【小学生・中学生の初心者向け】バレーボールのトスの種類と使い分けをご紹介
バレーボールのセッターは、良いトスを上げるために頭と体をフル回転させることが重要です。今回は多数のVリーグ優勝経験がある山田晃豊(やまだあきのり)コーチに、中学生への個別指導をお願いしました。
ライフキネティック指導者でもある山田コーチならではの練習方法は、頭と体を使うセッターに特におすすめの内容となっていますよ。
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目次
バレーボールの戦略はトスが要!
バレーボールの試合では、厳しいサーブやアタックを拾い上げるところやかっこいいアタックを打つシーンが注目されがちですね。しかし、ゲーム全体の動きを担っているのは実はセッターです。レシーバーから着実にボールを受け取り、アタッカーが打ちやすく敵からはブロックされにくい位置を狙って的確にトスの種類を使い分けるセッター。
つまり、セッターが良いトスを上げることではじめて自チームの攻撃が開始されるのです。
良いトスを上げるには、味方の動きも相手の動きもしっかり観察し、次にどのような展開がくるかを予想することも必要です。プロにとっても小学生や中学生にとっても、トスはバレーボールにおいて戦略・攻撃の要だといえるでしょう。
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バレーボールの主なトスの種類
まずはバレーボールで使われる基本的なトスの種類を確認しましょう。さまざまなトスの種類を覚えて使い分けることで、プレーに厚みが出て敵を惑わすことができます。
- オープントス
- クイックトス
- セミトス
- 平行トス
- バックトス
- ジャンプトス
- 二段トス
この7つのトスについてそれぞれご紹介します。
オープントス
最も基本的な高くあげるトスのことです。ボールが上がってから落ちてくるまで間があるため、アタッカーも打つタイミングを見定めやすいトスです。手首だけでなく肘も使ってボールを上げます。
クイックトス
素早い攻撃のために手首のスナップのみで上げる、小さく速いトスです。アタッカーにとってはオープントスよりも合わせにくいため、お互いの連携がより重要になるプレーです。
セミトス
オープントスとクイックトスの中間とされるのがセミクイックトス、略してセミトスです。敵のリズム感を崩すことで決まりやすくなりますが、アタッカーにとっても合わせづらいため日頃から繰り返し練習しておきましょう。
平行トス
ライトやレフトに素早く振り分けるために出される、低く速いトスです。ボールを山なりに上げずに横に平行に出すため平行トスと呼ばれます。
バックトス
その名の通り、後ろに出すトスです。自分の前のアタッカーが打つと思わせておいて後ろのアタッカーにトスを上げることで、敵を欺くことができます。
ジャンプトス
ジャンプして空中でトスすることをジャンプトスと呼びます。そのままセッターがスパイクを打ってくると敵に勘違いさせた状態でトスを出すことで、アタッカーがノーマークでスパイクを打つことができます。
二段トス
レシーブが乱れてセッターまでうまくつなげなかった際に、セッターではないポジションからトスが上がることがあります。このトスは二段トスと呼ばれます。本来トスはネット際で上げるものですが、二段トスの場合はネットから離れた場所で上げられることが多くあります。
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元Vリーグ指導者山田コーチが教えるトスのやり方
今回トスのやり方をご指導いただいたのは、山田晃豊(やまだあきのり)コーチです。
山田コーチは日本代表コーチの経験やVリーグでの長年の指導経験があり、プレーヤーとしてだけでなく指導歴が長いことがレッスンにも活かされています。
山田コーチにトスの基本のポジションについて伺いました。
- 人差し指と親指でおでこの前に三角形を作ります。テニスのラケットのピンと張った網をイメージしましょう。
- 足は前後にずらし、前への重心移動がしやすくボールに力が入るようなポジションをとります。
- ボールの落下点を予測し、先にその下に入ります。そうするとボールを受けるまでの「間(ま)」が生まれ、敵の状況や、誰にトスをあげるかなどを考えることができます。
- あごを引いて上目遣いでボールを捉え、体の重心とボールの飛んでいく方向の矢印を合わせます。
- 肘は動かさず、手首のスナップを利用してボールを弾きます。
トスを行うときは、指や手のひらをボールにべったりつけないように気をつけましょう。山田コーチによると、ボールが熱々で触れたら火傷するというイメージを持つとうまくいくとのことでした。目の前にいる中学生たちに伝わりやすいように、イメージしやすい言葉を選んでくれるところにコーチの指導力の幅を感じますね。
元Vリーグ指導者山田コーチが教えるトスの練習方法
続いて山田コーチにトスの効果的な練習方法を教わりました。まずはバスケットボールのように、地面を使ってドリブル練習を行います。
- ボールを持って床に座ります。
- 基本のトスの手の形でボールを床に当て、バウンドさせます。
- 跳ね返ってきたボールをまたトスして、バスケットボールのドリブルのように繰り返しましょう。
- 安定してできるようになったら、最初よりも床との距離が遠くなるよう立った状態で行います。
- 立った状態でも安定してできるようになったら、壁の前に立ち壁にドリブルするように行います。
次に、上記の動作を3つの関節(足首、膝、股関節)を同時に曲げて伸ばすという動作と組み合わせて行います。しっかり下半身のクッションを使うことで、ボールの方向性も安定しやすくなりますね。
下半身を使って精度の高いトスができるようになってきたら、コーチに投げてもらったボールを返す練習を行います。
- 投げてもらったボールをそのままトスして返す練習
- 投げてもらったボールをオーバーで直上レシーブし、そのボールをトスしてコーチに返す練習
- 1回目でアンダー、2回めでオーバーでコーチに返す練習
- 2タッチでコーチに返す練習(オーバーでもアンダーでもよい)
ここまできたら、次はさらに高度な練習です。
上記の練習ができるようになったら、山田コーチお得意の脳トレが加わってくるのです。山田コーチはライフキネティック公認トレーナーとしても活動されていて、バレーボールの特性を「考えながら動くこと」と仰っています。プレーしながらも味方の動きや敵の動き、ボールがどこへ飛んだかなどを絶えずチェックして次の動作を考え続けるスポーツがバレーボールです。考え込むことで動作が止まってはいけないのが難しいところですが、次の練習はこの動きながら考える力を養う山田コーチらしいレッスンです。
- 受け手が1回目のレシーブをしている間に、コーチがグーチョキパーのいずれかを出します。
- 受け手は1回目で受けて、即座にコーチに目線を向けてグーチョキパーの何を出しているかを確認し、サインを返答します。
- 1回目の直上トスで上げたボールがどこに落ちてくるかを把握して、2回目でコーチへ返します。
ボールだけでなく、コーチの出している手のサインまで視界を広げることで、周りを見る練習になりますね。ボールを追いつつ、他のプレーヤーも見て、さらにボールを正確に返すという判断も行う忙しい練習ですが、まさにバレーボールに必要な要素が詰まった練習方法といえます。
良いトスを上げるには
良いトスとは、第一に味方がアタックしやすいトスです。いくらトリッキーなトスの種類を使い分けられたとしても、味方が打てないのでは意味がありません。つまり初心者は基本のオープントスをしっかりマスターすることが最も重要となります。
また、正確な安定したトスを上げるためにはボールの落下地点を素早く見極めることが大事です。ボールの方向性をしっかり定めるために、体の方向を意識することも忘れないようにしましょう。
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初心者は基本のトスをしっかりマスターしよう
バレーボールのトスにはさまざまな種類があることをご紹介しました。トスの種類によって使い分けできることもお伝えしましたが、初心者や小学生、中学生の場合はまずは基本のオープントスをどれだけ正確に出せるかを目標にしてみましょう。
高さ、方向、安定感が揃ってくるとアタッカーもプレーしやすくなり、結果的にチームの得点につながります。息の合ったプレーが続くと、チームの雰囲気もグッと良くなりますよ。
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