2024パリパラリンピック出場を目指す山岸英樹さんに美しく力強い走り方を学ぶアスリーチ授業!

2024パリパラリンピック出場を目指す山岸英樹さんに美しく力強い走り方を学ぶアスリーチ授業!

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
11月20日、2024年パリパラリンピック出場を目指す山岸英樹さんが、和歌山県和歌山市立山東小学校にアスリーチ!
スポーツで大事な下半身の使い方を学び、力強く走ることを目標に体を動かしました。

山岸さんの的確でわかりやすい説明に2、3年生40名の生徒さんも真剣に取り組みました。

訪問アスリートご紹介

山岸英樹さん。石川県生まれ。12歳の時に受けたてんかんの手術後に左半身麻痺状態になる。その後にハードなリハビリを続け、障がい者野球界のエースとして活躍するまでになり、障がい者野球全国大会ベスト4の成績を収める。2021年よりパラ陸上競技にも挑戦し、2024パリパラリンピック出場を目指しています。

学校や地域のご紹介

和歌山県立山東小学校は日本の民営鉄道初の猫駅長「たま」で有名な和歌山電鉄の貴志駅まで16分ほどの吉札駅から徒歩10分。のどかな山あいにたたずむ歴史ある小学校です。
近くではぶどうやタケノコが採れ、地区のゆるキャラはたけのこまんです。

実技と講話の授業

前半の講話では、山岸さんが頭の手術で半身に麻痺が残ったこと、それまで人より運動は得意でなんでもできるという気持ちがあったから、動けないことが悔しくてリハビリで動けるようになりたいという強い気持ちでここまで乗り越えられたことを話してくれました。3年生は国語の教科書でパラ選手のことを学んでおり、直接体験を聞くチャンスに耳を傾けていました。

後半はスポーツで大切な下半身の使い方を身に付けることを目標に、まずは股関節まわりの筋肉をほぐしていきます。前屈して足先、足の内側、外側をタッチ。ももを引き上げ、足を後ろに蹴りだし、スキップしながら股関節を回す。ぐるりと回したらバランスをとって右手を前、左足を後ろにして右足一本でピタリ。
みんな頭と体をフル回転させてポーズをとります。

その後も股関節まわりの骨を動かしながら歩くことを体感してもらうために、お尻歩きや、ジャンプしてグッと腰を落とす動きなどをやってみました。

速く走れるようになるためには、ももを上げ、おろすときに力を入れて地面から力をもらうイメージと教えてもらい、みんな力強く床を踏みしめながら走ります。
教わったことを意識して走ってみると「いつもより早い!」「走りやすい!」と生徒さんたちもびっくり。山岸さんは「すべてのスポーツにとって下半身の動かし方は重要だし、歩き方や姿勢を気にすると年をとってもきれいな体になります」と話してくれました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

自分にできることを考えてみよう

私は障がいを負って思うように体を動かせないことがくやしくて、自分の体について徹底的に調べました。体を動かすことが好きだったし、もう一度スポーツを楽しみたいという強い気持ちがあったからです。みなさんも好きなことや、なりたい夢ができたら、それについて突き詰めて考えてください。そうすると今できること、今やるべきことが見えてきます。

ネガティブに考えない

今でも全く障がいのない人と同じように運動できるわけではありません。私はそれを“個性”と受け入れてさまざまなことにチャレンジし、今もパラリンピックを目指しています。そしてこうしてみなさんと一緒にスポーツもできます。できない、と否定的に考えるのではなくチャレンジできることをどんどん探していくようにしてほしいです。

授業のまとめ

先生から「3年生はちょうど学習している内容の理解を深める体験ができた」という感想をいただき、生徒たちからも「山岸さんがすごい!かっこいい!」「本当に早く走れるようになった」という言葉がたくさん聞かれました。みんなで運動を楽しむ体験を今後に生かしてほしいですね。

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