「必死に本気で取り組めば人は変われる」元Jリーガー中払大介さんの熱く楽しい体育の授業
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
2月22日、元Jリーガー中払大介さんが、鹿児島県薩摩川内市の入来小学校にアスリーチ!
小学校5、6年生41名にサッカーを通じた体育授業をおこないました。
目次
訪問アスリートご紹介
中払大介さん。神奈川県出身。静岡県立清水東高等学校卒業後、Jリーグアビスパ福岡、京都パープルサンガで14年間プレー。2002年天皇杯優勝に貢献。現役時代のポジションはミッドフィルダー。現在は、サッカー解説や福岡の情報番組、スポーツ番組のコメンテーターとして活躍。福岡のサッカークラブSALTZで中学生年代の育成指導もおこなっている。
学校や地域のご紹介
薩摩川内市は鹿児島県の北西に位置します。入来小学校はJR九州新幹線川内駅から車で30分ほど。入来武家屋敷群にある、創立154年の歴史ある学校です。校舎はとても素敵な武家屋敷風で、清色城の大手門、お濠などが現在も残っています。
実技と講話の授業
額にサッカーボールを乗せ、歩きながら中払さん登場。子どもたちの拍手が鳴りやみません。今日は、「大ちゃん先生と呼んでください」に続き、「話をよく聞いて下さい」「めちゃくちゃ楽しんで下さい」と二つのお約束の提示に、子どもたちは元気よく、「はい!」と嬉しそうに返します。
講義に入る前に「だるまさんがころんだ」対決がありました。子どもたちは「イェ~イ」と大喜び。子どもたちは全員横一列で手をつなぎ、中払さんの手からボールが離れた時に前進できます。手を離さずにひとりでもゴールしたら子どもたちの勝利です。最初の戦いは中払さんの勝ち。ここで中払さんから「このままやっていても皆さんは勝てないから、先生の元で作戦会議をしてください」と提案がありました。子どもたちは積極的に意見を出し、「両端に足の速い6年生を配置」して勝利を狙います。この作戦が見事奏功し、子どもたちが勝利。早々に、何かを成し遂げるためにみんなでアイデアを出し合うこと、協力しながら臨むことを学んだあと、講義に移りました。
「皆さん夢はありますか?」の質問に、子どもたちは次々に答えます。「誰もが好きなこと、やりたいことがあると思う」「それが仕事になり、生活の横にあったら素敵だと思います」と中払さん。
小学校4年生の時、神奈川県在住ながら、静岡県の清水FCで本気でサッカーをやりたいと思いを父親に相談。情熱・熱意を伝えるために、勉強もサッカーも一生懸命頑張り、家族が引っ越しを決断してくれました。周りのレベルに追いつくため、全体練習前に毎日個人練習をして、7回しかできなかったリフティングが、300回できるようになりました。
6年生では全国大会でプレーしたものの、中学生の時は生まれつき膝のお皿が欠けていたこともあり、満足にサッカーができなかったこと。
中学校3年生の時に手術をし、1年間サッカーをできないと言われたが、懸命なリハビリの末7か月で復帰したこと。
高校生の時は、「Jリーガーになりたい」とあえて公言したが、エスパルスのスカウトに「Jリーガーは無理」と言われたこと。それでも少しずつ努力をし続け、アビスパ福岡からオファーを受けた話。
願いが届き嬉しく思う、一方自信がない自分がいて、そんな時に父親から「3年間でもいいから、追い続けた夢に賭けてみたら」「3年でクビになったら大学受けなおしたらいい」「3年の回り道はたいした回り道ではない。今、夢を叶えられるチャンスがあるなら、しがみついてでも頑張ってみれば」と背中を押され、「絶対成功してやろう」と思った話など、決意・努力・家族との絆などたくさんのエピソードを語ってくれました。
実技は、サッカーボールをコントロールすることや、二人一組で、足に挟んだボールを相手に浮かせてパス、ワンバウンドさせたボールを蹴ってパスするなど、ボール扱いに始まり、インサイド、インステップキックの練習に移ります。蹴り方の丁寧な説明のあと、中払さんの見本のキックの凄さに驚きの声が上がります。
サッカーの基本的なキックの仕方を学んだあとは、中払さんと先生二人、大人三人チーム対子どもたちチームの試合です。子どもたちの元気はつらつのプレーに大熱戦が繰り広げられました。応援も熱が入り、体育館中に歓声が響きます。ゴールを阻止するために知恵を絞った6年生チームの、大勢がゴール前に一直線に並ぶシフトも飛び出しました。
アスリートから児童生徒へメッセージ
夢を持ったらそれを両親や先生、友達に言葉にして伝えて下さい
言葉にすることによって自分に責任が生まれます。同時に、それを聞いた周囲の人たちは必ず協力してくれます。
やりたくない理由を探すのではなく、やらなくてはいけない理由を探しましょう
人は弱い部分も持っています。努力を続けていくなかで、「今日は疲れているな」とか「寒いからな」とかやりたくない理由を探してしまうものです。そうではなく、夢を実現するために、「自分はなぜやるのか」などやらなくてはいけない理由を考えましょう。そうすれば、自分の夢の実現に近づいていけると思います。
授業のまとめ
「Jリーガーになる夢を手に入れ、今でもサッカーにかかわる仕事をさせてもらい、幸せな人生を送っています。みなさんも、本気になるものを見つけて、自分が幸せだなと思える人生を歩んでもらいたい。人は本気になれば絶対できる、変われます。」と中払さん。熱いメッセージはみんなの心に響いたと思います。また、楽しくサッカーも学べ、子どもたちが自発的に考えることができた授業でした。