サッカーの基礎や楽しさや、諦めないことの大切さを学んだ、元Jリーガー川邉隆弥さんの体育授業
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
2月6日、元Jリーガー川邉隆弥肩さんが、大分市の神崎中学校にアスリーチ!
中学校1年生17名がサッカーの基礎トレーニングを通じ、身体の動かし方を学びました。
目次
訪問アスリートご紹介
川邉隆弥さん。埼玉県出身。上里FC、大宮アルディージャユースを経てトップチームに入団し、ミッドフィルダーとして活躍。その後、シンガポール、ラトビア、モンテネグロなどの海外プロクラブに挑戦し活躍。現在は、各地の学校を訪問し、自身の経験を活かした講演や授業をおこなっている。
学校や地域のご紹介
JR日豊本線幸崎駅から歩いてすぐのところに神崎中学校はあります。2018年に小中一貫教育校になりました。
実技と講話の授業
先生から川邉さんの紹介があったあと、早速デモンストレーションがありました。サッカーをやっている生徒と短いパスに始まり、体育館を一杯に使って、浮かせたロングボールの蹴り合い、ステージ上に置いたボールをキックで当てる対決もあり、大きな拍手に包まれました。
最初におこなったドリルは反応を高める訓練です。川邉さんの声に合わせ身体の部位に触れ、「ボール」と声がかかったらボールを速く奪います。途中ルール変更があり、川邉さんが「ボール」と言ったら「頭」を触り、「頭」と言ったらボールを獲りにいきます。「ボール」の声に一瞬ピクリと身体が動く生徒もいましたが、みんなの身体の反応はとても良いです。
そして、ドリブル、ドリブルからボールを止める、ドリブルからターン、トラップなどサッカーの基本的なスキルも学びました。ドリブルのコツは、大きく蹴りすぎず、常に自分の足元にボールを置いておくこと。川邉さんが、生徒たちがドリブルしているボールを奪いにいきますが、みんな見事にかわします。驚くほど生徒の皆さんは上手です。
講義は教室に戻っておこなわれました。「小学校1年生でサッカーを始めて皆さんと同じ中学2年生の春までは順風でした」と川邉さん。その後、ケガを負い、復帰してもポジションを奪われ、心の葛藤にもがきながらも、諦めずにプロサッカー選手になる夢を掴んだ話を聞かせてくれました。生徒たちは真剣な眼差しで聞き入っていました。
アスリートから児童生徒へメッセージ
夢や目標は自分で決めて下さい
今日は初めてサッカーをやる人も多かったと思いますが、みんな自分が思っている以上にいろんなことができていました。そういう可能性にストップをかけないでください。「できない、もういいや、頑張らない、目標を持たない」と思わずに。周りは関係ありません。好きなこと、やりたいこと、楽しいと思えることを見つけて、自分で自分の目標を決めてチャレンジしてください。中学生はまだまだ遅くありません。
自分で決めたことを続けて下さい
中学校2年生の夏に右足首を骨折しました。ケガをする前は常にレギュラー選手として試合に出場していましたが、ケガが治り復帰した後は頑張っても試合にでることができませんでした。気持ちが沈み、何度もサッカーをやめようと思っていた頃コーチから声をかけられ、「自分が試合に出られなくても見てくれている人がいることが嬉しくて」、試合に出られなくても自分で決めたことをやり続けようと決意しました。大好きな甘いものを週一回に控え、毎日の坂道ダッシュ、サッカーノートを書き留めることも自分に課しました。皆さんも無理せず、休みながらでも良いので、自分のペースで自分の決めたことを続けて下さい。
授業のまとめ
サッカーの基本的なスキルを通じ、どう身体を使うのか、反応させるのかをたくさん学びました。生徒たちの運動能力のレベルはとても高かったです。挫折や苦悩、海外生活の話しは、多くの刺激になったと思います。生徒たちも楽しそうに、積極的に取り組んでくれて、川邉さんの問いかけにもレスポンスの良い授業でした。