
アスリーチ「絶海の孤島編その②」 鹿児島港から船で6時間!絶海の孤島・黒島でボクシング元世界王者岡澤セオンさんが全校18名の小中学生へ明るく楽しい体育授業!
アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
今回は、ボクシング2大会五輪出場で元世界王者・岡澤セオンさんが、鹿児島港から船で6時間かかる離島・黒島の三島村立片泊学園にアスリーチ!
豊かな自然の中で学ぶ小中学生18名に「体を動かすことの大切さ」と「将来への無限の可能性」を伝えました。

鹿児島港を朝出発。三島村を構成する島々、竹島、硫黄島を通過し、最終目的地の黒島・片泊港へ。
日も傾きかけた中、港では片泊学園の児童生徒がジャンベと呼ばれる太鼓の演奏とダンスでお出迎えをしてくれました。

翌日。午前に、同じ黒島にある大里学園での授業を終えた岡澤さんが片泊学園に到着。見事に晴れ渡った空のもと、グラウンドにセオンさんが登場し、まず自己紹介です。ご自身の名前が本当はとても長いことを紹介。楽しいトークに子供たちも大盛り上がりです。
続いて、質問形式でプロボクシングとボクシング競技(アマ)の違いを説明。セオンさんの質問に対してたくさんの回答が飛びました。

ここから実技!ボクシングが盛んウズベキスタンで行われているウズベキ体操で体をほぐします。
そしてボクシング日本代表選手もやっているという手押し相撲、さらに手を握りあっての崩し合い。ボクシングの要素である駆け引きやボディバランスを遊びで学びます。動く遊びには運動要素がたくさんあるので考えながら遊びましょう、というメッセージを送りました。

そして、いよいよボクシングの動きです。ジャブ、ワンツーの基本。そしてステップワーク。

組み合わせて、ステップをしながらパンチの動き。セオンさんのフェイントにひっかかり続けて、なかなか終わらず、たっぷりと行って、実技を終えました。

屋内に移動して講話です。何の興味もなかったボクシングを高校での強引な勧誘で始めた話から、「人生どこでなにがあるか分からない」ということを児童生徒たちに伝えます。全員にあらゆる可能性があるから学校でやるすべてのことに真剣に向き合ってほしいと伝えました。
そして、才能の開花の瞬間はいつ来るか分からないので、やりたくなくなるまでは諦めずにやり続けてほしい、と話しました。

自分の才能ややりたいことはどこにあるか分からないし、いつ才能が開くかわからないので、あらゆることにアンテナを張り巡らせてほしい。
東京、パリで8年間頑張ってメダルが取れなかったが、失敗したことをカッコ悪いとは思っていないこと。みんなも失敗を怖がらずに挑戦してほしいと話しました。
パリ五輪の後、一度は引退を決めたものの、アスリーチで子供たちに「いつ開花するか分からないから諦めないでほしい」と伝えていることが嘘になると引退を撤回したことを伝えて、講話を終えました。

この日は放課後、三島村の全学校が取り組んでいる「ジャンベ」と呼ばれるアフリカの太鼓の教室があり、岡澤さんも飛び入り参加。約1時間みっちり練習します。父がガーナ出身の岡澤さん、ガーナでも演奏されるジャンベに「ルーツに触れた気がする。とても昂揚しますね」と終始ノリノリでした。

そして翌朝、片泊港でお別れの時。朝早くにもかかわらず児童生徒・そして先生方が港に集まってお別れの会を開いてくださいました。

出航時、カラフルな紙テープをお互いにもって別れを惜しむ岡澤さんと児童生徒たち。やがて船が港を離れると、徐々にテープが切れていきます。「寂しいなあ」とつぶやいた岡澤さん。
警察も消防もいない、病院もない、商店も1つもない黒島。しかし、自然に囲まれた豊かな環境で学ぶ子どもたちとの交流は、片泊の子どもにも現役アスリートにも、心に深くリーチしていました。

