苦手克服!かけっこ短距離走が絶対速く走れるようになる!個別レッスンで学ぶプロの練習方法
この記事では、かけっこの苦手な子どもをお持ちの保護者の方向けに、速く走るための練習方法や、指導のポイント、集団指導と個別指導の違いやメリットを解説しています。オリンピック出場経験のあるコーチなど、走りのプロコーチ10名へのアンケートを踏まえ、今日から使える充実した内容になっています。速く走れるようになると、お子さんもかけっこや体育の授業が楽しくなったり、走ることに自信を持てるようになるかもしれません。
目次
自分の子どもは「かけっこが遅い!?」その原因は?
かけっこは、体育の授業でも運動会でも必ず行われる種目です。親としても、子どもがかけっこで速く走ると誇らしいですし、遅くて苦手意識をもっていたら、体育の授業や運動会が嫌になってしまわないか心配・・・。できることなら速く走れるようにして自信をつけさせたいと思いますよね。
そもそもかけっこが速い子、遅い子にはどんな違いがあるのでしょうか?まずは原因を探ってみましょう。大きく3つ考えられます。
①走る姿勢
腕の振りや、ももの上げ方が不十分で足が前に出ずに空回りしてしまう、首が左右に振れてしまう、前傾姿勢になりすぎている、目線がずっと下を向いている・・・など、走るときのフォームのせいで上手く走れていないことが考えられます。
②体力
最後まで全力で走り切る体力が十分についていない可能性もあります。体力がないと、途中で疲れて失速につながります。
③体を動かす体験不足
子どもは鬼ごっこやボール遊びをすることでさまざまな体の動かし方を経験し、無意識に上手な体の使い方を学んでいるのです。しかし、スポーツ庁の令和3年の全国体力・運動能力・運動習慣等の調査*では、小中学生の運動時間が減っているという結果に。
また、インドアの習い事をする子どもも多く、外で自由に遊ぶ機会が減ってしまい、遊びの中で得られる体を動かす経験が不足していることも原因のひとつと考えられます。
(*)令和3年度全国体力・運動能力・運動習慣等調査の結果(概要)について
苦手意識がもたらす悪影響とは?
子どもがかけっこに苦手意識を持ってしまうと、みんなの前で走りたくない、体育の時間が楽しくない、みんなとの鬼ごっこなどの遊びにも参加しづらい・・・など、体を動かすこと全般に関してどんどん消極的になってしまうことも。かけっこに苦手意識を持つことはどんな影響があるのでしょうか?
楽しくない
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、好きで楽しければ、もっと練習したい、もっと速く走れるようになりたいと、好循環が生まれます。
しかし、頑張っても速く走れないと、そもそも楽しいと感じられないかもしれません。それでもみんなと同じように練習しなければならないと思うと、ますます嫌になってしまうばかりです。
集団の練習が苦手に・・・
一度芽生えたかけっこへの苦手意識は、払拭するには時間がかかり、克服には工夫が必要です。なぜなら、苦手意識があると人前で走る練習をすることが嫌になってしまいます。練習をしなければいつまでたってもかけっこが上達しないため、苦手意識を克服できません。
プロ直伝!かけっこを速く走るための練習のポイント
ではかけっこを速く走るためのコツはなんでしょうか?かけっこが苦手な子どもには共通する特徴があるのでしょうか?家庭で教える場合の練習のポイントや1回の練習時間、頻度などをプロコーチに質問してみました。
プロコーチが教えるかけっこの苦手な子どもの特徴
かけっこの苦手な子どもの特徴として、多くのコーチが「姿勢の悪さ」を挙げています。前傾姿勢が強すぎたり、かかとやつま先で着地したり、下を向いたままなど、さまざまな姿勢の悪さがかけっこが苦手になる原因として指摘されています。そのほか、緊張で力みすぎて腕の振りや足の回転がスムーズにいっていないこともかけっこが苦手な子どもの特徴といえるようです。
100m走元日本代表の菅野優太コーチによると「かけっこが苦手な子どもに多く見られる特徴は軸がなく体幹が弱いこと。いわゆる体がふにゃふにゃ抜けて走っているケースが多い印象です」とのこと。そのため菅野コーチは、縄跳びなどを使った体の軸づくりや力の入れ方の練習が必要と考えているそうです。
プロコーチが個別指導で教える内容とは?成功事例も紹介
「初回は、姿勢・腕振り・もも上げ・スタートの4つを中心に練習を行います。集団だと走ることを中心に練習し、競争したり遊びのメニューが多くなりますが、個別の場合はこの4つの技術練習を細かく説明しながら行います」と話すのは、走り高跳びのU20日本記録保持者である中澤優コーチ。
具体的な成功事例を教えてくれたのは、スピード・ジャンプ系トレーニング指導を得意とするプロトレーナーである佐藤嵩瑠コーチです。指導前の子どもの課題は「左右の足で接地位置に差があり、左足はうまく土踏まずの中央で接地できているが、右足は足の外側で接地してしまっていた」そうです。そのために以下の練習を取り入れました。
- 縄跳び(前跳び)で両足での接地位置の確認・修正
- 片足でのケンケンを行い、左右での感覚の違いを確認(※右足の土踏まず中央部での接地感覚を掴む)
- マーカーを足の真ん中で踏む動作で接地の修正
これらの練習をしたことで、この子どもの50m走のタイムは8.7秒から7.9秒に上がったそうです。
プロコーチが心がけている「練習のコツ」
短距離走を速く走るトレーニング方法として、10人中9人のプロコーチが「鬼ごっこ」と答えています。その次に多かったのが、大きく、速く、ペース良く振るといった「腕の振り方の練習」です。
そのほかおすすめのトレーニング方法としては、「もも上げ」「スキップ」「ジャンプ」「両足・片足でのケンケン」などです。どれも遊びながら練習できるメニューです。走るための専門的な練習だけに特化するよりも、まずは「遊び」感覚で楽しく運動することが大切であり、総合的な身体能力の向上を計ることが大切といえるでしょう。
プロコーチが心がけている「教えるときのコツ」
子どもへの教え方のコツとして一般的なもの中から、特にコーチが大切だと思う項目を選んでもらった結果は以下のようになりました。
1位:「楽しみながら行うこと」
2位(同率):悪い例、良い例を見せる
2位(同率):過密に練習をしない
そのほかの意見としては「楽しく行うこと。子どもたちがイメージしやすいように、専門的な表現ではなく身近なものを例に挙げる」と答えてくれたのは、陸上歴15年・7種競技選手の南野智美コーチです。
「日常生活への習慣化が大切」と語るのは、400メートル、1600メートルリレー選手としてオリンピック出場経験のある、渡邉高博コーチです。
遊びの中に取り入れたり、日常生活の中でできる動きを意識し、気づいたときにいつでも気軽に体を動かすことで身体能力を日々向上させることが、かけっこで速く走れるようになるためのコツといえそうです。
速く走れるようになるにはいつから練習をはじめるべき?(推奨時期)
「低学年は30分、高学年でも1時間程度で充分。」と答えるのは、短距離でオリンピック出場経験もあり現役で活動している甲斐好美コーチ。
どれくらいの頻度で練習すべき?(推奨練習頻度)
多くのコーチが、週に1〜2回(1回の練習時間は、1時間以内)の練習量で十分と答えています。
また、佐藤嵩瑠コーチは「小学生、特に低学年のお子さんは、かけっこや陸上競技の専門的な練習はそれ程高頻度に行う必要はありません。それよりもおすすめしているのは、鬼ごっこや縄跳び、木登りなどの体を多く動かす遊びです」と答えています。
佐藤コーチが重点をおいているのは「神経系の発育」です。神経系が大きく発育する時期に多種多様の運動から、さまざまなパターンの運動を経験させてあげることで、脳と体に「この動きをするときはどの部位をどう動かせば適切なのか」というプログラムが書き込まれ、身体能力が総合的に向上し、結果速く走れるようになると考えているそうです。
集団指導と個別指導
わが子にかけっこを練習させたいと考えたとき、個別指導と集団指導とどちらが良いか迷いますよね。それぞれの違い、メリットデメリットはなんでしょうか?
集団指導と個別指導の違い
集団指導は先生ひとりに対して生徒が複数いて、みんなで同じ内容の指導を一緒に受けるスタイル。個別指導は先生とマンツーマンで指導を受けるスタイルです。
集団指導のメリットは、一緒に受ける生徒同士が切磋琢磨できる点です。友達の頑張りに刺激を受けて自分も頑張ろうと思ったり、応援されることでひとりよりも頑張ろうという気持ちを持てるかもしれません。また、一緒に受ける子どものレベルが自分よりも高ければ、少し先の練習を経験できたり良いお手本を身近で見ることができるため、上手くいけば上達も早いかもしれません。
個別指導のメリットは「個々に合わせた練習ができる」という点です。
「その子の状態を細かく確認・指導できるのは個別ならでは」と話すのは、未就学児から高校生までのかけっこ教室、陸上教室の指導経験多数の田村優コーチ。
個別指導では一人ひとりを良く観察できます。その子がなぜ速く走れないのか原因がわかると、弱点に特化した練習ができるため集団指導より効率的といえますね。
また「親の指導はYouTubeやsnsを参考にしている場合が多く、中には良い練習もたくさんありますが、どの練習をすれば良いかわからず、その子にあった練習に絞れていない印象です」と話すのは、前述の中澤優コーチです。
個別レッスンは何回で成果が出る?
個別指導はかけっこの苦手克服には効果が高いかもしれませんが、友達と一緒に切磋琢磨させたいと考える保護者は「できれば数回の個別指導である程度苦手を克服し、友達に追いつくレベルになったら集団指導に変えたい」と考えるかもしれません。では何回程度の個別指導で成果が出るものなのでしょうか?プロのコーチの意見を聞いてみました。
佐藤嵩瑠コーチは、
「お子さんの習得度にもよりますが、早い子には1回レッスンを受けていただくだけで‘‘成果が出た’’と感じていただけます。走りが苦手なお子さんのほうが明確な伸び代があり、記録が大きく伸びる可能性は高いです」と話しています。
そのほか「一番良い反応をいただいているのは2回。月1~2回継続して頂けると変化が大きいかなと思います」と答えるコーチもいれば、3回程度と答えるコーチも複数いました。
ほとんどのコーチが3回以内に効果を感じて頂けると考えているようです。
プロの個別指導を受けるメリットとは
ここまで、プロコーチのさまざまな練習のポイントや教えるコツをお伝えしてきました。ここでは、プロコーチの考える、個別指導を受けるメリットをご紹介します。
時短で成果が出る
多くのコーチが「3回までの個別指導で上達を実感してもらえる」と答えています。
早い子では初回の指導から結果が出たり、集団指導との違いや個別指導のメリットを感じてもらえると答えています。これは、個別指導により、個々の苦手や体の使い方を観察し、その子どもに応じた練習メニューを実施したり、必要な練習により多くの時間を割いたりと、きめ細かな指導ができるからだといえるでしょう。
周りの目線を気にせず練習に集中できる
個別指導では、周りに気を遣う必要はありません。集団指導で、苦手なことをみんなの前でやることになれば、緊張して実力が発揮できなかったり、萎縮して十分に練習できないこともあるでしょう。また、自分ができないことでほかの人の時間を奪ってしまった、あまり練習が進まなかった、などと申し訳ない気持ちになってしまうことも。
個別指導であれば、苦手なことをわかっている先生とのマンツーマンであり、周りに気を使ったり恥ずかしい気持ちになる心配もありません。
個別の悩みや体型に合わせた練習方法
集団の指導であれば、メンバーの平均的なレベルで練習したり、さまざまなメニューを満遍なく均等に練習することになります。得意不得意は子どもにより違っていても、誰かひとりのレベルに合わせることはできないからです。
一方で個別指導であれば、その子どもの悩みや体型、苦手に合わせた練習方法を、とことん反復練習することができます。
まとめ|苦手克服で速く走るにはプロコーチの個別指導という選択も
一度かけっこに苦手意識をもってしまうと、練習が楽しくなくなったり、みんなの前で走ることが嫌になり、より練習の機会が減るなどなかなか克服が難しくなってしまいます。そんなお子さんはプロの個別指導を受けてみるのも良いかもしれません。今回走り方のコツや教え方のポイントを教えてくれたコーチは「ドリームコーチング」に所属するプロコーチです。気になる方は、まずはお住まいのエリアに訪問可能なコーチがいないかドリームコーチングのwebサイトで探してみてはいかがでしょうか?走りのプロが、お子さんの苦手を見極め、適切なメニューを考えてくれるため、短期間で効果を見込めますよ。
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