体育の授業が苦手・嫌いな子どもにスポーツを楽しんでもらうためのコツ
お子さんが体育の授業を嫌いになってしまうと、親としては発育の心配や、学校を楽しめなくなるのではないかという心配が出てきますね。小学校で学ぶ6年間の授業時間数は、国語、算数に次いで多い科目が体育です。子どもがどうして体育の授業を嫌いになってしまうのか、苦手になった体育を楽しくできるようになるため、親はどのように関われば良いのかなどをお伝えします。体育が好きになるきっかけをつくるために、親子でできる運動もご紹介します。
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目次
体育の授業が嫌いになる原因3つ
小学校6年間の授業時間数の合計で3番目に多いのが体育の授業。座学で学んだ記憶を脳に定着させるためには、合間に運動を取り入れることが有効です。
体育は友達との外遊びとは異なり、決まった授業時間内に先生の指導のもとで体を動かします。体育が嫌いになってしまう子どもは、授業のどんなところが苦手なのでしょうか。
怖い、苦しい
単純に運動に慣れていないために、ドッジボールなど勢いのあるボールが飛んでくることに恐怖心を感じて「怖いからやりたくない、嫌い」という気持ちになる子どもがいます。痛い思いをすることが嫌だという子どももいるでしょう。
遊びであれば嫌な運動は避ければよいのですが体育の授業なので、子どもには「やらなくてはいけない」という気持ちが生まれます。これがまた運動に苦手意識を持つ子どもの心に重くのしかかってくるのです。
「さぼっているわけではないのに、頑張っているのにできない…」という悔しさ、もどかしさは体育の授業の印象を苦しいものにしてしまいます。
恥ずかしい
体育の授業では、クラス全員の前でできないところをさらさなくてはいけない場面があります。
国語や算数では、問題の答えがわからなくても指されなければ答えなくて良いし、発表しなければ答えが間違っていたかどうかは友達にはばれません。
しかし、体育では自分の進捗度合いがあからさまになってしまうのです。
逆上がりがなかなか回れずにもがいている姿や徒競走でビリになる姿。見せたくない姿を公開しなければいけない恥ずかしさで、体育の授業が嫌いになってしまうケースがあります。
まわりの子どもができればできるほど、できない自分と比較してしまうことも多く、体育の授業に参加することが苦痛になる子どももいます。
迷惑をかけたくない
体育が嫌いな子どもからは、体育の授業でチームプレーのスポーツをすることが苦手だという声もよく聞かれます。
「バレーボールで自分のサーブだけ入らない」
「リレーで自分が遅かったせいで負けた」
このような経験があると、まわりに引け目を感じてしまい本来のスポーツの楽しさを味わうことができません。「自分は運動ができない子どもなんだ」という思い込みが強くなり、体育の授業に参加することが苦痛になってしまうのです。
体育の授業が苦手になる原因には、ただスポーツが嫌いというだけではなく、
・言われたことをちゃんとやりたい(のにできない)
・人前で恥をかきたくない
・人に迷惑をかけたくない
などさまざまな感情が関係していることがわかりますね。
親の前では「だるい」「面倒くさい」などという子どもの心の奥にも、実はこういった気持ちが隠されているのかもしれません。
関連記事:子どもの運動音痴の治し方を解説!運動神経を向上させる方法とは?
そもそも体育は健康のため運動に慣れ親しむもの
本来は健康のための運動を推奨する目的で小学校に取り入れられた体育の授業ですが、現在は成績をつけたり、スポーツで競争をさせる授業が多いのが現状です。
小学校の体育の授業では、野球やバスケットボール、サッカーなどのスポーツが教材として取り扱われることが多いです。運動が得意な子どもにとっては楽しいですが、体を動かすことが苦手な子どもは勝ち負けが関わるスポーツは苦痛です。自分のせいでチームが負ける可能性があると思うと楽しめず、体育の授業が嫌いになってしまうのです。
山歩きやヨガなど、勝ち負けのない運動を積極的に取り入れることで体育が嫌いになる子どもを減らせるかもしれません。
体育嫌いを克服するためにできること3つ
体育の授業が嫌いで、体育のある日は学校に行くのが憂鬱になってしまう…。そんな子どもの気持ちに寄り添いながら、少しでも体育嫌いを克服させるためにできることはどのようなことがあるのでしょうか。
ほめる
大人でもほめられたら嬉しいものです。何でもよいので、とにかくほめられるところを見つけてほめましょう。
「運動ができるようになって欲しい」と思うと、ついつい直したほうが良いところに目が行きがち。応援しているつもりがダメ出しばかりだった…ということは親にとってよくあることです。
だからこそ、意識してほめることが子どものやる気を引き出します。
人目を気にせずできる運動をする
みんなの見ている前では恥ずかしくてできないけど、ひとりでは落ち着いてできるということもあります。ひとりで集中してリフティング練習に励んでいたら、体育の授業でサッカーがあったときに役に立つかもしれません。
室内でできるスポーツのゲームソフトを利用して、体を動かす感覚を掴むこともおすすめです。家族だけで練習するなら恥ずかしさも少なくて済みそうですね。
自分にもできる運動があると気づかせる
サッカーやバスケットボールなどで活躍できなくても、徒競走でビリになっても、それがイコール運動音痴ということではありません。自分でもできるスポーツや楽しめるスポーツもあるんだということに気づいてもらうことが大事です。
たとえば、サイクリングで近所を回ることもラジオ体操も運動です。広い遊園地を一日中歩き回ることもかなりの運動量になりますね。
競技スポーツにこだわらずに見てみると、いくら体育の授業が嫌いでも、体を動かすことがすべて嫌なわけではないかも…と子どもも気づくのではないでしょうか。
体育の授業が楽になる!親子で楽しめる運動とは
小学校生活を楽しく活発に過ごして欲しいし、体力もつけて欲しいと思うのが親の願いです。かといって、体育が苦手な子どもをいきなり授業の基礎練習のような運動に誘ったとしても、子どもはやる気が起きないでしょう。
そんなときは、親子で体を動かして遊んでみることがおすすめです。
親子で一緒に体を動かすと、子どもは運動に対する抵抗感を持ちにくくなります。
まずは授業に役立つ体作りができる簡単な運動で楽しさを引き出しましょう。
タオルキャッチボール
普段使っているフェイスタオルでキャッチボールします。適当に丸めて投げると投げやすく、ぎゅっとしっかり丸めてしまうよりぶつかっても痛くありません。
徐々に形を変えて、まったく丸めない状態で投げてみるのもキャッチすることが難しくなりおもしろいですよ。
「当たったら痛い」という恐怖心のない状態で、まずは楽しんで体を動かすことがコツです。
公園遊び
フリスビーや風船バレーなど、体育の授業ではやらないものを選んで体を動かしてみましょう。
アスレチック遊具や芝そりもおすすめです。授業で採点されるような運動以外にも、自分が楽しんでできる運動があることに気づけると運動のハードルが下がります。
けん玉
一見スポーツには見えないかもしれませんが、バランス感覚、ボールを操る感覚、重心移動など実は運動に大事な動きが含まれているのがけん玉です。
けん玉は、スポーツに抵抗感がある子どもでもおもちゃ感覚で手に取りやすいところがおすすめのポイント。
投げる、キャッチする、昇り降りするなどさまざまな動きをすることで全身が刺激され、運動感覚を養うことができます。強制せずに、あくまで「一緒に楽しもう」という姿勢で子どもとの時間を過ごしましょう。
好きな運動を見つけて体育の授業に活かそう
体育の授業が苦手でも、運動すべてが苦手とは限りません。一番の問題はそこで子どもが「自分は運動が苦手なんだ」と思ってしまうことです。「運動」の枠を狭めず、親子で体を使ったさまざまな体験をすることが結果的に子どもの総合的な運動能力を高めます。楽しめる運動を見つけることで、いつのまにか体育の授業に必要な筋力が育っていきますよ。
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