遠くに神戸の海が望めるとても素敵なところです。
神戸市の中学校としては2校、学級担任を固定せず、複数の先生がローテーションで学級運営をおこなう「学年担当制」をモデルケースとして導入している学校です。

実技と講話の授業

実技は、ソフトボール日本代表チームもおこなっている反応速度を高めるドリルから始まりました。
馬渕さんの合図に合わせて決められた動作を10回連続でおこないます。素早く反応することがポイントです。

スピードがどんどん上がっていきますが、生徒たちは悲鳴をあげながらも楽しそうに身体を動かします。
「ミラーリング」では指名された生徒が前に出て、その子と同じ動きをします。
前にでた生徒も、動作をマネする生徒たちもみんな全力でおこないました。

続いては、二人一組で地面に置かれたソフトボールを取り合います。
馬渕さんが「頭、膝、耳」と身体の部位を叫ぶとみんなはそこに触れ、「ボール」と声がかかった瞬間に反応してソフトボールを素早く取りにいきます。
ボールをとった生徒は大喜び、とれなかった生徒は悔しがり、とても盛り上がりました。

身体が反応良く動くようになったところで、全員でキャッチボールです。初めてやる生徒にもわかるよう、グラブの使い方や握ったボールを頭の横の位置から腕を振り下ろして投げるなど、丁寧なアドヴァイスがありました。

そして実技はバッティングへと移っていきます。まず馬渕さんがトスバッティングでデモンストレーションをしてくれました。
広い校庭の向こうにグングン伸びて飛んでいく打球にみんな驚き、歓声をあげながら大喜びでした。
生徒のみんなもティーバッティングにチャレンジします。
上手に打つ生徒に歓声が、初めての生徒には「がんばれ~」と声援が飛びました。

講義は教室でおこなわれました。
北京オリンピックの様子がまとめられた映像を交えて、ソフトボール女子日本代表チームがいかにして金メダルを手にしたかなど、興味深い話をたくさん話してくれました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

今のチャレンジが先々につながる

北京オリンピック4年前のアテネオリンピックでは最終選考でメンバーから漏れました。
アテネに賭けていたので引退も考えたほどショックでした。でも、自分以上に悔しがってくれた人がたくさんいたからこそ奮起し、北京オリンピックで金メダルを手にすることができました。
アテネ後にチャレンジしたからこそ得られた金メダルであるのは間違いないです。

皆さんの4年後は高校生。
その時の自分をイメージすることは難しいとは思いますし、今チャレンジしていることの結果はすぐに表れないかもしれませんが、必ず先につながっています。

少しでも良いので苦手なことにもチャレンジしよう

好きなことやりたいことへのチャレンジはもちろんですが、誰しも苦手なことはあるものです。
少しの時間で良いので苦手なことにもチャレンジしてください。
それが皆さんの成長にプラスになると思います。
私はバッティングが得意だし大好きでした。

一方、守備は苦手で、自分のところに打球が飛んでくると周りがヒヤヒヤするほどでした。
でも、守備へのチャレンジも嫌がらずやったからこそ日本代表にも選ばれたと思っています。

ネガティブな状況を次への糧にしましょう

日本代表チームの合言葉は「逆にサンキュー」でした。
自分たちにネガティブなことが起きた時に、その状況をポジティブに受け止め、次へのエナジーにしていくマインドセットです。
発する言葉も大切です。自分が口にする言葉を一番受け止めるのは自分自身です。
ネガティブな言葉を発しないのもチームのルールでした。

授業のまとめ

ソフトボールが初めての生徒も、キャッチボールやバッティングを楽しんだ授業でした。
本物の金メダルに興味津々。
授業の終わりにはサイン攻めに。

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