「できない・無理」と言う前にやってみる!体操・五輪2大会出場の大島杏子さんが挑戦の大切さを伝える

「できない・無理」と言う前にやってみる!体操・五輪2大会出場の大島杏子さんが挑戦の大切さを伝える

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
9月28日、体操競技で五輪2大会出場・大島杏子さんが、滋賀県の彦根市立河瀬小学校にアスリーチ!
体操マット運動の体育授業を行ました。

訪問アスリートご紹介


大島杏子さん。東京都出身。体操競技でアテネ五輪・北京五輪に出場。
日本女子最多記録となる通算8度の世界選手権に出場。長きにわたり日本女子体操界を牽引してきました。

学校や地域のご紹介

彦根市南部、JR琵琶湖線・河瀬駅から徒歩30分ほどのところにある河瀬小学校。周辺は真新しい戸建て住宅と、田畑が広がるエリアです。校長先生に聞いたところですと、近年児童の数が増えており、数年前に校舎を増築したばかりとのこと。来年135周年を迎える伝統ある学校です。

実技と講話の授業

大きな拍手で迎えられた大島さん。まずは自己紹介。そしてスライドを見せながら、「体操とは?」「体操競技とは?」「運動することの大切さ」を説明。小学生は「神経の発達」の時期なので、遊びも含めて色々な運動をしてほしい、と子供たちに伝えます。

今回は事前に学校より「キャリア教育に資する内容も話していただきたい」とのリクエストを受けていたため、2012年に引退した後のお話も展開。
2014年にアメリカにコーチ留学したこと、その後小さなお子さんからトップ選手まで広く体操を教えたり、テレビ解説の仕事をしたりしたことを話します。
現役の頃は自分のことだけを考えていれば良かったが、社会で生きていくためにはそれだけではだめなことを知ったお話、体操競技しかしてこなかったがもっと勉強しておけばよかったお話、自分の競技のことだけ考えていて他人の気持ちを察することが苦手だったお話…、子供たちは一生懸命メモを取りながら熱心に聞いていました。
一方、選手でやってきたことが社会で役立ったこととして、「現役のとき、あれだけ辛いスランプや挫折を乗り越えたから大丈夫」と思えるようになったことを話されました。
キャリア形成にもつながる、アスリート経験ならではのお話で、前半は終了。後半は、いよいよマットの実技です。

まずはストレッチ。大島さんの柔らかさに「ええ??」「おお!!」の大きな声。

身体の堅い児童も多く、「いたたたた!」「むりむりむりむり!」。シニア並みに体のかたい児童もいました。

前転、後転、伸膝後転、開脚前転と、上手く実施するコツを話しながら大島さんの授業が進みます。コツを伝えられる前と後とでは、児童の実施内容も大きく変化が。先生方が驚いていました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

できない・無理、は言わない!

無理だからやらない、ではなくてやってみることが大切。やってみれば、意外とできたりする。今日の授業は、それを一番感じてほしいと思っていました。できないと思って諦める人は永遠にできるようになりません。やらない人より、やって失敗をする人の方が、はるかに素晴らしいと思います。

たくさん、勉強をしてください

勉強とは、学校の授業内容だけではありません。何に関することでも、色々なことを知っていると社会に出たときに役立ちます。
また将来のことを考えたとき、知識だけでなく資格が必要な仕事もあります。資格のためには知識が必要です。
仮にサッカー選手になりたいなら、何が必要なのか?何をしたら良いのか?それは、野球選手でも弁護士でも当てはまります。

感謝の気持ちを持てるようになってください

アスリートは色々な人に支えられていると、引退後になって知りました。現役の頃に知っていたらもっと違う考えや行動ができた、残念だったと思っています。

授業のまとめ

最後に、児童からのリクエストでロンダートやバク転を披露した大島さん。体育館には驚きの声と拍手の音が響き渡りました。

やる前から「できない」「無理」とは言わない、という授業の約束のもと、児童が前向きにチャレンジした授業。常に挑み続けたからこそ、長く日本代表の座を守り続けた大島さんのチャレンジ精神は、彦根の子供たちに強くリーチしていました。

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