
アスリーチ「絶海の孤島編その①」 鹿児島港から船で5時間。ボクシング元世界王者・岡澤セオンさんが全校20名の小中学校で明るく楽しい体育授業!
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
今回は、ボクシング2大会五輪出場で元世界王者・岡澤セオンさんが、鹿児島港から船で5時間以上かかる離島・黒島の三島村立大里学園にアスリーチ!
全校の小中学生20名に「体を動かすことの大切さ」を伝え、心と心の交流をしました。

鹿児島港を朝出発。フェリーは三島村を構成する3つの島、竹島、硫黄島を通過し黒島に向かいます。途中、硫黄島の絶景には岡澤さんも時を忘れて見入ります。

そして日も傾きかける頃、黒島に到着。大里学園のある大里港を過ぎて最終港の片泊港に着くと、今回の2番目の訪問先である片泊学園の児童生徒がジャンベと呼ばれる太鼓の演奏とダンスでお出迎えをしてくれました。

翌朝。小学1年生から中学3年生まで、総勢20名の児童生徒たちが待ちに待った授業。2つのチャンピオンベルトをもって岡澤さんが入場すると、どよめく大里の子供たち。まず自己紹介です。ご自身の名前が本当はとても長いエピソード(岡澤セオンレッツクインシーメンサ)で、子供たち大爆笑。いきなり子供たちの心を掴みます。そしてプロボクシングとボクシング競技(アマ)の違いを説明。先生方からも、へぇー、そうなんだ、という声が漏れます。

ここから実技!ボクシングが盛んなウズベキスタンで行われているウズベク体操で体をほぐします。そしてボクシング日本代表選手もやっているという手押し相撲、さらに手を握りあっての崩し合い。ボクシングの要素である駆け引きやボディバランスを遊びで学びます。

そして、いよいよボクシングの動きです。ジャブ、ワンツーの基本。そしてステップワーク。
組み合わせて、ステップをしながらパンチの動き。疲れるくらいまでたっぷりと行って、実技を終えました。

そして講話です。何の興味もなかったボクシングを、高校での強引な勧誘で始めた話から、「人生どこでなにがあるか分からない」ということを児童生徒たちに伝えます。みんなも、もしかしたらノーベル賞を取るかもしれない。もしからしたら歌手になれるかもしれない。全員にあらゆる可能性があるから学校でやるすべてのことに真剣に向き合ってほしいと伝えました。
そして、才能の開花の瞬間はいつ来るか分からないので、やりたくなくなるまでは諦めずにやり続けてほしい、と話しました。

自分の才能ややりたいことはどこにあるか分からないし、いつ才能が開くかわからないので、あらゆることにアンテナを張り巡らせてほしい。東京、パリで8年間頑張ってメダルが取れなかったが、失敗したことをカッコ悪いとは思っていないこと。みんなも失敗を怖がらずに挑戦してほしいと伝えて講話を終えました。

翌朝。鹿児島に向けて片泊港を出た船が大里港に入ると、全児童生徒そして先生が揃ってお見送り。ジャンベとダンスで船を迎えます。

ここで急きょフェリーを降りた岡澤さん。前日に片泊学園で教わったジャンベ演奏を児童生徒とコラボして別れを惜しみます。

「あしたよな」は、また明日あいましょうという意味だそう。出航ギリギリまで別れを惜しみます。
やがて時が訪れ港を離れるフェリー。子供たちは岸壁の先まで走ってフェリーを追いかけます。岡澤さんも子供たちの姿が米粒のように小さく見えなくなるまで、「あしたよなー!」と叫びながら手を振り続けます。

東京を出てから島に着くまで2日。離島にリーチした岡澤さんの熱意は、大里学園の児童生徒たちに深く沁みていました。

