速く体を動かすメカニズムを学び、プロ野球選手が試合前におこなう体の準備を子どもたちが体験。元プロ野球選手、林昌範さんの体育の授業at Yakushima part2
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
2月29日、元プロ野球選手、林昌範さんが、鹿児島県屋久島町の神山小学校にアスリーチ!
体を動かすことが大好きな、小学校4、5、6年生45名に体育授業を行ました。
目次
訪問アスリートご紹介
林昌範さん。千葉県出身。船橋市立船橋高等学校時代から大型左腕投手として注目された。ドラフトで読売ジャイアンツに入団し活躍した後、北海道日本ハムファイターズでリーグ優勝に貢献、横浜DeNAベイスターズでは全球団からの勝利を達成した。現在は、自動車学校の役員を務めながら、野球解説者としても活躍している。
学校や地域のご紹介
神山小学校は屋久島の南側に位置し、花と緑に囲まれた美しい学校です。周辺は、丘陵斜面を利用した、ポンカン・タンカンの名産地として名高いエリアです。
実技と講話の授業
自己紹介のあと、「途中であきらめないこと。最後までやり続けること」をみんなとお約束しました。
最初に正しい走り方を身につけるため、まずは歩き方を学びます。目線をあげて歩くことによって姿勢がよくなります。その姿勢を保ちながら50%の力で走ります。腕は真っすぐタテに振ること意識します。「当たり前のことを言っていますが、なぜ目線を下げたら駄目ですか?」と子どもたちに問いかけ、「足が上がらない」「真っすぐ走らない」など積極的な子どもたちから、いろいろな答えが返ってきます。「目線が下がると、頭も下がります。人間の体で一番重い頭が、体の軸に乗っていないと速く走れません」と林さん。
また、「腕を振る時に、前の振りと、後ろの振りではどちらの振りを強く意識したらいいと思いますか?」に子どもたちの答えは半々に分かれます。みんなで立ち幅跳びをやって確かめてみました。後ろを意識した時に子どもたちから「跳べない」の声が上がり、立ち幅跳びも走るのも前の振りを意識したほうが良いことがわかりました。
スタートの仕方の時も林さんから質問が飛びます。「スタート姿勢をとった時に、体のどこの動き出しを早くしたら良いですか?」「姿勢をとった時の後ろに置いた足のつま先。腰。腕」の三択です。動作解析を分析の結果、腕だそうです。「お~」と声が上がります。走り方の基本を教わり、80%にスピードを上げ走ってみます。みんな走り方が良くなっていきました。
実技の後半は、プロ野球選手が試合前の体づくりにおこなうのと同じドリルを体験しました。ラダーを置きその上をいろいろな動作をしながら素早く跨ぐ、アジリティーを高めるゾーン。ミニハードルを跳び、瞬発力を高めるゾーン。マーカーを置き方向転換、素早い動きを身につけるゾーン。三つのゾーンを三つのグループが順番にやっていきました。
講義では、プロ野球選手で一流と呼ばれ、長くやっている選手は、試合で結果を出すための準備をすごく一生懸命やっています。と準備の大切さを話してくれました。
最後は、指名された子どもとキャッチボールのデモンストレーションがあり、授業は終わりました。
アスリートから児童生徒へメッセージ
結果を出すには準備を一生懸命やることと、その継続が大事です
準備を一生懸命やる人とやらない人では結果が変わってきます。普段できていることができなかったり、ケガをしてしまったり。準備は大変だったり、面倒だったりしますが、それを一生懸命やれるかどうか。これまでプロ野球選手をたくさん見てきましたが、最後まで一生懸命やっている選手はみんな活躍しています。これは野球に限ったことではないと思います。
そして、日々の継続も夢を実現するには重要です。みんなに与えられている時間は一緒です。24時間を大切に、計画性を持って臨んでください。
仲間を大切にしましょう
プロ野球で16年間プレーしましたが、肘の手術を2回するなど、辛い時期を過ごしたこともあります。みなさんもこれから成長していって、いろいろな経験をするでしょう。楽しい時もありますが、苦労や辛いこともたくさんあると思います。そういう時に助けになるのは両親や仲間の励ましです。この小学校で仲間と出会ったことは奇跡かもしれないので、今日ここにいる仲間を、そしてこれから出会う仲間を大切に。声をかけあいながら楽しい時間を過ごし、苦しい時も乗り切ってください。
授業のまとめ
体を速く動かすことを理論的に学び、体験した授業でした。
「びっくりするぐらい良く動けていました。」「初めてやったドリルや中には興味のないものがあったと思いますが、一生懸命やってくれて嬉しかったです」と林さんからコメントがありました。