「正しい姿勢で足の速さにつなげよう!」 陸上800m元日本記録保持者 徳田由美子さんの熱血指導
上長崎小学校5年生1・2組6年生1・2組計98名に大きな拍手で迎えられた徳田さん。明るく楽しく授業を行い、あっという間の2時間となりました。
目次
訪問アスリートご紹介
徳田由美子さん。埼玉県出身。
1992年の日本陸上競技選手権大会800mを優勝し当時の日本記録を樹立。
現在では世界陸上連盟公認コーチ資格を持ち、キッズからシニア世代まで教室や個人レッスンを開き普及活動を行っている。
学校や地域のご紹介
長崎市にある上長崎小学校。
上長崎小学校は、令和元年から体育科教育の研究に積極的に取り組んでおられます。5年目となる今年度はこれまでの教育実践が高く評価され、学校体育研究最優秀賞として「文部科学大臣賞」を受賞されました。そんな上長崎小学校で体育の授業を行いました。
グラウンドや体育館には子供達が積極的に体を動かせるように、ゲームが数箇所設置されていました。子供たちも登校時や休み時間の際にも、遊びながら身体と頭を使って楽しく運動ができます。
実技と講話の授業
まずは講話からスタートしました。
陸上競技について、どんな種目があるのか、各種目の特徴や記録がどれくらいなのか、などついてのお話がありました。100m世界記録保持者のウサインボルト選手の話がではみんな興味津々。ウサインボルト選手の走っている最中の歩幅をメジャーで測って実際に見てもらうと、「一歩でこんなに進むのか!」と子どもたちだけではなく、先生方も、とても驚いた様子で授業も盛り上がります。
講話が一通り終わると次は実際に体を動かしていきます。まずはアクティブウォーミングアップです。まずは身体全体を使って全力じゃんけんを行い、体と頭を温めていきます!
全身を大きく使ってグー・チョキ・パーを表現します!
躍動感のある写真から見て取れるように、ニコニコ笑顔でウォーミングアップを楽しみました。
次は、徳田さんが指定した数字でグループをできるだけ早く作ります。
競争とあって、他のチームに負けないように、滑り込んだり、抱き合ってチームを作ったりと大盛り上がり。みんなでしっかりコミュニケーションも取れ、体育館中に明るい声が響き渡ります。
ウォーミングアップが十分にできたところで、実技に入ります。
陸上競技のみならず、日常の生活や、他の競技にも活かすことができる、姿勢や走り方で意識するポイントなどを説明しながら実技を行いました。
陸上競技では大切とされている前傾姿勢についてのお話があり、正しい前傾姿勢で走ることで、早く走るためのコツも教えていただき、子どもたち同士も協力しながら、実際に前傾姿勢がどのような状態を指すのかを体感していきます。
デモンストレーションを交えながらの指導で、徳田さんにもどんどん熱が入ります。
その後はグラウンドへ移動し、授業後半も様々なトレーニングを行いました。
開放的な場所に移り、山の斜面に住宅やマンションが並んでいる、長崎らしい風景を徳田さんも楽しみながら、子どもたちの気持ちも開放的に。様々なトレーニングで体を動かしていきます。
地面を蹴って早く戻す「反発」の練習や姿勢をまっすぐなまま膝が曲がらないようにジャンプする「姿勢」を意識した練習、後ろに「大きく早く手を振る」練習など、子どもたちは様々なトレーニングメニューを元気いっぱい体験しました。
その後はいよいよ走りの「実践」トレーニングへ。
これまで行ったトレーニングを振り返り、実際の走りの中で身体に、頭に、と落とし込んでいきます。
速く走るコツについて、足の回転が速いまま、ピッチを上げることが重要と、徳田さんがデモンストレーションを披露してくれました!子供たちも実際の徳田さんの走りのスピード感に驚きの表情に。
樹上終盤では、実際に速くなったと体感している子供が多く、「やってよかった!」「先生のおかげだよ!」「ありがとう!」という声が聞こえ、こちらもとても嬉しくなりました!
実技の最後には質問タイムが設けられました。
スタートダッシュのやり方についての質問に対して、細かくポイントを伝授していただきました。子どもたちも頷きながら興味津々です。
アスリートから児童生徒へメッセージ
なぜ陸上競技を始め、日本記録樹立を達成できたのか、夢に向かって一生懸命チャレンジした徳田さんのこれまでの経験に基づいたストーリーが詳細に語られました。
伝えたこと①
姿勢を良くすることは日常生活にもいい影響を与える。
講話中や授業中に何度も口にしていた「姿勢」のお話。陸上競技の中ではもちろん、日常生活にもいい影響をもたらします。
日常生活の中では「気持ちがポジティブに、前向きになれる」「酸素が一杯入ってきてものすごく気持ちいい」「姿勢をよく、楽しく体を動かそう!」と話されました。
伝えたこと②
「夢」は出会うから、今なくてもいいんだよ。
夢は持たなきゃいけない、目標設定が大事、だよと言われるけど、なかなかみつけることは簡単ではありません。その中で徳田さんは、「今はなくてもいいんだよ、いつか出会うから!」と優しさに溢れたメッセージと共に、「見つけたら、勇気を出して一歩踏み出してみること、少しでもいいからチャレンジすることが大切。」という力強いアドバイス。勇気を持って飛び込んでみる、チャレンジ精神が大切。
失敗を恐れず、その世界に飛び込んでみることで新しい景色が待っています。
授業のまとめ
早く走る秘訣や、その為に意識することなど、トップアスリートからの生の声を聞くことができた、貴重な授業でした。