サッカーのトレーニング・練習後に取り入れたいストレッチのやり方・方法
この記事では、サッカーをするお子さんのいるお父さんお母さん、保護者の方向けに練習後のクールダウンのためのストレッチの方法や注意点を紹介しています。プロのコーチも子ども子供のうちから、トレーニング後は、ストレッチでしっかりと体をほぐし疲れを残さないよう習慣づけることが大切だと考えています。ぜひ運動後のクールダウンの参考にしてみてください。
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目次
トレーニングや練習後にストレッチが必要なわけ
サッカーの練習だけでなく、体育の授業や体を動かす習い事など、運動をする前や後には必ずストレッチをするように指導されます。「ストレッチは重要」となんとなく理解していても、具体的にはどんな効果があるのでしょうか?
ストレッチとは?
厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」*ではストレッチを以下のように説明しています。
「ストレッチングとは意図的に筋や関節を伸ばす運動です。体の柔軟性を高めるのに効果的であり、準備運動や整理運動の一要素としても活用されています。」
*厚生労働省生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」 「ストレッチングの効果」から部分引用
ストレッチの目的
ストレッチの目的は主に以下の5つが考えられます。
- 体の柔軟性を高める
- 関節の可動域を広げる
- ケガの予防
- パフォーマンスの向上
- 代謝アップ
ストレッチをすることで、筋肉や関節の動きがスムーズになり、パフォーマンスが上がると同時に体の動きが安定し、ケガの予防につながったり、血流やリンパの流れが促され代謝アップにつながります。
ストレッチをやらないことによる弊害は?
一方で運動の前後でストレッチを十分にしないと、以下のようなことが起こる危険性があります。
・運動前のストレッチをしないと?
ストレッチをしないまま急に体を動かそうとすると、筋肉が収縮して硬いままだったり、関節の動きが悪かったりします。すると思ったように体が動かずケガをしたり、動きづらい場所をかばって別の部位に過度な負担がかかり、痛みや不調につながってしまう可能性があります。
・運動後にストレッチをしないと?
運動中は筋肉が大量の血液を必要とします。そのため筋肉に多くの血液がたまっている状態です。運動を急にやめてしまうと筋肉に溜まった血液がそのままになり、体が貧血状態になってしまいます。また、血液やリンパの流れが滞り、疲労も蓄積してしまいます。
サッカーのプロコーチに聞く!クールダウンの重要性
ここまでは一般的なストレッチの目的やストレッチをしないことによる影響を紹介してきました。ここからは、サッカーのプロコーチ3名に聞いた、サッカーのトレーニング後のストレッチの目的やその重要性をお伝えします。
けがの防止
「サッカーのトレーニング後のクールダウンやストレッチはケガをしないために必要です」と答えるのは、中村圭伸コーチ。練習後は、主に静的ストレッチで筋肉の疲労を軽減させることが大切とのこと。疲労が蓄積されればケガにつながりやすくなると話しています。
関節の柔軟性
「運動時には、特に股関節や肩甲骨など大きな関節を使います。これらの関節はストレッチしなければ硬くなりやすいため、運動後は重点的にほぐし柔軟性を保つようにすることが大切です」と答えるのは、櫻田真平コーチ。
疲労をためない習慣を
疲労をためないためには、運動後のクールダウンを習慣にすることが大切と話すのは櫻田未来コーチ。小学校4~6年生になると、成長期に伴う体の変化や不調を訴える選手が多いそうです。「早い段階からその日の疲れをリセットする意識を本人が持つことは選手としての土台作りに繋がる。特に股関節のストレッチは重要です」とのことです。
サッカーの疲労軽減、けが防止のためのクールダウンのストレッチ方法3選
運動後のクールダウンの手段として一般的なのが、「静的ストレッチ」です。静的ストレッチは、反動や弾みをつけず筋肉をゆっくり伸ばしたり、伸ばした状態を維持するストレッチです。
①お尻・足裏全体を伸ばすストレッチ
サッカーは、ほかのスポーツに比べて特に脚を使うため、疲労が脚に残ることが多いです。疲れが残ると、翌日以降のパフォーマンスの低下やケガのリスクが上がるため、練習後すぐにストレッチをしておくと良いでしょう。
実際にストレッチをしてみましょう
難易度:易しい
- 右足を左足の前にクロスさせた状態で、ゆっくりと上半身を前に倒します。(前屈の姿勢)
- 5秒程前屈した状態をキープします。
- 上半身を上下にゆっくりと5回揺らします。このとき、後ろの左足の膝を曲げないようにしましょう。
- 5秒キープの後5回揺らす動きを2セット繰り返します。
- 一度上半身を起こしたら、今度は左足を右足の前にクロスし、同じように前屈します。
- 膝を伸ばした状態で、前屈し、5秒キープしたら、上半身を上下にゆっくりと5回揺らします。
- 5秒キープの後5回揺らす動きを2セット繰り返します。
お尻・足裏全体を伸ばすストレッチのポイント
お尻から足裏全体を伸ばすことで、筋肉の疲労を和らげるストレッチです。クロスさせた脚の膝を曲げないように前屈しましょう。
②ふくらはぎとアキレス腱のストレッチ
練習後に疲労を感じやすいふくらはぎ。それだけ負担がかかっているため、しっかりとストレッチしてケアする必要があります。
実際にストレッチをしてみましょう
難易度:易しい
- 正座した状態から、右足の膝を立てます。
- 立てた右足のかかとをできるだけ自分のお尻の方向へ近づけ、両手で右ひざを抱え込むようにして体重を前のほうにかけていきます。
- ゆっくり10~15秒程キープしましょう。
- 反対の脚も同様に行います。
ふくらはぎとアキレス腱のストレッチのポイント
体重を前にかけるとき、曲げている脚のかかとが上がらないように気を付けて、立てた脚のふくらはぎがのびているのを感じましょう。
③腹筋と広背筋のストレッチ
脚だけでなく、腰やお尻、背中や腹筋など、全身をゆっくりとストレッチするよう心がけましょう。
実際にストレッチをしてみましょう
難易度:易しい
- うつ伏せになって、脚を腰幅に開き、足の甲を床につけます。
- 腕を胸の横へ置き、脇を締めます。
- 息を吸いながら、両手で床を軽く押しながら上半身をゆっくりと起こします。
- 胸を天井に向けて肘を伸ばし、上半身を反らします。目線は天井に向け、ゆっくりと呼吸を整えます。
- 床に膝をつき四つん這いの姿勢から、両手をつけたままお尻をしたに下ろしていきます。
- 腕は伸ばした状態でおでこを床につけ、背中を伸ばしていきます。
腹筋と広背筋のストレッチのポイント
前半は腰に負担がかからないよう、背中を逸らしすぎないように気を付けましょう。後半、背中を伸ばすとき、できる方は目線を少し上げておでこではなくあごから地面に近づけるようにすると広背筋がより伸びていきます。
トレーニング・運動の後の効果的なストレッチのポイント
クールダウンのためのストレッチは、タイミングや時間などより効果的に行う方法や、逆に、気を付けなければ効果が半減することもあるため、ポイントを押さえて取り組みましょう。
効果的なクールダウンのポイント
①軽い有酸素運動を取り入れる
運動を終えた後は、軽くジョギングしたり歩いたりする有酸素運動を取り入れることがおすすめです。酸素を体が取り込むことで血液の循環を促し疲労回復につながります。少しずつ動きをゆっくりにすることで、体を休息モードに切り替えることができます。激しいトレーニング、軽いジョギングかウォーキング、ストレッチの順に行うと良いでしょう。
②トレーニングや運動後10分以内に行う
トレーニング後はすぐにクールダウンに入りましょう。体が温まった状態だと筋肉も緩み、伸びやすくなります。逆にすぐにストレッチせず時間が空いてしまうと、体が冷えて硬くなってしまう上、体が休息状態に入り効果が得られにくくなってしまいます。
③負荷は「強」からはじめ徐々に弱く
ストレッチのはじめは、運動により硬くなった筋肉をほぐすように負荷をかけてしっかりと行います。体がほぐれてきたら徐々に負荷を弱めて行きます。自分の体に耳を傾け状態に合わせて負荷を調節しましょう。
④ストレッチの目安は15分程度
クールダウンのストレッチは体を休息状態にもっていくようゆっくりと丁寧に行います。ただし、長すぎると体がなかなか休息に入れず、逆に余計に疲れてしまうことがあるため、長くても15分程度にしましょう。
ストレッチの際の注意点
①反動をつけない
ストレッチをするときは反動をつけずに筋肉をゆっくり伸ばし、「静止」する時間を取ることを意識します。
②痛みが出るまで伸ばさない
痛みを感じるのは伸ばしすぎです。各部位30秒~と自分が気持ち良いと感じる程度の間行います。痛みを感じたら緩めましょう。
③呼吸を止めない
呼吸をしていないと、体が緊張し筋肉を緩めることができません。ゆっくりと深い呼吸を意識してリラックスした状態でストレッチを行いましょう。
サッカー後はポイントを押さえたクールダウンを
この記事では、ストレッチの重要性、特にサッカー後のクールダウンのためのストレッチの重要性や、効果的に行うポイント、注意点をお伝えしました。十分にクールダウンしておかなければ、疲労が溜まってパフォーマンスが落ちたり、ケガにつながったりする危険性があります。特に成長期のお子さんは体の変化が大きく、しっかりとクールダウンして体をストレッチし、しっかりと休ませる習慣をつけておかなければ、体の痛みや不調を感じてしまうかもしれません。選手として活躍したり、また長くスポーツを楽しむためにも、毎日の運動で体をいたわる習慣を早いうちから身に付けられると良いですね。
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