目標と仲間を大事に!元Vリーガー・大山未希さんの特別体育授業

目標と仲間を大事に!元Vリーガー・大山未希さんの特別体育授業

アスリート全国学校派遣プロジェクト『アスリーチ』。
12月5日、元バレーボール選手の大山未希さんが、茨城県にある常陸太田市立峰山中学校にアスリーチ!

前半は中学2年生に楽しんでもらえるようバレーボールの授業。後半は全校生徒が集合して、大山さんがバレーボールを通して学んだ教訓をお話してくれました。
プロが丁寧に教えるテクニックや楽しいミニゲームに、生徒たちも元気に目一杯楽しんでいました。

訪問アスリートご紹介

大山未希さん。”パワフルカナ”と呼ばれた大山加奈さんの妹。
小学校5年生の時に全日本バレーボール小学生大会(ライオンカップ)で優勝し全国制覇してから、中学、高校そして Vリーグなどで通算 19 回の日本一を経験しました。
現在はバレーボールの普及活動をしています。

学校や地域のご紹介

J R水戸駅から電車で約10分。のどかな景色が広がるなかに峰山中学校が佇んでいました。
玄関口には、大山さんのプロフィールが大きな張り紙に。全校生徒が大山さんの講話に参加するということで、生徒たちにしっかりと大山さんをお知らせしてくださってました。

校舎は縦に長く廊下は約100m。運動部が外で練習できないときは、廊下を雑巾掛けで駆け抜けるのが雨天練習の名物だとか。
体育館も2階建て構造で、2階には卓球部がいつでも練習できるよう卓球台が常設。運動部への環境整備や力の入れ具合が伺えました。

実技と講話の授業

この日の特別授業は3時間目からスタート。
授業を受ける2年生57名を、大山さんが体育館でお出迎えしてくれました。

授業がはじまると、大山さんからご挨拶がわりにスパイクを披露。
担任の先生がレシーブ役。真正面から強烈な勢いと音で飛んでくるスパイクに、先生も腕に当てるのが精一杯。

生徒の中にバレーボールクラブに通っている男子がいるということで先生と交代。
大山さんのスパイクを待ち構え、鮮やかに受け止めた様子を見て生徒一同「おぉ〜!」と歓声が起きました。

デモンストレーションを終えて実技の授業がスタート。
高く投げながら手を叩いたり、背面キャッチ、お手玉のように手を入れ替えたりと、ボールを使って準備運動。
「どんなスポーツでも肩まわりが柔らかいと可動域も広がるし、肩こりも解消されるから運動が得意じゃない子も適度な運動が大事です」と、運動することの大切さを伝える大山さん。

少し面白い練習方法も。ボールを2つ用意して、地面にバウンドさせたボールを、手に持った別のボールの上に優しく乗せたままバランスを取る練習。
これはバレーボールでレシーブするとき、飛んでくるボールを腕で跳ね返さず、優しく受け止める練習にも繋がるのだそうです。

大山さんを見てると一見簡単そうなこの練習。いざ挑戦してみると、ボールが跳ね返ってしまい、なかなかお手本通りとはいきませんでしたが、生徒たちは楽しそうに何度も挑戦していました。

体が温まったところで次はバレーボールのパス練習。
生徒たちは大山さんを囲んで輪になり、基本動作であるオーバーパスとアンダーパスについて、構え方から丁寧に説明を受けました。
さらに今回は中学生たちに楽しんでもらえるよう、大山さんからスパイクの打ち方も披露。

相手役としてお手伝いしてくれた女子バレー部員の生徒とスパイクを打ち合う大山さん。
2人のスパイクの違い、打つまでの構え方などひとつずつ紐解きながら、生徒たちに教えてくれました。
お手伝いをしてくれた女子生徒も、目の前でプロが教えるテクニックを真剣な表情で見ていました。

パスとスパイクを一通り教えたところでミニゲームを開始。
3人組を作ってコートに散りばめ、制限時間内にコート内での総当たり戦を実施。

「バレーボールはひとりでは勝てないゲーム。チームのメンバーと息を合わせてボールを回すことが大事なスポーツです。」

はじめは誰がボールを取るのかと互いに尻込みしていた生徒たち。教えてもらったテクニックを確認しながらゲームを進めていくと徐々にアグレシッブさが増し、ボールを最後まで追いかける生徒や、相手コートにスパイクを決める生徒も出てくるなど、教えてもらったテクニックを使って楽しんでいました。

楽しいゲームの時間はあっという間に過ぎ、気がつくと体育館の2階には、大山さんの講話を聴きにやってきた1年生や3年生が集まっていました。

授業の終盤、全校生徒を体育館に集めて講話の時間。
中学3年生のとき、大きな大会で悔しい想いをした話や、そこから学んだチームワークについてお話をいただきました。
生徒たちと同じ歳の頃に経験した大山さんのエピソード、部活動やグループ行動にとても大事な教訓を教えてくれました。

アスリートから児童生徒へメッセージ

同じ目標を一緒に頑張る仲間を作ってほしい

中学3年生のときに主将を務めたとき、副将の子と仲が悪く、チームワーク良好とはいえませんでした。それにより中学最後の大会で敗退。「自分たちが作ったムードのせいで勝てなかった」と酷く落ち込みました。高校でもその仲の悪かった子と同じバレー部に入部しましたが、同じことを繰り返さないよう、お互い協力して高校3年間最後まで一緒に戦いました。大人になった今でも彼女とは良き親友です。

結果が伴いませんでしたが、一緒に頑張った仲間ができたら、のちの人生で困ったときに助けてくれる大きな財産となります。だから仲間と一緒にいろんなことにチャレンジしてください。

授業のまとめ

講話を終えて最後に、大山さんのスパイクを受けたい生徒を募集しました。
女子バレー部の生徒たちが出てくると、元気な3年生の男子グループも挑戦。皆のチャレンジ精神に授業の締めは盛り上がりを見せ、この日の授業は終了となりました。

授業を終えて控室に戻ると担任の先生が大山さんにお礼のご挨拶。
「普段は大人しい生徒たちですが、この特別授業ではいつもと違って楽しんでいる様子を見ることができました!」と先生も大喜び!

この日の授業で、仲間と一緒にスポーツを楽しむこと、そしてかけがえのない仲間を作る大切さが、今後の生徒たちのチャレンジ精神に火を付けるきっかけとなったに違いありません。

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